82 メスケモと鬼人との友好8
目が覚めた
全身に包帯が巻かれていて、折れた腕はリーリーが治してくれたのか元通りになっていた
でもまだ痛みはある
「お、目が覚めたか?」
顔を覗き込んできたのはキンゲツ王だった
あれだけ滅茶苦茶にしたのに何事もなかったかのようにそこに立ってる
鬼人やオルグはその体の強靭さと再生能力が自慢の種族たちだ
キンゲツ王もその再生能力が遺憾なく発揮されているんだろうけど、僕が見た限り拳から肩にかけてがグチャグチャになっていたはずだ
それをこの短時間で再生させるなんて、とんでもない人だやっぱり
「僕は・・・」
「安心しろ、合格だ。同盟の件、了承したとプラウディア王に伝えてくれ。てかまあ、うちの娘が元々行くつもりだったんだけどな」
「え!?」
どうやらこの国の姫が同盟のためにプラウディアを訪問する予定だったらしい
それなら僕とキンゲツ王との戦いは何だったんだ
もしかして、ただ戦いたかっただけ?
「それで神獣よ」
「え!?」
「えじゃない。隠さなくてもいい。俺には視えている」
キンゲツ王には覇王の目という特殊な目があるらしい
相手の情報をある程度理解できる能力なんだとか
「神獣とは神からの使命を帯びていると聞く。神獣が現れたってことは災悪が訪れる前触れってことだ。神からの神託を何か受けていないか?」
「いえ僕は特には・・・」
神獣にそんな意味があったのか、知らなかった
女神様も教えてくれればいいのに
でも何か危険なことが起こるのかもしれない。リーリーの予知のこともあるし、危険な存在がこの世界にいるのは間違いないのかもしれない
「分からないならまだ危機はそこまで大きくないってことなのだろう。まあ、お前が神獣だというなら心配はなさそうだ。まだまだ成長の余地がある。お前、俺に妖術を習わないか? 妖術ってのは個々で違う力を持つ。妖怪族なんかは種族で同じことが多いが、鍛え上げればうちの侍大将みたいに覚醒させることもできるからな。強くなれるぞ、まだまだ」
「僕が、妖術を?」
「ああ、どうだ? やるか?」
「ぜひお願いします!」
「よし、俺のことは先生と呼んでくれ! しっかり鍛えてやる」
「ありがとうございます先生!」
「まあまずは全快してからだな。飯の支度ができてるからついて来い」
「はい」
ベッドから起き上がるけどまだ結構痛い
「姫様! 目が覚めたのですね!」
フェディが駆け付けてふらつく僕を支えてくれる
今までにない大けがだったからなあ、皆を心配させちゃったかも
でもこの怪我、キンゲツ王にやられた傷よりもオーバードライブで体が崩壊した傷の方が大きい
筋肉が裂けてズタズタで、神経も焼き切れたようになっていたらしい
リーリーの神聖魔法様様だよほんと
食事のため、宴会場にやって来た
リーリーとサクラが来て僕に抱き着く
「ああよかったわネネコちゃんスーハースーハー」
「ネネコー! よがっだよぉおお!」
抱き着いて早々僕の匂いを嗅ぐ変態お姉さんとサクラを抱きしめ返す
「心配かけてごめん。あとフェディまでどさくさに紛れて僕の匂い嗅がないで」
三人を御して席に着く
和風の御膳が並んでて、お刺身、お吸い物、焼き魚などなど、とんでもなくおいしそうだ
「うちの料理人が作った自慢の料理だ。堪能してくれ」
「いただきます!」
宴会を楽しんで、キンゲツ王にゆっくり休むよう言われてあてがわれた部屋に入った
そこでベルが喋り始めた
「さすが鬼人の王というところです。私達のことまで見破っているとは」
「ああそう言えば気づいてたね」
「ネネコさん、実はこの島に仲間の気配を感じるのです」
「え? 星詠み族の?」
「はい。この城からです」
「そっか、キンゲツ王に聞いてみるよ」
「ありがとうございます」
この城から星詠み族の気配か
また宝物庫にいるのかもしれないから、キンゲツ王なら分かるかも
覇者の目っていう特殊な力も持ってるみたいだしね
明日聞いてみよう




