024.ご飯のお供
新しい二話完結の一話目です。
転生者の衝撃の真実が明かされます!(←適当)
なお、作中の事故は架空のものです。
「うごうごうごうごうごぐごぐごごごごごごごごごごごごご・・・」
《(うわあ・・・)》
■■■■■
私は、地球の異世界転生担当職員、一応、神だ。
事情があり、今は猫の姿をしている。今日の猫姿は・・・ミックス、いわゆる雑種だ。
異世界転生担当職員とは、クライアントのニーズに合う人材《死者》を、異世界へ派遣する神級派遣事業者だ。
クライアントから人材へオファーできる異世界転生特典のうち、最低限の特典を人材に渡しつつ、気持ち良く転生してもらうのが私の仕事だ。
今日、地球、特に日本からの人材は異世界転生の知識をかなり蓄えている人材が多い。地球→異世界→地球へと転生してきた人材が、物語の形でその経験を広めているようだ。だが、そこには転生者本人にはわからない真実が隠されている。
それは、ステータスチートだ。
異世界転生特典のスキルチートや特典によるステータス底上げは確かにあるが、元々のステータスがチートということは、素の人材ではまずありえない。
どんなに才能のある人間も平均ステータスからそう乖離はないし、魂の器が決まっているから、無理に神力を注ぐと魂ごと破裂する。
もちろん転生後に信仰といった形で神力を集めて、器ごとじわじわ広げていき亜神へと至ることは可能だ。
だが何事にも例外はあり、ステータスがチートの状態で転生する人材も存在する。
いや、正確には人材達は存在する――――――
今、私の目の前にいるのは、今回転生する、そんな人材達だ。
通常、一人ずつ転生させるのだが、今回行ってもらう世界の、異世界神からの要望で、スキルに割く神力はないが、何とか強い人材を送って欲しいと言われている。
その結果がこの人材達。
私の目の前でウゴウゴ言っている死者の集合体だ。神である私の語彙力をもってしても、目の前のコレをうまく形容できない。アニメや漫画に造詣の深い方なら、例えば、Fa〇e U〇Wの聖杯とか、ハガ〇ンのホムンクルスとか、イメージしていただければ良いだろうか。
転生後は、人格が統一されて、まったく違和感ない一人の人間が出来上がるが、転生前は、ちょっとひどい。よく物語にある転生後に前世の記憶があいまいな描写があるが、それは今回のように複数人の記憶が混在して破損してしまった結果である。
で、異世界転生特典だがどうしようか。
腐っても私は神なので、彼らが求めていることはなんとなくわかる。もちろん言葉ではなく漠然としたイメージを掴むのだが、伝わってくるのが・・・
梅干し、
辛子めんたいこ、
じゃこおろし、
しそわかめ、
ほぐししゃけ、
シーチキンマヨ、
醤油と卵、
キムチ、
おかか
納豆、、、、、、、、、、、、
全部ご飯のお供なんだよな――――――――――
タイミングがいいのか悪いのか、この異世界転生の人材募集とちょうど同時期に、日本であるバス旅のバスが事故にあった。
その名も魚〇産コシヒカリ食べ放題バスの旅。
みんな頭の中、コメコメコメコメだったせいか、望みを聞いたら、こうなってしまった。
どうしたものか・・・
黙って魔法適性《中》あたりでもあげとくかと思っていたら、冒頭の奇声を上げながらにじり寄ってきた。怖い・・・。
とりあえず三食、ご飯茶碗一杯とご飯のお供が錬成できるようにしておくか。錬金術《中 ご飯とご飯のお供限定》。
錬米術師って感じか。
どうにも集合体の転生っていうのは、個を無視してるみたいでやるせないが、かなり高いポテンシャルで転生できるので、どうにか幸せになって欲しい。
そんな気持ちを込めながら、私の爪先から放たれたゴルフボール大の光が集合体へと吸い込まれていく――――――
――――――――――――次話《異世界編》に続く。
お読みいただきありがとうございます。




