悪魔と友人
―私は彼女を失望させた。最愛なる姉妹を、裏切った。というよりそれで彼女に近づけるとおもった。だから彼女にうそをついて彼女のものを奪った後、元に戻せば、彼女は私の気持ちに気づいてくれると思った。おいていかれる寂しさに。そんなはずはなかった。そんなはずは、自分の力で手に入れたものを人に奪われるという事のつらさを私は知らなかった。私は何ももたないものだったから―
「彼女を裏切ったあと、友人たちは彼女をいじめるようになったわ、いじめが手を付けられないことになってきたとき、友人たちにことの真相をすべて話した、私の全ての悪事や恋人を奪ったことさえも、けれど、友人たちは彼女に対するいじめやいやがらせをやめなかった、私は理由を尋ねた」
「もともと、調子にのっていたじゃない」
「最近きにいらなかったのよね」
「勉強もスポーツもできて、リーダーきどってうっとおしかったのよ」
「誰にでもいい顔して、やさしくすれば仲間だなんて思わないでよね」
「ちょうどいいからこのままいじめておきましょう」
仮面をつけた女が、その仮面に手を付ける。そして言い放った。
「私は、仲間皆のために、毎日自分の力を謙虚につかって、手助けをして、皆を励まし続けて、辛い事だってやってきたのに、どうして皆は、そんな私を《能力がある》というだけで、問題視して、敵視するの」
仮面の下の赤い目がひかる。クレンはその目に宿る既視感と、徐々に明らかになる顔に、恐ろしさを感じていた。
「委員長……!!」
「そうよ!!クレン!!私はシノメ!!それでもみんなの優しいシノメなんかじゃない!裏切りをしって、怒りと復讐に燃えるシノメよ!!」
「委員長、どうして……」
「どうして?……すべてが無駄だとわかったからよ、人にやさしくすることも、正しいことをすることも、人のためにいい事をすることも、結局私がやるとすべて裏目にでる、他人はまるで私が“自慢している”かのように感じるのよ、誰もが私に感謝して、憧れているようなふりをして、実際は裏の顔では妬ましく思っているのよ、今もそう!!」
「……そんな、極端な……」
「いいのよ、なんとでもいえば、でも私は気づいたの、正しいやり方なんてしてたって、私自身の想いや感情は人に伝わらないんだって、だから私は示すの!!欲しい物を欲しいといい、苦しいときに苦しいといい、私を雑に扱ったやつらすべてに復讐を!!悪霊とともに!!私はカルマテイカーになる!!」




