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79話 トーナメント1回戦

 


 トーナメント開幕初日。


 昨日に引き続き今日も朝から人、人、人の波である。



 朝一番に王都の将軍・サイファーといまだ無敗の王者・天狗仮面の対戦があるからだろう。



 観客の入場も終わり、選手たち32人が舞台上に姿を現す。すでに大歓声だ。


 まず最初にルールの確認をする。選手、観客の両方に伝えないと観戦の楽しみも減ってしまうだろうからな。


 基本的なルールはバトルロイヤルと大差はない。



 ・腕輪の緑を確認。

 ・武器、アイテムの持ち込み可。

 ・場外は負けではない(15秒復帰)

 ・気絶したら敗退。ギブアップ可


 戦闘時間は30分。それを過ぎた場合は延長10分。それでも決着がつかない場合は与えたダメージ量が多い方が勝ちとなる。



 今回の目的はDPではなく、感情による収益なのでいい戦いを期待したいところだ。



 ルール説明が終わり、アイシャによって開幕の宣言がされた。


「只今より記念すべき第1回ガナドールを開会します!!」



 響き渡る大歓声、せっかく用意したトランペットの音色が掻き消される。



 第1試合の開始まで約30分。その間に観客は用を済ませ、選手はウォーミングアップを始める。


 昨夜のうちに作った控室32部屋それぞれにモニターとウォーミングアップができる広さを用意してある。元々控室などなかったので急遽作った割になかなかのができたと思う。




 30分後、第1試合の開始時間である。



「それではこれよりサイファー選手対天狗仮面選手の試合を始めます!!」


 いきなりの注目カードに否が応でもボルテージは上がる。


「双方準備は? OK? OK? ――それでは………ファイ!!」




 サイファーも天狗仮面も体格的には同じ195cmくらいで筋肉ダルマ。サイファーはオレンジの短髪、片や天狗はシルバーの短髪。ようするに髪の色を除けば、よく似た背格好なのだ。仮面を除けば一番の違いは武器の種類だろうか。



 剣を抜きそのまま距離を詰めるサイファー。今日はいつものフルアーマーではなくハーフアーマーのような格好なので動き易そうである。


 一方天狗仮面はいつもの衣装で腕を組み、悠然と待ち構える。


 袈裟斬りから逆袈裟へと素早い攻撃。だが天狗はこれを2ステップでかわす。


 相変わらずの目の良さと足捌きである。顔は天狗、体はゴリラのくせに……。


 続々と攻撃を繰り出すサイファー。こちらもさすが将軍になっているだけあってその攻撃は多彩だった。



 ただいかんせん相手が悪すぎた。


 体術メインの天狗が下段回し蹴りを放つと両足を刈られたサイファーが倒れこむ。



「足元がお留守ですよ?」


「まだまだぁぁぁ」



 すぐさま立ち上がり斬りかかるサイファー。


 それにしてもエルさんその台詞どこで覚えたんだ?何故かよく聞くセリフなんだが……。


 ちなみに舞台の声が聞こえるのはVIPルームだけである。コアの謎能力によって実現できた。観客席にも聞かせることは可能なのだが、エルさんやルーリの様なうっかりさんもいるのでそれはやらなかった。



