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Episode1 ~第2話~

「え~と、それじゃあ、みんなからは何か質問がないかな?時間的に1人か2人程度なら大丈夫だから誰かいな「はい、は~~い。」」

サラが最後まで言い終える前に、一人の元気一杯な少女が手を大きく挙げた。

「人の話は最後まで聞きなさい、シャーリー。まぁ、いいわ。時間もないから手短にね。」

「了解です、サラ先生。音夜先生、ずばり天音との関係を教えてください。」

「関係も何も妹みたいなもんだ。別にお前さんが期待するようなことはないぞ。」


・・・・ッゾク


そう答えた瞬間に背筋が凍るような殺気が音夜を襲った。殺気を送った方に視線を向けてみると不機嫌そうな天音が此方を睨みつけていた。

(イヤイヤ、俺にどうしろと・・・・)

「ふ~ん。天音がいつもと違う感じがするからもしかしたらと思ったんだけど・・・・。まぁ、いいや。そのうち分かるだろうしね。」

シャーリーと呼ばれた少女は目を輝かせてそう言い座った。

「他には誰か質問ない?後1人くらいなら大丈夫だよ?」

「ハイ、先生。質問があります。」

手を挙げたのは、綺麗な金髪と制服がはち切れんばかりのお腹が特徴的な少年だった。

「じゃあ、マルコ君お願いするわ。」

「紅先生の属性と魔力量を教えてください。」

マルコと呼ばれた少年は意地悪そうに顔を歪めながら言った。

(!!!うゎ、子豚がいるし。何アレ、ミスマッチ過ぎるだろあの髪と腹は・・・・)

音夜は笑いを堪えるのに必死で答えることはできなかった。その様子を見てマルコはニタっと笑いながら、

「言えないんですか。ならこの僕が言ってあげますよ。氷属性を持ちながら魔力量がギリギリのEランクの小汚いクソな平民だということをさ。アハハハハハ・・・」

マルコはそう言い放ち高らかに笑い出した。そう言った瞬間に水の塊がマルコの顔すれすれを通った。

「撤回してください。確かに兄さんはダメ人間を代表するような人ですが貴方に言われる筋合いはありません。」

「んぁ・・・・っし・・・っし・・っ白雪さん!貴女みたいな人が何故あんな男を庇うのです。あんなクソみたいな平民より僕みたいに権力もあって美しくてカッコイイ僕の方が貴女にはきっとお似合いだ。そうは思いませんか。」

マルコは前髪をさわやかに掻き分け天音に言った。その頃、音夜はと言うと、

(っぷ、ヤバイ。・・・あいつマジで面白すぎる。貴族でナルシーなデブは定番だが長く生きててあいつほどピッタリで面白いやつは見たこと無いし・・・・・っぷぷ・・・やべっ、笑うの我慢しすぎて涙出てきた。)

「煩いです、話しかけないでください。後、貴方と兄さんを比べたらまだ兄さんの方がまだマトモに見え「っぷ、あはははは・・・やっぱり、ダメだ。俺には笑いを堪えるなんて無理だ。あんなの見て笑うなとか拷問にちkッブヘ・・・」」

音夜が空気を読まずに笑っていると突然に水の塊が飛んできて音夜を吹き飛ばした。

「っ音夜先生!!・・・・ちょっと、天音ちゃん・・・コレはやりすぎでしょう・・・」

気絶した音夜を見てサラは天音に声を掛けた。

「大丈夫です。」

「イヤ、でも・・・・」

「大丈夫です。」

(((((イヤ、マルコも紅先生もどっちもどっちだろ・・・・)))))

この光景を見てクラスのみんなはそう感じた。

「・・・・・・そう、なら今日はこの辺で解散にしときましょう。え~と、気絶した音夜先生は・・・」

「問題ありません、責任を持って私が寮へ案内しておきます。」

「そう、・・・じゃあお願いね。じゃあ、今日は解散にします、明日からは通常の授業シフトに戻るので気をつけるように。・・・・まぁ、去年や一昨年と変わらないので大丈夫だと思いますが予習を忘れないようにね。」

