表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空の鱗と海の翼  作者: 『空の鱗と海の翼』制作委員会
碧き海の戦士と天穹の花嫁/那月 結音
40/40

Ⅷ(最終話)

 夕陽に照らされた波打ち際で、少女がひとり、せっせと砂を掘っていた。小さな手を懸命に動かしては、丁寧に何かを集めている。

「アイナ、そろそろ帰ろう。あまり遅くなると、お父さんが心配しちゃう」

「おかあさん! このかいがら、おとうさんにもってかえってもいい?」

「あら、きれいな巻貝。お父さん、きっと喜ぶね」

「おかあさんには、これ」

「花貝? かわいい。ありがとう」

「アイナは、このにじいろのかい。おうちにかえったら、おなまえかいて」

「いいよ」

「アイナのほんとうのおなまえ、かいてほしい」

「それはだめ。真名はとってもとっても大切なものだから、言ったり書いたりしちゃ絶対にだめだって教えたでしょ? ……将来、アイナがたったひとりの愛する人に出会えたら、その人にだけ受け取ってもらいなさい」

「おかあさんは、おとうさんだけ?」

「そう。お父さんだけ」

「わかった。……あっ、おとうさんだ!」

 駆け出した少女が父親に飛びつくと、父親は両腕で軽々と少女を抱き上げた。父親の右腕には、太陽を模したトライバルタトゥー。胸もとには、竜鱗の紋様。

 少女が貝殻を手渡せば、父親は碧い目を細めて喜んだ。


 砂浜に伸びる三人の影。父親の腕の中で、少女が頭上を仰ぐ。

 遠いとおい空の彼方。

 竜の咆哮が、聞こえた気がした。


<了>


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 竜と皇女ときたら設定から好きです。島、空、海、風の描写が素敵でジーナと同じく癒やされました〜。 ⅴは……キュンときて、もしハート押す機能があったら連打してます! ふたりとも来世も幸せ確定で…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