 舞台上ではサイファーの攻撃を余裕を持って見切る天狗仮面。華麗な天狗(フット)ワークでステップを踏む。


 体はゴリラなのにステップワークは軽やかなのがムカつくんだよな。



 そうやって暫くかわしているとサイファーの動きが明らかに鈍ってきた。ずっと全力攻撃してるのだから疲れて当然である。


 天狗仮面は動きの鈍くなったサイファーに興味が失せたのか、一撃で仕留めた。



「勝者ー!天狗仮面選手!!」



 俺が前に食らったのはあの技ではないな。今回は動きも見えていたし技も見切れた。まだまだ本気じゃないってことだ。


 サイファーは腕輪の効果で救護室に転移していった。また次回の参加に期待しよう。



 少しの休憩をはさみ第2試合が開始される。



「お待たせしました。これより第2試合パリッシュ選手対ハインツ選手の試合を始めます!」



 続いて第2試合。パリッシュはジョー達のPT「鋼の絆(アイアンボンズ)」の槍士である。対戦相手は同じく槍を使うハインツ……こいつは強そうだ。


 試合開始直後にハインツが槍を振り回しからの突きでバランスを崩させ、あっという間にパリッシュは死亡転移される。



 このハインツもなかなか面白い人物だ。ただ次エルさんと当たるのが勿体ない。




 ここからはダイジェストでお届けさせてもらう。



 第3試合はブラッドvsファビオ。相手に何もさせずブラッドの勝利。ちなみにブラッドは魔族の格好で参戦中だ。


 黒い髪に紅い目、黒のスーツのような格好である。無口ではないが口数が多い方でもない。顔も相まって雰囲気イケメンなのだ。




 第4試合、ラスタvsジョセフ。ラスタは虎の獣人だった。こいつも身体能力を使って圧勝した。猫じゃらしをやってみたいな。



 第5試合、コルトvsアグリル。アグリルは予選4位通過の選手だ。注目して見たが軽く瞬殺して終わる。ダンマスのなのだろうか?人間にしては強すぎる感がある……。



 第6試合、ジークvsベイダー。そう!俺の出番だ!


 颯爽と舞台に上がり対戦者のジークを見る。剣を構えた探索者風の男であった。



「それでは試合開始!!」


 様子見とばかりに接近し剣を振るう。手首を斬りつけるとスッパリ切断された。相手は全く見えていないようだった。



 なかなかの切れ味である。今俺の使っている剣は俺が自ら打った刀だ。魔道具作成スキルも使い属性魔力を流すことにより各属性剣としても使えるようにしてある。


 勝敗もあっけなく着いた。もちろん俺の勝ちである。


 これにより俺の次の相手は謎の強者・アグリルと組まれることになった。




 第7試合ファルvsクラウス。俺と同じように手首を落として勝利。


 第8試合レオンvsドニー。レオンの勝利。レオンもまた強者のようで観客の盛り上がりがすごかった。


 第9試合キップvsジョー。さすがに経験の差でジョーの勝利。



 第10試合パドメvsテオ。さてパドメの初陣だ。


 妖艶でありクールでもあり、いつものルーリとは程遠い雰囲気を持つパドメ。遠距離では無詠唱魔法で追いつめ、近寄ったところで鞭が襲いかかる。


 鞭の使い方も慣れてきたようで叩く、払う、絡め捕ると多彩な技で相手を削っていく。


 鞭には雷属性が付与されているため当たると電気のようなものが体を走る。その為一瞬体が硬直する。戦いにおいて硬直は大きな隙となる。その隙を見逃さずパドメは畳みかけ最後は麻痺まで取って完勝した。


 観客も魔族であるパドメの容姿に惚れたのか大歓声を送っていた。それに片手を軽くあげ応えるパドメ。キャラちがくね?



 第11試合ナティvsハリー。ナティさんの完勝。書くことすらない完勝。


 第12試合ガルドvsキース。圧倒的存在感を持つライオンの獣人ガルドがパワーで圧勝。


 あのガルドって奴も半端じゃねーな。気配察知スキルでも強者感がバンバン感じられる。




 第13試合ムサシvsザック。やっぱムサシって日本人なのか、武器は日本刀だった。居合斬りで完勝。


 第14試合レスタvsクロウ。豹獣人のレスタが翻弄して勝利。


 第15試合パブロvsリュウイチ。リュウイチの圧勝。女性の声援がすごかった。


 1回戦最後第16試合ラセツvsイリス。棍棒殴打でラセツの圧勝。





 こうして1回戦16試合は終了となった。







 第1試合エルウィンvsハインツ

 第2試合ブラッドvsラスタ

 第3試合アグリルvsベイダー

 第4試合クラウスvsレオン


 第5試合ジョーvsパドメ

 第6試合ナティvsガルド

 第7試合ムサシvsレスタ

 第8試合リュウイチvsラセツ




 ここから一度休憩をはさみ、2回戦8試合が行われるアナウンスが流れた。

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― 新着の感想 ―
[一言] うん、わかってたけどダンジョン側強すぎるw
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