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学校と僕。  作者: 奏良
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前回あったのは両親の四十九日だったが、僕は顔を合わせられなかったので、引っ越してからは初めての対面だった。

「・・・」

泰葉は僕をにらみつけるように見ている。

「どうしたの泰葉?」

となりにいる友達らしい人物が、怪訝な顔をして妹の顔を覗き込んでいた。

「あ・・・なんでもないの、私、今日用事があるからさ、ゆり先駅行っといて」

「え、あ、ちょっと・・・」

泰葉は友達を押して駅に向かわせると、僕を見た。

「やっぱりここの近くに住んでたんだ」

泰葉の目は氷よりも冷たかった。

「何でここに?」

かすれた声しか出ない。

「ううん、ただ、両親殺した人殺しは何してるかなって思って」

「・・・」

僕は何も言い返せなかった。

「少しはやつれたりしてるのかと思ったら、全然普通みたいな顔してるんだもん。あんたのせいで父さんも母さんも死んだのにね」

泰葉は小声でせせら笑う。

「友達とここら辺のデパート遊びに来たから、ちょっと商店街寄ってみたら、本当にいたからびっくりだけどね」

妹はせせら笑いながら僕の横を通り過ぎた。

「本当に・・・馬鹿なんだから・・・」

通り過ぎるときに泰葉がそういった意味が、このとき僕には全く分からなかった。

寂しげな瞳にさえ、気づけなかった。

ただ、呆然と通り過ぎていく妹を見つめることしか出来なかったんだ。

いくら殺人者呼ばわりされようと、バカにされようと、僕はあいつの・・・泰葉の兄なのに。

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