File:014 半熟英雄 ~ああ、世界よ半熟なれ…!!~
今回は1992年12月にスクウェアから発売された、
スーパーファミコン用ソフトである
『半熟英雄 ~ああ、世界よ半熟なれ…!!~』について語ります。
前作である【半熟英雄】(ファミコン)をはじめ、
その他のシリーズ作品については未プレイのため、
その点は承知の上でご覧下さい。
■このゲームに対する、作者の個人的な評価
難易度:C
面白さ:A
スピード感:A
多様性:B
本作には『リアルタイムシミュレーションRPG』という
ジャンル名が掲げられており、その名の通り、
リアルタイムで進む戦況の中で戦略を練り、
目的を果たしていくというスタイルのものになっている。
1分1秒の中で戦況が変わっていくため、かなりの
洞察力と判断力、戦局全体を見渡せる優れた
空間把握能力などが必要……なんて思うような人も
いるかもしれませんが、結論から言わせてもらうと――
クリアまでの難易度は、そう高いものではありません。
もちろん、しっかりとした戦略を練れば練るほど
スムーズに攻略を進めていくことができるものの、
難しいことは考えない――『感覚的なプレイ』だけでも
十分、ゲームクリアまで到達することは可能かと思います。
①”ギャグ”が満載の、唯一無二の作品
本作の最大の特徴と言ってもいいのが、とにかく
ゲーム全体を通して、”ギャグ”が多いこと。
…というより、それ以外の部分を探す方が困難な
ほどに、本編のストーリー、バトル、サブイベント、
果てはアイテムの一つ一つに至るまでに、何かしらの
『ネタ』がこれでもかと言うほど詰め込まれています。
まず驚かされるのが、本編のストーリー全てが、
大勢の観客たちに見守られる中、文字通りの『舞台』
の上で進行していくという、非常に特異なスタイル。
漫画の中で、『これは漫画なんだから!』と開き直るような
展開がギャグ漫画には付きものであるように、本作では
『これはゲームなんだから!』と完全に開き直っているような
展開や演出が、ふんだんに盛り込まれています。
私は正直、そこまで『おふざけ』が好きな方ではありません。
例えば、ゲーム実況などで、ゲーム中ではシリアスな話が
展開される中、変にふざけた態度や冗談を挟み込まれると、
気持ちが一気に冷めたりすることも多々あります。
しかし、本作のように、ここまで開き直られてしまうと、
もはや『そういう目』で見ることしかできないため――私のように
変に真面目というか、冗談が通じないようなタイプであっても、
とても楽しくプレイすることができました。
ここまでのボリュームがあり、これほどまでに”ギャグ”が
詰め込まれた作品でありながら、ほとんど不快な気持ちに
ならなかったのは、正直、驚嘆に値します。
更にそれに加えて、シミュレーションRPGとしての完成度、
何度やっても楽しめるような多様性を含んでいるのは、
見事という他ありません。
唯一無二にして、稀有な作品と言えるでしょう。
②シンプルながら奥深い、城取りゲーム
本作のゲームの進め方は、実に単純。
マップ上にある”城”を全て制圧することにより、特定の場所に
”ボス城”が出現。 そこに行ってボスを倒すことにより、
次の章に進むことができます。
章の開始時点では、味方の城が一つしか存在せず、
将軍の数もごく僅かという『圧倒的不利』な状況からの
攻略を強いられるものの――城から城への単純で直線的な
移動しか行えない敵軍に対し、味方の将軍はマップ上を
変幻自在に動くことができる――などといった、自軍だけの
『特権』がいくつもあるため、戦局を覆すことは、
そう難しいことではありません。
その気になれば、数人の将軍だけで全クリアすることも
(恐らく)不可能なことではないのでしょうが…私個人の
意向としましては、やはり本作の醍醐味である
”多勢VS多勢”の入り乱れた攻防戦、『わちゃわちゃ感』を
楽しんでもらいたいと思う所存です。
頭数で劣っていても、能力が高かったり、強力な”たまご”を
持っている将軍を揃えれば、十分に対抗することができるし――
逆に、能力の低い将軍ばかりしかいないような状況でも、
単純に頭数を増やしたり、自軍だけが使える『切り札』や
『奥の手』を駆使することにより、互角以上に戦えたりもします。
セーブがいつでも気軽にできて、演出やその他諸々の面でも
スピード感があるため、思い切った決断、玉砕覚悟の
無謀な戦法などを実験的に行いやすいのも、特徴の一つです。
③”助っ人”同士のぶつかり合い、『エッグモンスター』合戦
本作を語る上で欠かせない要素の一つが、将軍が持つ
”たまご”から出現する、『エッグモンスター』の存在。
彼らは召喚した側の助っ人として敵の前に立ちはだかり、
バトルに貢献してくれます。
数百種類を軽く超えるエッグモンスター達ですが、その多くは
兵士や将軍を大きく上回る戦闘能力を有しており、
バトルにおいて非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
エッグモンスターを召喚されてしまうと、多くの場合、
相手側もエッグモンスターを召喚しない限り、戦局を
覆すことはできません。
そのため、お互いが召喚したエッグモンスター同士が
ぶつかり合う、”助っ人対決”のような構図になることも
多々見られることでしょう。
このエッグモンスター達にも、①で述べたような
何かしらの『ネタ』が余すことなく盛り込まれており、
そのユーモラスで、時に勇敢な奮闘ぶりも、見どころの一つです。
個人的に好きなモンスターは、【マシンナイト】、【人間ライダー】、
【アマゾン】、【鉄人8号】、【ムーンマッスル】、【キングエッグマン】
…などなど。 基本的に、やっぱり戦闘で活躍してくれる
モンスターに対し、自然と好感を抱いてしまうようです。
勿論――と言うべきかは計りかねますが、それらと
真逆に位置するような、完全に『ネタ』としての要素が強い
弱小なモンスター達も、数多く存在します。
必殺技を繰り出すどころか、1ターンの間生き延びることすら
容易ではない――そんな彼らにもまた、別の意味で
愛着が湧いてしまう人が、きっといることでしょう。




