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学校と僕。  作者: 奏良
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その日は、妙に落ち着かなかった。

結局、佐崎君は今日学校に来なかった。

他の人の話だと、どうも他の執行部の連中も来ていないらしい。

自分自身のことも分からない、僕。

何故僕なんだ。

何故そんな僕を執行部に入れたがる?

終礼が終わり、僕はエアーバッグをつかんだ。

「・・・梶谷」

不意に名前を呼ばれた。

振り返ると、そこには学校に来ていないはずの和倉君が立っている。

「ちょっと・・・」

僕は和倉君について歩いた。

着いた場所は、川原だった。

「ありきたりで悪いな」

そういって和倉君は座りながら笑った。

「あ・・・うん・・・」

和倉君は違うクラスだけど、第一印象で怖いイメージがあった。

制服を着崩していて、全く副会長には見えないし、なんとなく話しにくかったから。

僕は和倉君のとなりに座った。

「お前、不登校だったんだろ?」

和倉君の言葉にドキっとする。

僕はうなずいた。

心臓の鼓動が早くなる。

「俺の親友もだったんだ」

「え・・・?」

「すっごい仲良い奴で、こんな俺でも普通に話しかけてくれた」

僕は和倉君の横顔を見た。

「けど、そいつはクラスのリーダーみたいな奴に嫌われてな」

「いじめ・・・」

「あぁ、学校に来なくなった。俺は、何にもしてやれなかったんだ。

悔しくて、つらくて。そいつはすぐ転校しちまって、結局俺は何も出来なかった・・・」

和倉君が川に向かって小石を投げる。

小さな水音とともに、小石は川の中に消えた。

「だから、分かったんだ。お前も悩んでんだなーって」

不思議な感じがした。

誰にも分かってもらえなかった気持ちが、和倉君は分かっている。

「だから、生徒会に入った。その親友の分も、みんなが楽しく生活して欲しい」

和倉君が僕を見た。

「お前にも」

そういって、和倉君が立ち上がった。

僕より、ずいぶん背が高い。

「じゃあ、生徒会室で待ってるな」

そういって和倉君は立ち去った。

僕は一人、夕焼けに染まる川を見ていた。

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