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10話 現代の美容が輝きました

で、


「なおった。」

「よかったね、ポット。」

「ふむ、魔法とは便利なものじゃの」

「あんな全開でぶっ放しておいてよく言うな…」

「まあまあ、直ったんだしいいでしょう。」

「そのことなんだけど、リール」

「ん?何ですか?」

「あなたの『リペア』じゃ直せなかったの?」










「さて用事も終わったことだしそろそろ行きましょうか」

「いこう。」

「すっかり忘れてたわね?」

「お前もさっきまで忘れてたんだから仕方ないな。」

「ほっほっほ、若いのは素晴らしいのう」


4人と1個はギルドを出る。



カウンターで受付の女の人がギルドマスターに話しかける。

「いつも通りの人達ですね。」

「あのチームはいつ見ても素晴らしい、よく出来ているのう、とても仲が良さそうじゃ」

「多いですよね、適当な人誘ってチーム組んだけどすぐ仲間割れしちゃうって所。」

「チームを組むということは即ち自分の命を預け、生活を共にするということじゃ、一緒にいて、多少の不満があれど許せるような者とでないと元来成立せぬものじゃ、あのチームは互いが互いを信用しておる。きっとすぐに伝説に名を残すであろう。」

「ふふ、ギルドマスターはすぐそうやって大きな事を言う」

「気にするでない、干からびた爺さんの寝言じゃ」

「そういえば、ポットさんをどう思いますか?」

「不思議じゃ、その性質は道具に知性が宿ったものじゃろうが、その知性はどちらかというと人間に近いものを感じる、どこか底知れぬものが垣間見える気がするのう」

「そもそもあの道具は何なんでしょうか、すごく不思議なものですけど。」

「そうじゃのう、大方異界の拾得物であろう、アーシラリス様も、大概変わったものを贈りよるの」

「違う世界の人間って、実はあんな感じなのかも知れませんよ」

「なるほど、それは面白い考えじゃ。ほっほっほ」



「さて、報酬も受け取ったし、ミランさんのところに行くか」

「昨日の埋め合わせをしなきゃいけないからね」

「かいもの。」

「ところで、この薬は何なの?」

ティアが先ほどのめんつゆを取り出す。

「めんつゆ。」

「めんつゆ…?ってどんな薬だ?ポット。」

「聞いたことない薬ね」

あれ?みんなめんつゆが何か知らないの?その辺で売ってそうなのに。

「しょうゆ。」

「しょうゆ…どこかで聞いたことがあるな。何だったかな、リール。」

「どっかの島で作ってる調味料じゃありませんでしたっけ、ちょっとマイナーすぎて具体的には思い出せませんが、生魚や動物の卵にかけて使うと聞きます。」

「ああ、そんな話をどこかで聞いたことあるわね。これがその『しょうゆ』っていう物なの?」

「だいたい。」

「ふーん、詳しいわね、ポット。」

「知ってた」

そんなこんな4人で話しながら、ミランさんのお店までついた。

「おうミランさん、入るぞー」

「いらっしゃいませー、どんな薬が…って、またおまえ達かい。」

僕達が入ると昨日と同じようにミランさんが迎えてくれた…が

「今日は客として…ってミランさん?」

「何だい突然びっくりしたような顔して」

今日のミランさんは昨日と違っていた。


そう。


「どうしたんだ?…その髪」


ミランさんの髪が輝くほど綺麗に、ツヤツヤになっていた。

「おお、やっぱり気がつくかい?ポット、お前のくれたアレはすごかったよ」

「あれって…石鹸じゃないのか?」

「貴族が使うような高いものには見えましたけど…」

「貴族ですらこんなもの使ってるもんか。貴族どころか王族ですら使ってるかわからないよ」

「そんなに貴重なものなの!?」

「貴重なんてものじゃない。価値なんか付けられないかも知れないよ。この世界にアレを作れる人はいないと思う」

「す、すごいわね…」

「それだけについ気になってしまうね。ポット、アレはどこから手に入れたんだい?」

ミランさんが問いかけてきた。うーん、手に入れたというか、出したというか、元の世界には売ってたというか。

「えーと。」

「ああ、言えないなら言わなくていい。企業秘密だってあるものさ、私も『ラクラクウデモゲール』の作り方は人に教えたくないしね」

「名前からして誰も知ろうと思わないから大丈夫だぞ」

「それはこの薬の効果を知らないからそんなことが言えるんだ、聞いて驚くといい、なんとこの薬を飲むとな」

「腕がもげるんだろ?」

「な…なんでわかったんだ?」

「もうちょっとわかりにくい名前にしたほうがいいわよ」

「変な名前にすると何の薬だったかわからなくなるんだよ。この間も『物理魔法攻撃防御道具人族魔物生命腐敗量産型天下無双火焔氷結電撃調合薬』って名前の薬が棚から出てきてさ。何の薬だったかさっぱりわからないんだ。」

それ以前にどうしてそんな名前にしようと思ったのか。

「調合師の中ではよく聞く話らしいですけどね、薬の名前を後で決めようとして『新しい薬』『新しい薬改』『新しい薬改・真』『完成版新しい薬改・真』『完成版新しい薬改・真改良版』って感じになっちゃうとか」

パソコンのファイル名か。

「ま、薬を作ることだけに人生を賭けてる人には良くある話だね。」

「もうちょっと自分が作った物に愛情を捧げたほうがいいわよ」


Q.『新しい薬』ってどんな薬なの?

A.物の名前が決められないときに飲むと、名前が浮かんでくるようになる薬です。

これ作った人、普通にネーミングセンスが残念なだけだったんじゃないだろうか。


くぅ…中々文字数が増やせない。

『リペア』は破損した物を修理する、及び「ゴーレム」「オートマタ」等の傀儡系の対象を回復させる魔法です。ポットもちゃんと回復対象になります。

「みんなの髪はちゃんとシャンプーとか使ってないからボサボサだったりするの?」みたいな疑問については後の回でちゃんと言及する予定ではあるので、それまでお待ちを。

ここで簡易的に説明すると「女神様の配慮がされてる」みたいな感じです。

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