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「・・・瀬斗」
川を見ていた僕に声をかけたのは、佐崎君だった。
「瀬斗君、ごめんなさい」
その後ろにいた江桜さんが頭を下げる。
「私、新しい仲間が出来るなって、すっごいうれしくて、瀬斗君の気持ちちっとも考えなかった・・・」
「いや・・・僕も悪かったし・・・」
そういった僕は和倉君の言葉を思い出す。
「生徒会室で待ってるな」
待ってるな
「瀬斗、僕たち、何にも考えてないけど、でも、君にやって欲しいんだ」
佐崎君が僕に言った。
待ってるな
和倉君の声が木霊する。
僕は決めた。
「・・・いいよ、僕。会計やっても」
「ほ・・・ほんと!」
江桜さんが顔を上げた。
「ありがとう!」
佐崎君は僕の手を取った。
「じゃあ、私、みんなに連絡してくる」
江桜さんはうれしそうに走っていった。
佐崎君が僕の手を持ったままとなりに座った。
「本当に、ありがとう」
「いや、別に・・・」
僕はさりげなく佐崎君の手をほどく。
「あの、さ・・・」
「ん?」
「自分がわかんなくなったら、どうしたら良い?」
僕は川を見たまま佐々木君に尋ねた。
「また見つけに行けば良いよ」
佐崎君はすぐにそう答えた。
「そっか・・・」
また見つける。
僕は、執行部に入って、自分を見つけるんだ。
家に閉じこもってなくたって、自分自身を見つけられる。
また見つけに行けば良い。
佐崎君の言葉が、すごくうれしかった。
「よろしく」
佐崎君の大きな右手を、今度はためらわずに握った。
「うん」
その日から、僕は執行部の一員になった。
自分自身を探す為。




