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彼は王子様になれない  作者: カキノキ
1/42

現在 その1

初投稿です。よろしくお願いします。



「ローゼマリー・クリスタル!あなたに話がある!」


乱暴に部屋に飛び込んできたレオン殿下のお顔のなんて怖いこと。

それでもほんとに綺麗だわ。

イケメンはどんな顔をしてもカッコイイって本当ね。

神の造詣なる顔面偏差値 半端ない。

金の髪に王家直系の銀の瞳に浮かぶ金色の虹彩、まぶしいわぁ。


「もう、私は耐えられない!」


顔だけじゃなくスタイルも良い。

この方、さり気の9頭身だもの。こうやって歩くだけでも目立つ。

細身に見えるのにキチンと鍛えてるから、姿勢が良いし脱いだら凄いし


「ロゼ?」


見てないわよ?

夏の薄着になられるとわかるのよね。

白シャツ一枚で色気を垂れ流さないで欲しい。

おまけに剣の鍛錬なんかした後は、簡単に前はだけるし…

馬鹿なの? 死ぬの?

ボタン開けすぎなのよ!胸筋見せつけてるんじゃないわよ!

もうちょっとで、腹筋が見えるか、見えないかが


「…私の話を聞いているのか、ローゼマリー・クリスタル公爵令嬢!」


あら、いつの間に殿下が目の前だわ。

でも大丈夫。

コレでも令嬢スキルは磨いてるんだから。


「もちろん、(わたくし)がレオン殿下のお言葉を聞き逃すなどありえませんわ」


にっこり笑って、手に持っていた紅茶を一口。

はぁ~、今日のお茶も美味しい。


「それで、一体どうしましたの?」


引きつったお顔もステキですって言ってあげるべきかしら。

はいはい、殿下。深呼吸大事。

息吐いてー吸ってー。

仕切り直しですわね。



「…ローゼマリー・クリスタル。あなたには悪いが、私にはリリーが、愛らしい彼女が必要だ。リリーは私の支えなんだ。頼む、彼女との間を邪魔しないでもらいたい!」


切実さがにじむボイスもステキ。

なんて、言ってる場合では無いですわね。


そうですの。

婚約者の私よりもあなたはリリーを選ばれるのですのね。


すっと頭の中が冷える。


「わかりましたわ、レオン殿下の御心のままに」


ソファから立ち上がって、レオン殿下から離れる。

仕方ありませんわ、分かっていたもの。

だから婚約者としてすべき事をやるだけ。


後ろから『行かないで』って視線が来ても選択は変わらない。

私と入れ替わるようにレオン殿下。



「すまない、ロゼ」


「良いのです、レオ様」


だって、あなたを支えることが“私”の喜びでもあるのだから。

だから笑って、この部屋を出て行けるの。


これから起こる事だって、対処して見せるわ。


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