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派遣社員で異世界の仕事してます!  作者: 縁乃ゆえ
日本の事を異世界の住人に教えよう! 高時給! 異世界にて長期のお仕事、パーティ付いてます!
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求人検索する隣で

 春にはまだ遠い三月初旬。昼時の快晴に少しほっとしながら、俺は異世界にまた行く為、近所のハローワークで求人検索をしていた。

 適当に割り当てられたパソコンに座り、タッチペンでそのパソコン画面をポチポチする。

 異世界、異世界、異世界……!!

 全て『異世界』というのを選びまくり、見る!!

 両隣が知っているパーティメンバー二人だったとしても気にしない。

 その次は自分の年齢である二十八歳が大丈夫かどうか……派遣か、仕事内容、賃金、時間、休日、資格等……。

 アーーー!!! 良いのがないっっ!!!!

 こうして日本の東京のハローワークの求人検索にも『異世界』というのがある以上、その仕事があるにはあるのだが……派遣となると難しいのかもしれない。けれど、このままではたくさん溜まっていた書類を書いて得た柊月の『しばらくの間なら住まわせてあげても良いですよ!』が『もういつまで居る気ですか? 早く出て行ってください!!』となって……うーん……困ったぁ!!

「ねえねえ!」

 と小声で左隣の十八歳くらいに見える白髪ロングの浴衣姿の温泉女神、クレアが印刷した紙を持って言って来る。

 どうしました? とそのクレアを俺の右隣で見るのは茶髪のツインテールのダサくないオレンジ色のセーターを着た十五歳の魔法使い少女らしくないぺったんこな体付きの父さんっ子、ティノ。

「これなんてどうかしら?」

 クレアが見せるやつに興味が出たのか、こちらでもそれ見てみますね!! なんて言って、パソコンをポチポチし始めた。

「うーん、やっぱ、これかなぁ……」

 登録している派遣会社から次の仕事の電話を待ちながら、俺は異世界の仕事を探す。

 ぽちぽち……。

「やっぱ、これですね……」

「そうでしょう?!」

 何か今、パーティメンバー二人の目が合った。いや、俺はずっとパソコンの画面を見ているから、関係ないが……。

「ねえ? ヨシキチ! あんた、いつまでそうしてる気?」

「そうですよ! 江東良吉さん!! 良いじゃないですかぁ!! これ!! 高時給だし、派遣! パーティメンバーも一緒して良いみたいだし! これはもう! 江東さんがやるしかない仕事だと思いますよ!!」

「バカな!!! 何で! お前らここに居るんだよ!! 俺は一人で来たんだよ!! それなのに!!」

「だって、なかなか見つからないみたいだから」

「別に頼んでないし、一人でやるからどっか行ってろ!!」

「えー、だって、ヨシキチぐらいしか私、パーティメンバーとして活躍できないし、他の人だとほら、女神様~!!! ってなるから嫌なのよね」

 何だよ、その理由。

 クレアに続き、ティノも何か言ってやろうと頑張っている。

「あたしは! あたしは……えーっと……特にありません!」

 ないのかよ!!! だが、分かっているさ……。

 一年も経っていないが、お前は俺以上の『父さん』を見つけられないだけだ。

「あ、ありました!! お姉ちゃんがヨシキチさんなら大丈夫!! って言っていました! だから、気心知れたクレアさんと共に江東さんのパーティメンバーとして頑張ります! だから、この求人を受けましょう!!」

「え……いや、待て!」

 俺はちらっとクレアが印刷したその求人情報の紙をひったくり、見る。

「何よ?!」

 派遣会社は……フフン!

「こういうのはな、ちゃんと考えてから決めよう!」

 えー! と言うパーティメンバー二人を連れて俺はそこから出た。

 正直、申し訳ないと思っていたのだ。

 ジロジロ、うっせーな! という視線が怖かったわけじゃない。

 コソコソ声は意外と大きな声になってしまっていたのかもしれない。

 ブウブウ言うパーティメンバー二人と何とか別れ、柊月の住むマンションに帰り、ハローワークでクレアが印刷した紙を改めて見る。

 そして、スマホでその求人を出していた派遣会社の求人検索サイトを開き、詳細を見る。相違点はなし。

 面倒な話、ハローワークから電話を入れてもらうよりも直接、自分で電話をしてしまった方が今回の場合は良い。

 何故なら、その派遣会社はすでに登録し、仕事も一回しているし、こちらの落ち度で派遣切りになったわけではないからだ。

 あれは事故。送られて来る段階ですでにそうなっていた……と後から電話で聞いた。

 そして、また仕事があったら案内をしても良いか? と向こうの派遣会社から言われ、はい! と答えている。

 だから、働く意志のある俺は電話をする。

 パーティメンバーはやっぱり、あいつらになるのか……変わることはないのか……じっくり話を聞きたい!

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