表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/91

83話 ガナドール2日目

 

 おはようございます。本日ニューベガスはガナドール2日目ベスト8であります。



 第1試合 エルウィンvsブラッド

 第2試合 ベイダーvsクラウス

 第3試合 パドメvsガルド

 第4試合 ムサシvsラセツ



 本日の予定はこのようになっております。



 今日も朝から人が溢れる闘技場。


 昨日の対戦の興奮も冷めやらぬまま今日の対戦に心を躍らせる。




「さてご来場の皆様準備はよろしいですかー?早速第1試合行きたいと思います!」


 アナウンスの煽りに大歓声で応える観客達。すでにクライマックスのようだ。最後までテンション持つのだろうか(笑)



「無敗の絶対王者・天狗仮面選手vsニューベガスの貴公子・ブラッド選手」


「――それでは始め!!」



 闇魔法で牽制を入れるブラッド。それを難なくかわす天狗。


 相変わらずのゴリラワーク(フットワーク)である。あの体であれだけ動けるのだから対戦相手はいやになる。



 それに対しブラッドの武器は槍ではなく片手剣にシールドで対抗していた。


 剣の攻撃に加え、空いた左手で魔法を放つ。近距離で放たれる魔法は避けるのが難しくエルさんでも食らっていた。


 あとは片手剣での攻撃にもう少し力があればなぁ……。



 エルさんの速さにブラッドは何とかついていけていた。だがついていけただけだ。上回ることは出来なかった。


 そしてブラッドの攻撃は急所狙いだったためエルさんにとって読みやすいものだっただろう。



 捨て身の攻撃も致命傷を与えるまではいかず万事休す。


 エルさんがスキルを発動しブラッドに襲いかかる。が、それを影に変化し間一髪で躱す。背後の頭上に出現し渾身の魔法を放つ



「――暗闇捕食(ダークイーター)!!」



 ブラッドの手から黒い光線が放たれると舞台に穴が開いた。


 エルさんは……間一髪かわしたようだ。が左腕が肘から消え去っていた。



 直後右腕が振るわれる。その一撃でブラッドは死亡転送されていった。



「勝者!天狗仮面選手!!」



 あっという間の戦いであったが見応えのある試合だった。


 観客は何が起こったのか分からないだろうから、現在スローで決着の瞬間を繰り返し再生している。




 さぁ次は俺の出番だ。ブラッドに負けないような戦いをしようじゃないか。



「続きまして第2試合 黒い皇帝、その正体は勇者の師匠・ベイダー選手」


「対しますはSランクのレオン選手を瞬殺する実力者・クラウス選手」



 ――それでは開始!!



 俺達はお互い刀と剣を構え間合いギリギリで相手の出方を窺う。



「さて貴様には(ひざまず)いて俺の靴でも舐めてもらおうか」


「やなこった」



 袈裟に斬りかかる。かわさずに剣で受け流そうとするクラウス。そのまま反転し後ろ回し蹴りを見舞う。



「ぐっ…卑怯な…」


「1対1の戦いに卑怯なんてものがあるか。剣だけで戦うとも言ってないしな」



 立ち上がるクラウスは無詠唱で魔法を放ってくる。ファイヤーアローだ。


 見てから回避余裕、間合いを詰めこちらも魔法を見せてやる。



「――フラッシュ!」


「ぐあっ!!」



 これって初見は必ず食らうんだよね。エルさんですら食らってたからな。まぁ気配で見つかったんだけどさ。


 それに今回もこれで決めようとは思ってない。ただの嫌がらせだ。



 少し待ってやると視界も復活したようだ。



「なんだ、さっきの魔法は。お前のスキルか?」


「そんなの教える訳ないでしょ」


 本当は魔法だけど教えてやらない。だってこいつムカつくし。



「それが先輩に対する口のきき方か!」


「だったら先輩らしくしてくださいな」



 お互い剣で斬り合う。クラウスも剣術は10だろうな。


 だがしかし、「剣の道は一生が修業であることを自覚して、常に真剣な気持ちで修業することが大切である」と教わった。


 剣術10は上限ではあるが頂点ではない。そこを知らないと先に進むことは出来ない。




「く、くそっ!こんなはずではッ……」



 次第に剣の差が出始めるとクラウスは明らかに動揺し始めた。


 剣で負けるはずがない。とでも思っていたのだろうが、大きな間違いだ。世の中、上には上がいるのだ。俺もまた井の中の蛙。



 呼吸を読み、呼吸を感じ、呼吸を制する。


 するとどうだ。いつの間にか相手の首が飛んでいる。



「勝者!!ベイダー選手ー!」



 相手の力を利用し受け流してやるとそのまま勢いを止められず無防備な背中を晒してしまう。


 慌てて振り向く相手の死角に回り込み、あとは首を跳ねるだけである。



 残心を取り、刀を鞘に仕舞い深呼吸する。これにて一戦落着。




 歓声に応え控室に戻る。そのままVIPに転移。



「よお、いよいよだな。しかし強くなってきたんじゃないか?」


「ああ、楽しみにしていてくれ」


 エルさんに労いと期待の声を掛けられそれに答えた。



 だが俺の心はエルさんとの対戦よりもルーリの心配の方が大きかった。



 昨日のあの様子だとまだ割り切れてはいないだろう。そんな状態で勝てるほど甘い相手ではないはずだ。出来たら一歩先に進んでいてくれるといいのだが……。




「それでは第3試合、魔族界の鬼 姫(プリンセス)・パドメ選手!vs 獣人界の王 者(ライオンキング)・ガルド選手!」


「両者準備はよろしいですか!?――それでは始め!!」




 ルーリが開始早々魔法で攻める。これをネコ科特有のしなやかさで躱すガルド。


 やはりルーリの様子はおかしい。いつもならもっと追い詰めるような魔法の使い方をするはずなのだ。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「クハハハ、さっきのお姉チャンよりも強そうだな」