そう言い、サラは音夜の方をあまり見ないようにして教室を出て行った。


・・・ガヤガヤ・・・


サラが教室を出てすぐに生徒は帰る準備をしながら友達同士で固まって帰って行った・・・・・もちろん、みんな意識的に音夜の方を見ずに・・・・



天音は筆記用具を鞄にしまい音夜の方に向かおうとしたが後ろから声をかけられた

「天音、音夜先生を保健室に運ぶのなら手伝うぞ。」

「ありがと、美鈴。でも運ぶというよりも起こしてから案内するから大丈夫よ。」

天音は手伝わせるのも悪いと思ったのでやんわりと断ったが、

「別に気にしなくていいよ、どーせ午後から暇だし先生と天音の関係について詳しく聞きたいしね。」

シャーリーが笑いながら天音に言うと、優しそうな少女が、

「こ~ら、シャーリー。空気をちゃんと読んであげなさい。天音ちゃんは先生と2人っきりになりたいのだから。」

っと注意をした。だが、その言葉に反応したのはシャーリーではなく、美鈴で

「っそうなのか、奈々。・・・・すまない、天音。私は邪魔をするつもりは・・・」

っと、天音に謝ってしまった。

「は~~~、まったく何アホなことを言ってるのですか、奈々は・・・。まぁ、じゃあ取り合えず兄さんを起こして寮に運びましょう。話はそれからです。」

天音はため息をつきながらそう言った。

「う~ん、じゃあこれからやるはずだった新学期パーティーを音夜先生の歓迎パーティーにしましょう。そうすれば、先生の事とか話を聞けたりしますし。そうと決まれば買い出し班に電話しないと・・・」

奈々と呼ばれた少女は手を叩き、電話を掛け出した。

「はぁ~、まぁいいでしょう。取り合えず起こすとしますか。」

そう言い天音は音夜を起こしにかかった。



「・・・・・ねぇねぇ、どうやって起こすの?これ、完璧に伸びてるよ。」

シャーリーは音夜を見て心配そうに言った。

「問題ないです。」

そう言い、天音は手のひらから水を出して音夜の顔にぶっ掛けた。

「「「・・・・」」」

見ていた3人は声を失った。

「起きてください。早く起きないとご飯抜きですよ。」

(((えっ、最初に水をぶっ掛けた意味ないよね・・・)))

「うう~~ん・・・・・あと5z「バシャ~~~」」

再び天音は水を掛けた。

「お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す」

「ぅうう、おはよう。・・・まったく最悪な目覚め方だ・・・。」

びしょびしょになった髪をかきながら音夜は起きた。

「まったく、行きますよ。ほらっ。」

そう言いながら、天音は音夜に手を掴んで立たせ、引っ張りながら

「じゃあ、行きますよ。」

と言って、音夜を引っ張りながら寮へ向かった。

「ぇええ、ちょっと待って。」

っと、3人は慌てて2人の後を追っかけた。




||||||||




「う~~~、光が眩しい。太陽なんか死ねばいいのに・・・って言うか、寮が大きすぎるだろうよ。」

音夜は外へ出て早々に文句を言い始めた。

「うるさいです。やっと起きたと思ったら、文句しか言えないのですか。」

そんな感じで天音が怒っていると、

「あははは、なんと言うか寮の大きさの前に太陽に文句とは変わってるなぁ~、音夜先生は。」

美鈴は笑いながらそう言い、

「確かにね、よっぽど金持ちの貴族様で無い限り普通はこの大きさにビックリするんだけどね。」

シャーリーが賛成した。

「うん?別に大きさとかは普通じゃないか?中等部から高等部にかけての全校生徒と先生がみんなここに住んでるんだから・・・」

「アレ?大きさに疑問持たないってことは、先生って貴族出身なの?」

「え~と、・・・名前がわからん。元気っ娘、別に違うが普通じゃないのか?」

「はぁ~、シャーリー。この人はただ面倒だから何も考えてないだけです。一々反応すると疲れますよ・・・」

「ふ~~ん。まぁ、寮のことは別にしても、名前は自己紹介もしてないし仕方ないか。」

「確かに自己紹介まだでしたね、今します?」

「別に、後でみんな一気にやれば問題ないでしょう。とりあえず管理人に部屋を聞きに行きましょう。」

天音はそう言い、音夜の手を引いて管理人室に向かった。



~美鈴side~



「ところで、天音はいつまで手を握っているんだ?」

「アレ?美鈴ねぇは音夜先生がもしかして気になるの?う~ん、ルックスは平凡だけど人それぞれだし・・・もしかして一目ぼれしたの?」

奈々は意地悪そうに美鈴に聞いた。

「何を馬鹿なことを。ただ、あんなに嬉しそうな天音は見たこと無いだけだ。」

「う~ん、嬉しそうなのかな?確かにいつもとは違う感じがするけど、嬉しそうかどうかは微妙な感じじかも・・・」

っと、奈々は改めて天音の事をよく観察してみた。

「やっぱり、いつも通りにしか見えないでけど・・・・。」

「うーん、私も何となくだがな。」

「ふぅ~~ん、なんだぁ~。折角面白くなりそうだったのに・・・。」

そう2人が喋っていると、


「お~~~い、2人とも、早くしないと置いてっちゃうぞ。」

寮の玄関からシャーリーが手をブンブン振りながら2人を呼んでいた。

「はぁ~、行きますか。」

「そうした方が良さそうですね。何だかホントに置いていかれそうな気がしてきましたし。」

2人は苦笑いしながら玄関に向かった。



||||||||



「おかえりなさ~い。っあら、天音ちゃん。その隣の方は?」

寮に入ると、管理人らしきおっとりとした女性が天音に声を掛けた。

「ただいまです、レンさん。この人は私の兄で今日、赴任してきた先生です。」

天音はレンに音夜を紹介した。

「あらあら、初めまして。私はこの寮の寮母をしていますレンと言います。寮の生活で何かあったら遠慮なく私に行って下さいね。」

レンは丁寧な物腰で音夜に自己紹介をすると、音夜は普段では考えられないほど丁寧で、きちんとした対応をした。

「今日からSクラスの副担任を受け持った紅音夜です。こちらこそよろしくお願いします。」

(((!!!!)))

