第17wwwあの素晴らしい青春をもう一度
向こうから親子という関係を押し付けて接してくる個体か。
ずいぶんと知性が高いJr.がいたものだ。
これは思わぬ拾い物かもな。
有能で従順な道具というのは実にいいものだ。
有能で、従順なら、な?
目の前の蟲は『パパ』と言っていた。
だから娘なのだろーね(適当)
だが、他の奴ならともかく、俺にとっては娘であろうと愛情など不思議とわいてこない。意外だろ?
俺が思うに、
どうせ、子供の甘えた仕草というのは、強者である親に媚びてその庇護下に入るためのものだ。
所詮、可愛らしい仕草とはとどのつまり、
芸能界のお偉いさんに媚びて身体を売るアイドルとなんら変わりはない。
生き抜くための手段の一つだ。
アイドルは恋愛禁止? 大丈夫だ、恋愛しなくてもセッ○スはヤれるから。
そう思うと特別に可愛いとは思わなくなる。何となく分かるだろ?
可愛いと思われる事を期待して行われる動作なんて、意識してやってないだけでぶりっこの媚売りだ。
それと、もうひとつ大事な事がある。
直前まで俺が、Jr.の中に入っている人間に気が付かなかった事だ。
直前まで俺が目の前にいる子供に気が付かなかったのは以前にもあった。
Jr.達が突如、
粗毛蟲
毛弥立蟲
等に変化した事があった。
どちらも俺がなったことの無い種族だった。
ただ単に進化したら俺の絶対支配から逃れられるのか、
それとも俺が進化したことのない種族になったら逃れられるのかは分からない。
しかし、少なくともより条件が厳しい後者と一致するならば、支配から逃れられることは出来るようになのだろう。
目の前の個体も、
俺が辿ったこともない水銀蛆 に進化したことで、俺の支配下から外れた可能性がある。
コイツが従わないNo.2なら早々に消しておかないとマズイ。
以前、俺の制御から抜け出た粗毛蟲は逃亡しようとしたし、
毛弥立蟲の方は最低ランク付近の粗毛蟲より少しだけ強い事で慢心したのか、俺の立ち位置に成り代わろうと襲い掛かってきた。
育てて貰った…いや、取り敢えず産んで貰った恩義も忘れて恩を仇で返すなんて、犬猫にも劣る人でなしだ。
いや、人じゃないから蟲でなしだ。
全く、どんな風に育ったらああなるんだろうな(笑)
全く、俺を見習ったらあーゆー育ちかたはしないんだけどなー。
まー、元の世界でも子供の世界は家庭だけでなくて学校もそうだしさ、
タウノリマジーハーの環境が悪いんだよな。
タウノリマジーハーの責任者どいつだ(笑)
俺なんか超がつくほど義理堅いってのに、
例えば、妹はセンスがないから月謝を払うのが勿体無いのでピアノを学んだりは出来なかったが、
偶々、妹の同級生に母親がピアノ講師をしている奴がいて、
有り難いことに無償で教えてくれたらしい。
そのお礼に同級生にオンナを教えてやった。俺だけじゃなくて、一緒にその娘に教えてあげたいっていう有志を募ってな。
結局、折角オンナにしてやったら、別のことが抜けちまったのか成績は急転落しちゃったけどな。
それから、何かいつも性質が悪い先輩につれ回されるようになっちゃってさ、
まー誰にでも股を開くオンナって、証拠のビデオ込みで、俺のお友達が言い触らしちゃったせいもあるのかも知れないんだけどさー。
何だかそれがお気に食わないとの同級生ちゃんの弟君が、お金をくれる代わりに同級生ちゃんを助けてくれっていうんで、レッスン料として貰っておいた。
…あー、お姉ちゃん助けるの忘れてたの思い出した(棒読み) 弟君ごめんねー(笑)
まー、何て言うか、そんな心暖まるエピソードがあるくらい、忘れっぽいけど根はいいやつの俺と違って、
あの二匹は親に似ずに恩知らずの恥知らずに育っちまった。
コイツは一見友好的で従順だが、まだ信頼するには早すぎる。
カッコウの雛だって、親鳥の実の子を殺して成り代わっておいて甘えるし、
そもそも、最初から敵対的な態度の詐欺師なんて中々いないってのはよく知ってる。経験上な。
そういう連中ってのは、ニコニコと楽しく食事をした相手でも、その時が来たら奈落に突き落とす。
鈍感なバカと友達のふりをしながら、ソイツの悪口を周りに言い触らせる奴に似たようなものだ。
いるだろ? そーゆーやつ。
ホント人間のクズみたいなやつだよな。
だが、それに対して疑ってますなんて態度を見せたところで、
今の作戦が使えないと言うことに気付いた相手に新しい対策を考えさせる事になる。
イギリスだって、ドイツの暗号を解読して空襲を察知していたにも関わらず、
察知出来なかった事にして、国民を犠牲にすることで、
より、大局に絡む場面で、暗号を気付かれたと変更しなかったドイツに一杯喰わせただろ?
騙されるのは3流。
騙されないのは2流。
騙されたように見せるのが1流なんだ。
だから、俺も友好的に接してやろう。
「お前の名前は?」
「私はパパの娘。名前はまだないの。」
「そうか、だったら今付けてやる。
お前の名前はヒャクだ。」
「ヒャク…。ありがとうパパッ‼」
名前の由来は、『一』匹の『白』虫(蛆虫)だから『百』な。
決して同級生ちゃんが『百々子』って名前だったから、『百』っていう源氏名でウリ(さ)してるのをお手伝いしてたのを思い出したからじゃないぜ?
なーんか懐かしいな。
卒業後には、先輩のお小遣い稼ぐためにお風呂屋で働く事になるお前に『百々子』なんて名前は勿体無い。
今日からお前の名前はヒャクな?
って言ってた俺の清純な青春時代の一頁。