第24wwwシアイエンティア対策計画
タウノリマジーハーの井戸はどれも元通りに水が出るようになった。
気が付かなかったがホントに小さなものだが、近くに小川もできていた。
どれもこれもあの天枯花が独占していたわけだ。
気持ちはわかる。貧乏人の横で金の音を鳴らすのは気持ちいいもんねぇ。
でも、その貧乏人が強盗に変わった時に対処できる準備を整えておかないと只のアホだよね~。
まっ、俺はそんなヘマしないから関係ないけどね(笑)
渇水から町を救った一団のリーダーである俺は、政治を嗜む知識人のナナシだけでなく、
冒険者達にとっても英雄となった。
「私も鼻が高いです。」
う~ん、この女は自分の目鼻がくっきりしていると自慢したいのか、
それとも俺の女を気取ってるかは知らないけどさぁ。
まー面倒なことになるのも嫌だし突っ込まないでおこうか。うん、それがいい。
「リジョークも何か言いたそうだな。」
「いや、別に僕は業と仕事が満たされればそれでいいさ。」
だったらそんな含みがある顔をするなよ。
さて、アジスタルノが屈して半年がたった。
何時、第三次大惨事が来てもおかしくは無い。
俺達がとる選択肢は、
1.この土地に残る。
メリット ・これまで開墾した土地が無駄にならない
・俺の支配域の中心にある。
デメリット ・場所を完全に知られている。
・モンスターの脅威を受けやすい。
2.別の土地へ移住する。
メリット ・取り敢えずは有効な回避策になる。
デメリット ・最初から基盤を整える必要がある。
・支配域の交通経路の変革が必要。
3.影響力のある町へ拠点を変える。
メリット ・1.2の中間。
デメリット ・1.2の中間。
4.直接シアイエンティアに抵抗する。(積極策)
メリット ・成功すれば完全勝利。
デメリット ・シアイエンティアを完全に敵に回す。
5.シアイエンティアに抵抗するものを支援する。(消極策)
メリット ・支援のみなので自分たちの身は切らなくていい。
・矢面の存在が被害担当になる。
デメリット ・表だって戦う組織を探す必要がある。
政策として頭を使わなくていいのは1だが、
売れるときにはもったいぶらずに売り抜けるのも商売の基本だ。
そして万物の基本にもつながる。
2はリスクがデカい。森の中にでも逃げるか?
俺とヒャク以外は1か月生きてるか怪しいけどな。
4は論外だ。
現実的には3か5が適当だろうか。
だが、4の場合シアイエンティアに表だって戦ってくれる英雄なんて…。
いや…いる。
シアイエンティアに屈したアジルタスノ、スンセニミレ両国の王子達。
両国が傘下に入った後行方が解からなくなったと聞くが、
王子達も国民もシアイエンティアには怒りを覚えていたはずだ。
必ず何処かに匿われて準備をしている。
そして、その行動開始はそう遅くはない。
怒りは便利さの前に風化し、恐怖は欺瞞の前に納得する。
生前の日本がそうだった。
アメリカが同盟国だという理屈で納得して恐れる相手でも憎む相手でも無いと戦争した感情さえ風化した。
ここでだってそうなることは予想できる。
同じ人間なんだから当然だ。
だからこそ、それを理解する部下が一人でもいてそれを王子達の一人が聞き届ければ動きは当然早急になる。
その可能性は決して低くはない。
そしてそうなれば動きが目立つ。
そしてそれをシアイエンティアより早く察して接触する。
シルガナツの首都機能をタウノリマジーハーだけでなく、
3か所に分散させる。あとの2つは、グァヴァラヴァンス、そしてその2つと三角形になる場所にある水際都市エコクヅツ。
エコクヅツには影響力が無いから速やかに力を入れる為にJr.達を感染させる方法で行くか。
まあ、それもエコクヅツに王子達がいないかどうかで考えるとするか。
「イケルさ~ん、ご飯できましたよ。」
「解った。今行く。」
…解った。今行く。だってさ。
余裕が無くなったのか最近口調まで堅苦しくなってしまったのか、俺。
もうちょっと自由にちゃらんぽらんに、堅実に安全に生きてるはずだったんだけどねぇ、俺って。