「ご丁寧にどうも。コレが音夜先生のカードキーになるので失くさないでくださいね。後、寮についての注意事項は「レンさ~んこちらお願いできますか?」」

レンはエプロンのポケットからカードを出して音夜に手渡しながら注意事項を説明しようとしたところ寮の生徒に呼ばれてしまった。

「コチラは大丈夫ですよ。天音たちが居ますし、部屋の場所さえ教えて頂ければ何とかなりますのでアッチの生徒さんの方を優先してあげて下さい。」

「スイマセン、紅先生。部屋はカードキーの裏に書いてあるのでよろしくお願いします。」

「音夜でいいですよ、レン先生。では、頑張ってください。」

「ホントにスイマセン、音夜先生。では、また別の機会にでもゆっくりお話しましょうね。」

そう言い残し、レンは呼ばれた方へ急いで向かった。

(う~ん、掴みはまぁまぁかな。でも、レンさんのご飯は楽しみだ。)

音夜はレンを見送った後、天音達の方へ向かった。



~天音side~



「今日からSクラスの副担任を受け持った紅音夜です。こちらこそよろしくお願いします。」

そう音夜が言った途端にシャーリー達が驚いていた。

「みんな驚いた顔をしてどうかしました?」

天音に声を掛けられシャーリーが信じられないものを見る目で音夜を見ながら、

「・・・・先生が普通の人に見え「コチラは大丈夫ですよ。天音たちが居ますし、部屋の場所さえ教えて頂ければ何とかなりますのでアッチの方を優先してあげて下さい。」・・・・・・。アレって、音夜先生だよね?」

っと、天音に聞いた。

「あ~、気にしたら負けですよ・・・まぁ、あの人の場合は今回だと、色気よりも食い気ってことですかね。」

「????」

「 そのうち分かりますよ。」

天音の返答の意味が分からず、詳しく聞こうとしたら、音夜がこちらに歩いて来た。




||||||||




「うん?どうしたんだ。なんか、みんなで珍獣を見るような顔をして?」

気になったので、天音に聞いた。

「気にしたら負けですよ。」

納得は出来なかったが面倒くさかったので聞くのを止めた。

「・・・まぁいいや。部屋の場所も分かったし、さっさと確認してご飯を食べよう。」

っと、言って天音に案内を促した。

「やっと、起きたと思ったら、文句の次はご飯ですか・・・まったく、もう。」

と文句を言いながらも音夜を案内する天音であった。



カッ、カッ、カッ・・・



「ここにある転移魔方陣で階を移動できるので覚えておいてください。後、注意事項と使い方ですが・・・・ぐだぐだ・・・・・・・って、聞いてるんですか、兄さん。」

天音は魔方陣の近くで説明を始めた。

「聞いてるよ、ふぅぁ~~~。・・・ふぅ~ん、地脈を利用した設置型の魔方陣か。金かけてるなぁ~~。」

欠伸をしながら音夜は天音の説明をさえぎり、

「別に、知らなくても何とかなるだろうし、早く部屋に行こう。」

っと、魔方陣を操作してに一人で行ってしまった。

((((置いてかれた!!!!)))

っと3人は、音夜のマイペースさに唖然とした。

「はぁ~、まったくあの人は・・・。じゃあ、私と美鈴は着替えて兄さんを迎えに行ってからソチラに向かうので先に2人は天馬たちの手伝いに行ってあげて下さい。」

と2人に言った。

「確かに、美鈴ねぇは天音ちゃんと相部屋だから一緒に迎えに行って、着替えてから向かったほうがいいけど、私たちはこのまま着いて行っても仕方ないしそのほうがいいわよね。」

「了解!!じゃあ、また後でね。」

そう言い、シャーリーと奈々は音夜が待っているのとは違う転移魔法陣に向かった。



~天音 side~

「天音、ちょっといいか。部屋番号を音夜先生から聞いていなかったが大丈夫なのか?」

っと、天音は美鈴に聞かれた。

「大丈夫ですよ、先ほど魔方陣の説明をしてる時に確認しておいたので。」

(たぶん、兄さんのことです。いきなり勇者パーティーとの接触が面倒だとか思ったから、あえて部屋番号を教えずに先に行ったのでしょうが・・・)

「そうなのか!!何だか慣れてるな。」

「そんなことよりも、私たちも行きましょう。あまりみんなを待たせてしまうのも悪いですし。」

「そうだな。あまり遅いとせっかくの料理が冷めてしまうしな。」

2人は会話を早々に切り上げ部屋に向かった。


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