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学校と僕。  作者: 奏良
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僕らはあれから事情聴取やら何やかんやで、キャンプの下見どころではなくなってしまった。

あの男たちは、一種のギャングで、あのダンボールだらけの倉庫で麻薬の密売を行っていたらしい。

あの妙な形のクモの巣、あれは、コーヒーを飲んだからだったんだ。

昔、田舎のばあちゃんが「コーヒーを飲んだクモの作る巣は形がおかしいんだよ」といっていたのを、後になって思い出した。

「あの妙にきれいだった裏の倉庫を見て、なんだかへんだと思ったんだ。

確かめようと思って外に出たら、調度まゆと出くわして・・・」

和倉はそういっていた。

さすが和倉、といいかけたところで、僕は思い出した。

「佐崎、何であそこで密売やってるって気づいたんだ?」

「密売?知らなかったよ」

「は?」

「ただ、担が出て行って、その後瀬斗も出て行くから、こっそりあとをつけてたんだ。

そうしたら、何かヤクザみたいな奴がいてやばそうで、警察に連絡したんだ」

「・・・」

僕は何もいえなかった。

つけられてるなんて、全然気づかなかったし、僕が佐崎の立場なら、そんな風に冷静に対処できはしなかっただろう。

つくづく不思議な奴だと思う。

あののほほんとした表情からは全く読み取れない神経の鋭さを持っているんだ。佐崎は。

「あ、佐崎たち、ダイジョウブだったか?」

昨日の状況を見ていない田口たちが、警察署を出るなり囲んできた。

「うん、ダイジョウブだったよ」

「なんせ、担や瀬斗がついてるからね」

僕と佐崎が答えた。

本当は僕は和倉や僕がついているといった佐崎に屈服していたんだけど、本人には秘密にしておこう。

「おぉ、お前ら大変だったなぁ」

そう言ったのは調度車から降りてきた教頭だった。

自分には無関係といった口調でそう言って、威張った様子で僕らを見ている。

「まぁ、あんなところをキャンプ場に設定したお前らがいけないんだからな、生徒会主催のキャンプの下見なんだから」

「・・・」

僕らは何も言わなかった。

教頭も、逃げてるんだ。

僕やみんなが精神的に傷ついた責任を保護者に訴えられるのが怖いんだ。

そして言いたいことだけ言うと、教頭は車に乗ってそそくさと帰ってしまった。

「何だ、あいつ」

和倉が怪訝そうにつぶやいた。

「いつも“教える立場”だからって威張ってるのに、こういうときは逃げ出すんだ」

「教育者の癖に」

そう、教育者なのに。

先生、僕らは見てるんですよ。

先生たちが僕らを見ているのと同じように、大人を見てるんですよ。

ずっと、ずっと。

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