「だまれ。友人の仇を私が討つんだ」


「さっきの奴の仇ってか?そういう理由は燃えるんだが、あまり好きじゃないねぇ」


「お前に好き嫌いは聞いてない!!」



 パドメの放つ魔法の合間に鞭による攻撃も仕掛けているが全て回避されている。やはり1~2ヶ月の付け焼刃では上位者には通用しない。


 まともに行って通用しないのなら隙を作ればいい。


 ユウのよく使うフラッシュを攻撃の合間に何度か挟み、相手の隙を探る。



「さてじゃあ、こちらからも行かせてもらう」



 そう言うとガルドの姿が一瞬消えた。次の瞬間――左のほほに衝撃が走る。



 ――なっ??何が起きた?



 脳が揺らされたのか、視点が定まらない。これはダメだ。距離を取らないと……次の瞬間意識を刈り取られる。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「あーあ、こりゃ厳しいな」


 エルさんがそう呟く。


 舞台上のルーリはいいパンチを2発ほど食らっていた。


 いつものルーリなら見切れたんじゃないかというスピードだったはずだ。やはり昨日の今日で万全とはいかなかったか……。



 吹き飛ばされピクリともしないルーリ。



 そのまま試合終了のアナウンスがされそうになった時、ルーリがゆらりと立ち上がる。


 面頬は破壊され素顔があらわになっていた。立ち上がったルーリに大歓声が起こる。ただ髪の色や容姿が違う為ルーリと気付いた観客はいなそうだ。



 ニヤリと笑うルーリに違和感を覚える。


 次の瞬間ルーリが距離を詰める。――速い!今まで見てきた速さを越えるスピードだった。



(殴られた時に鞭を手放していたので)剣を取り出しガルドに斬りかかる。


 ガルドもそのスピードに翻弄されたのか、完全にかわし切れていない。徐々に全身を己の血で染めていくガルド。



 ルーリの剣は急所のみを狙うのではなく全身を徐々に削っていった。首を狙うと見せかけ太股を切りつけたり手や腕だったりと防御に専念してもなかなか厄介な攻撃を繰り広げる。



「おいおい、お嬢ちゃんやるじゃないか」


「ああ、でも何だかおかしくないか?」


「そうか?言われてみたらおかしくも思えるが、覚醒したんじゃないのか?」



 そうだろうか?確かに戦闘中に何かに開眼することもなくはないだろう。だが俺の違和感はまた違うところなんだが……。



 そんな心配をよそに次々を攻撃を仕掛けるルーリ。しかしガルドもジリ貧を感じたか反撃に出る。


 その攻撃をルーリはあっさりと避け、逆に己の攻撃を的確に当てていく。



 その攻撃は休む間もなく続きもう少しで勝利という頃だった――。



 ――「うがぁぁぉぉぉ!!」



 ガルドが吠える。もうその姿は真っ赤に染まっていた。ルーリを捕えられないフラストレーションだろうか咆哮をあげた。


 その咆哮にルーリの動きが止まる。



 その隙をガルドが見逃すはずもなく襲いかかる。



「避けろ!ルーリ!!」


 そう思わず叫んでしまった。



 ガルドが拳を振りおろす。ルーリは止まったまま動けない。おそらく……。



 次の瞬間、ガルドは攻撃を止めた。その風圧によりルーリがゆっくりと仰向けに倒れていく。


 ダウンによりカウントがアナウンスされる。そして10カウント以内にルーリが立ち上がることはなかった。



「勝者!!ガルド選手ー!」


 ガルドは勝ち名乗りを受けたが、がっくりと膝を付く。すぐさま救護隊が駆けつけ、ガルドとルーリ双方に完全回復(パーフェクトヒール)をかける。


 ガルドは直後に立ちあがり控室へと引き上げていく。


 ルーリはまだ立ち上がれず担架で運ばれていく。


 体は回復したのだが意識がないのだろう。おそらく……2発目のパンチを食らってから意識は飛んでたんだろうな。俺が感じた違和感はそこだった。それが咆哮で動きを止められてしまったのだと思う。


 ただ無意識の中でガルドと五分に渡り合い、追い詰め、惜しくも負けはしたがルーリには賛辞を贈りたい。




「では続きまして第4試合ムサシ選手vsラセツ選手の試合を始めます!」


 少しの休憩をはさみ行われた第4試合。


 結果から言ってしまうとムサシの圧勝だった。



 襲い来るラセツの金棒を難なくかわしその刀で攻撃を加えていく。


 さっきのルーリの上位版の戦い方だ。しだいに体力を削られていくラセツ。


 ラセツの耐久力も決して低いわけではない。Lv10までは上げていないが、その体力と耐久力は配下の中でもトップクラスである。


 そのラセツがなす術もなく押し込まれていったのだった。そのまま決着がつく。


 まるで遊んでいるかのように、その様はまさに手本と言ってもいいカッコ良さだった。


 あれ、これなら俺にも出来るんじゃないか? そう錯覚をさせてしまうほど簡単にラセツを完封して見せた。




 こうして第1回ガナドールのベスト4が出揃う。






いつもお読みいただきありがとうございます。

ブックマークや評価の☆☆☆☆☆も押してくれると喜びます。

今後もよろしくお願いします

m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] クラウスに勝てて嬉しい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