第21www町長だと、国政には何にもできない。
タウノリマジーハーが、2度目の襲撃を受けて2年。
しばしば様子を見に行っては指示を出しに行ってたんだけど、
だいぶ復興できてきたようだったので、
一時的にシルガナツの首都機能をグァヴァラヴァンスに移していたのを再びタウノリマジーハーに戻そうと思う。
とにかく人口増加を最優先でこなさせていたために、襲撃直後よりは人口は増えてた。
といっても非労働人口である赤子ばかりだけどな。
まー、人口が多くて困ることはない。
増えすぎたら他の国に出荷して、他の国の文化を破壊して自分達の文化を押し付けながら、内部からの侵略をしていくことも出来るわけだしさ。
そんなことしたら、侵略される元々の国の秩序が崩れたり、
侵略された国の国民の方がモラルが高かった場合には、外国人の方がモラルが低くて犯罪率が高くなったりとかで、外国人アレルギー的な排斥運動が起きるけど、そこは難民サマの人権を押し通して何とかしてやるぜ。
例えば意図的に、人々を集めた地域で紛争を起こして、それを理由に難民として押し込んだりとか、何でも出来るしな。
欠点は、この世界の時代観の余裕と思考的に、理想像だとか人権とかそういうのを考えるよりも、土地ルールや、現実的な話ばかりが当然のように上ることだな。
あー、もうちょっと世界が優しければ、俺みたいな寄生虫につけこみやすくて都合のいい世界になるのになー。
そうだ、俺の影響力を上げるためにもどんどん支配を拡げよう。
というわけで、どんどん殖やせ、増やせ、富やせ。
暫く町の拡張は停止で専守防衛でいいからさ。
とにかく人口を爆発させろ。
過疎地域にならなけりゃ何とかなるさ。
過疎地域で思い出したんだけどさ、
元の世界でも、
人口の少ない地域って、昔は学年による部屋分けすらもできないような場所があったわけさ。
そんな舞台のドラマがあって、
前世の俺の国の『二重死の瞳』っていうドラマなんだけどね、
結局問題がありすぎて再放送が絶望的にありえ無いというドラマなんだ。
内容は、ほぼ外の世界と切り離された有人孤島に、一人の女教師がやって来た。
そして島のたった12人の子供達に言うんだ。
「今から殺しあいを初めてね。」って。
そこで戦いを拒否するやつがいるんだけど、そいつは直ぐに死んで、というか殺されて、
その死体から教師が目玉をくり貫くわけだ。
そして、
「24つの瞳を揃えたとき、願いは叶う。
願いを叶えたければ戦え。
戦わなければ生き残れない。」
と女教師が告げて物語が始まるんだ。
因みに女教師は13人目の目の持ち主で、
最後に内藤という男に挑まれて負けて死ぬんだけどな。
祐希という主人公が途中で死んだり、
のんびり浸かろうと思ったら意外と深かった温泉で溺れた事が切っ掛けで途中から瞳に死の線を見ることができる奴が出てきたり、
親友の目玉を移植することで覚醒して、カンニングマスターになるも、
相手が最後に敢えて間違えた答えを写してしまった為にカンニング王の称号を剥がされた奴がいたり、
「魔眼の力をナメるなよ。」なんて墨汁を腕に塗りたくった中学二年生の子が言い放ったり、
眼鏡を外したら『の_の』な顔になる眼鏡っ娘が石化させる能力に目覚めたり、
その娘はコンタクトにすると途端に美少女になるけど、スポンサーのコンタクトレンズ会社の余りにも露骨なコンタクト押しだと、
裸のヒトミキラキラ協会と、日本眼鏡っ娘萌え教会と、日本レーシック萌え教会から抗議の電話が来た為に、予定変更してその娘をすぐ死なせて無かったことにしたり、
瞳の力で相手に強制命令する奴がいたりしてもうメチャクチャなわけ。
確か女教師が「瞳とは目、目とは則ち事象。事象とは運命の構成基礎である。さあ、死の中にある死を引きずり出せ。」なんて言い出して本気出して因果律に干渉するも島の噴火によって阻まれたりした辺りから一気にファンタジーになって失敗したんだけどな、あのドラマ。
個人的には面白かったけどさ。
まー1つ文句つけるなら、ジャンル ファンタジーで出したいならそう言えよって思う。
マイナー票取るためにマイナージャンルで出しておきながら、結局ファンタジーとかさ、そーゆーの色々反感買うぜ(笑)
……だいぶ無駄な話になったけど、
とにかく、過疎地域には噴火が頻繁に起きたり、殺し合いくらいしか楽しみがなかったり、能力と狂気に目覚めたりする恐れがあるからさ(偏見)、
人口増やしておいた方が健全なわけ。
それとさ、俺がタウノリマジーハーに戻ったとき圧倒的なビッグニュースが入った。
っていうか、こっちを先に言うべきだよな。
内容はーーーーーーーー
『アジルタスノ・スンセニミレ両国王、シアイエンティアに下る事を承認。』
シアイエンティアに対する感情が最安値のこのタイミングで?
と正直思う。
けれど、歴代最安値とは言え、これから更に更新されないとは限らない。
知っての通り、奇跡の町タウノリマジーハーは共同体意識が強く無欲で勤勉(笑)な人々だ。
そして、それ自体に違法性はない。
しかし、シアイエンティアにはそれが気に食わない。
攻撃を行うくらいにはね。
そして、三度目の襲撃も予測できるし、
そうなれば更に最安値も更新される。
だからといって、表だって何一つ悪事を働いたわけでないタウノリマジーハーを処罰すれば、それはそれで国への信頼が失墜する。
だったらと、タウノリマジーハーに悪事をこじつけようとしたら、
工作員は不慮の事故で亡くなってしまった。
勿論、本気でタウノリマジーハーを潰す事もアジルタスノには出来ただろう。
しかし、それをしてからシアイエンティアにアジルタスノを売り渡すよりは、
アジルタスノを売り渡してからシアイエンティアに何とかしてもらう方がマシだと国王は考えたのだろう。
つまり、最初からシアイエンティアに降ることありきでの流れがあったと言うことだ。
シアイエンティアには他の国に追随を許さない全てがある。
シアイエンティアに降れば、後は何でも叶うし、ひいては国民の為になる。
絶対的に冷静で成功に最も近い、シアイエンティアの統治により、
世界の全てが調整されて、人々は住みやすい世界の中で争うこともなく、
平穏で快適に生活できる。
予想以上に、首都に住まう上流階級や国王はシアイエンティアを盲信していて、
しかし真剣に国民達の事を考えているようだった。
きっと、スンセニミレも同じだろう。
だから両国の王は国を売った。
偉大なる世界のために。
……現在、アジルタスノの首都に潜入したヒャクの報告からはそのような判断ができる。
しかし、感情論で動く民衆、果ては王子達もがそれを理解できず反乱。
きっと彼ら国民にとって、
王子達は英雄で、シアイエンティア帝国が魔王なんだろう。
そして俺はというと、間違いなく英雄ではなく、かといって魔王でもなく英雄達に守られながらその足を引っ張る足手まといのお邪魔虫だ。きっと。




