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聖獣の血族  作者: 魔獣
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復活

私の犬歯が高嶋の首に食い込む。

口の中に血の味が広がる。


「お前らそういう関係になってたんだ?」


ヤスが茶化すように言った。

私は立ち上がりヤスを睨みつけた。


「なら俺が奪ってやるよ。高嶋さんのオンナをよォ〜!!」


ヤスが下卑た笑いを浮かべ飛びかかって来た。

凄まじい力で私は地面に叩きつけられた。


「ヒヒヒッ…大人しくしろよ。今からオメェをたっぷり可愛がってやんだからよ」


ヤスが馬乗りになり私の両腕を押さえつけてきた。

必死で抵抗したが身動き出来ない。

ヤスの力は並みの人間のものではなかった。


「抱きながら、生き血を吸ってやるぜェ〜!」


ヤスの顔を見ると目は血のように赤く、口には長く鋭い牙が覗いていた。

こいつも私と同じく人間ではないという事か。

だが、人狼とは異なる雰囲気だ。

何者だ?


「SHABAAAAAA〜〜〜!」


ヤスがネコ科の猛獣のような唸り声を上げ私の首に噛みついてきた。

首に牙が深く食い込んだ。

そしてヤスは私の血を吸い始めた。


「くっ…あんた、まさか…吸血鬼って奴かい?」


どんどん傷口から血が吸い取られていく。

体中の力が抜け意識が遠のいていく。

さらに武骨な手が私のデニムパンツの中に入り込む。

このまま好き放題されると思った時、ヤスの背後に一頭の雄々しい獣が現れた。尖った耳に金色の目、口には鋭い牙が生えている。

それは獣化した高嶋だった。

私と同じ人狼になったのだ。

だが、少し違うのは人間の部分を多く残した半獣化とでも言う状態なのだ。

牙や爪、そして放たれるオーラは狼のそれだが獣毛には覆われておらず、モミアゲや手に銀色の毛が生えるのみだ。


「力が…力がみなぎってきたぜ!!ウオオオオオオン!」


高嶋が雄叫びを上げる。

ヤスが私の首から牙を抜き後ろを振り返る。


「なっ…何だ!?お前も俺と同じ吸血鬼だったのか?」


ヤスは強がったが内心は怯えているのが簡単に分かった。

吸血鬼になったとはいえ小心者で卑屈な性格までは変わらなかったようだ。


「神か悪魔か知らないが、人智を超えた何かが、俺に力を与えてくれたみたいだ。ヤス、お前を倒すためにな!」


高嶋が鋭い爪でヤスを引っ掻いた。

顔に深い爪痕が刻まれ血が流れだす。

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