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学校と僕。  作者: 奏良
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佐崎が帰ってから、おじさんとおばさんが来た。

ダイジョウブかいと何度も問いかけてくるおばさん、前よりずいぶんやせたようなおじさん。

泰葉の姿はなかった。

僕がにっこり笑って見せると、おじさんもおばさんも安心したように帰っていった。

「・・・」

時計を見ると、もう午前10時。

あんなことがあってから、ずいぶんと時間がたった。

頭部に巻いてある包帯に触れる。

泰葉・・・

何で、あんなことしたんだよ。

そのときだった。

不意に病室の扉が開いた。

「・・・泰葉」

たっていたのは泰葉だった。

泰葉は黙って来客者用のいすに座る。

「・・・」

沈黙が流れた。

「・・・ごめんなさい」

ちょっとためらった後、泰葉が頭を下げた。

「私から父さんと母さんを奪った奴が・・・なんてひょうひょうした顔してるって思ったら・・・憎たらしくなって・・・ごめんなさい」

泰葉はそういって頭を下げていた。

「・・・悪いのは、僕だ」

「・・・」

「僕、怖かったんだ。学校に行くのが。それで、逃げた。逃げて家に引きこもって・・・

父さんが言いたかったことも、何にも分からなかった。

今になって、やっと分かったんだ。お前にも・・・つらい思いばっかりさせて、ゴメンな」

泰葉が顔を上げた。

「ほんとに・・・ゴメン」

僕は泰葉を見て言った。

「・・・」

泰葉はしばらくうつむいた後、顔を伏せて泣き始めた。

「ち・・・違うの・・・」

しゃくりをあげながら、泰葉は言う。

「転校した学校で・・・いじめがあって・・・すごく仲良くしてくれた子がいじめられてたの・・・殴られたり・・・蹴られたりしてて・・・

私、見てることしか出来なくて・・・どうしたらいいかわかんなくて・・・自分自身がいやになって・・・学校行きたくなくなって・・・

そしたら・・・兄さんも・・・こんな気持ちだったのかなって、そう思ったら会いたくなって・・・でも、なんていっていいかもわかんなくて・・・実際会ったら、すっごく憎たらしくなってきて・・・あいつが不登校なんかじゃなかったら、こんな思いしなくてすんだのにって・・・

だけど・・・兄さんは、最後まで私のこと守ってくれて・・・なんか変な気分になって・・・

どうしたらいいかわかんなくて・・・ごめんなさい・・・」

泰葉はそういっていた。

僕は微笑むと、腕を伸ばして泰葉の頭に手を置いた。

泣きじゃくる泰葉を見て、僕は安心した。

やっと、泰葉の本心が分かった。

これからは、兄としてちゃんとするから。

ほんとに・・・ゴメンな。

僕は心からそう思った。

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