反応
ヨギをみたサノンの魂は拒絶反応を示した。サノンに取りついていた悪霊であるヨギは、その拒絶によって、肉体の外にさらに弾きだされた。そのタイミングを見てクレンが叫んだ。
「クノハ!!今だ!!」
「はいっ!!」
クノハは、背中からでたヨギに向かって、力をためた。温かく優しい自分を包み込むような記憶。そして、クレンには秘密にしてある。自分の出自の記憶を使って。
「ツクモオクリ!!!」
「!!!」
クノハの胸元、ヨギのアゴの下から斜めに光の柱があがり、ヨギはなんとかよけたが、その柱はどんどんふとくなっていく。それでもなんとか、サノンにぶら下がるようにして片手でひっついていたが、そしてしだいにかわしきれなくなり、ヨギは咄嗟に手を離した。その瞬間、クレンが気合を入れる。
(今だっ!!)
クレンはカノンの首にまきついた木製のアクセサリー状のものをひきちぎった。それは物理的に固定されていたわけではなく邪悪な気によってまとまっていたにすぎない事がわかっていたため、そうしたのだった。だがすぐにクレンは後悔することになった。
「うぐ!!!ああああ!!」
クレンの手の中でそれは強烈な熱を発した。そしてまるでクレンは、自分の手が大蛇にまきつかれ、つよく締め付けられているような錯覚に陥ったのだ。
「く、くそっ!!」
邪悪な気にとりこまれ、意識さえ浸食されそうな気配があったため仕方なく、クレンはそれをしたに放り投げた。その瞬間だった。
「あーあ、もったいない」
するすると、ムチのようなものがしなりのびてきてそれを回収していった。ムチのようなサーベルのようなものを手にしたシノメの手に。次第にそれはからくりのように変形しもとの木製の箱の形状にもどった。
「私のヨギ」
シノメは、妖艶に舌をだしてその箱をぺろりとなめた。ヨギはぞくっと寒気がはしったようだったが、すぐに箱にとりつく主をかえたようだった。下半身の突端、足ではなくまるでしっぽのようになったそれを、箱の中に収納した。
「まるでヤドカリだな……」
「何だと!!」
「……」
ヨギはおこったが、クレンは反応しなかった。クレンはふと、サノンに目を移す。まるで放心状態で棒立ちしていたが、次の瞬間、前のめりに倒れこんだ。
「お、おい」
「クレン……さん、逃げて……」
「??」
「ダレスにも、あの人にもどうにもできなかった、あなたの強さはわかるけど、もうあの子はとめようがない、あの子は、あの子はもう……」
そして、次の瞬間、サノンは意識を失った。




