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31話 リベルの現状


「おい、貴様!そこで止まれ!」



鎧を着た5~6人に囲まれて行く手を塞がれる。



「貴様、身分証を見せろ」



素直にギルドカードを差し出す。


こんな時は反抗してはダメなのだ。


多少言葉使いがなってないとしても大人なら華麗にスルーだ。



「最低ランクのG級探索者が何をしている?何故そんな金を持っている?」


ふむ、意図が分からんので素直に答える


ユウ「孤児院に知り合いがいるので食事の差し入れに行ってきた帰りですよ。金は稼いだ金です」



「嘘をつけ!先週も金貨2枚も置いていったそうではないか!そんなに稼げるはずがない。おおかたどこかで盗んだ金だろう」






この決めつけ方よ。これでどれだけの子供や青年が苦しんだろうか・・・


自分の物差しで他人を測るなよ。


目に見えたものだけで判断するなよ。


普通や一般的という言葉で一括りにするなよ。






セバス「横から失礼します。こちらの御二方はある貴族の血を引く御方達でございます。何か問題でもございましたでしょうか?」


セバス:ユウ、落ち着いてくださいませ。ここで揉めても我々にはまだ体制が整っておりません



セバスから念話が届き、我に返る・・・


数十秒前まで華麗にスルーとか言ってたじゃねーかよ。



平常心平常心・・・・ヒッヒッフー


ユウ:セバス助かった


セバス:ユウもまだまだですね笑


ユウ:うっせ!



さて、と・・・



「確かに大金ではありますが間違った行為をしているとは思いませんが?」



「貴族の子供かよ。まったく誰だよ、人攫いとかいった奴は」



そう言いながら鎧の仮面を外すと傷跡が目立つが精悍な顔が現れた。



「こちらこそ失礼をしました。私はこの町で警備隊の隊長をしているエドガーと言う者です」



「いえ、それより人攫い?」


「ああ、人攫いか金を渡して子供を連れていく奴隷商だと通報があってね」


「なるほど」



あながち間違ってないな。


「ところでこの町には家のない子供が少しいるようだが、町としては何か対策を?」


「ああ、特にしていない、と言うか出来ないのが現状か」


「出来ない?」


「ああ、孤児院に入れようにももう孤児院も一杯だ。町も大きくないので補助もそんなに出ていない。特に今は魔物が出て作物が荒らされてしまった。


奴隷狩りにあうか野垂れ死ぬしかないのかもしれないな。誰か新たな孤児院でも建ててくれたら助かるかもしれないがな。」



カイはみんな頑張ってると言っていたが、大人達から見たら窮地は脱していないのかもしれない。



「とにかく疑ってすまなかった。ご協力感謝します」



謝罪を受けたので、それではとあいさつしその場から離れる。









その後、宿を2部屋予約してから町を散策する


以前の屋台のおっちゃんとまた出会ってしまった。



「ようお嬢ちゃんまたあったなー。今日も買っていくかい?」


アイシャが噴き出した。セバスは堪えたようだ。



「ああ、3人分くれ。あの後の町はどうだい?」



ここ連日ハイロウ達がこの周りを狩っているから被害は確実に減っているはずだ。



「ああ、何があったか魔物が少なくなったって話だぜ」


「へぇ、そりゃよかったじゃねーか。」


「ああ、そうだな。おかげで売り上げもようやく上がってきたよ」


「そりゃうれしい事だ。ところでなんで王都でやらないんだ?この味なら王都でも売れるだろうに」


「うれしい事言ってくれるねぇ。王都ね、そりゃ金がかかるのさ。まず売る権利を買わなきゃいけないし場所代もある。


その為にこの値段を上げたら売れなくなるし、売れても税金は高いしでさ。王都で売るんならもっと儲けの多いものを売らなきゃ駄目なのさ」




税金か・・・確かに高いより安い方がいいもんな。


うちの町もそのうち考えないとな、多分いらないんだが全然取らないってのも問題になるような気がする。





奴隷商にも顔を出そうと思ったが今回はパスだ。


今はまだ準備段階だし、今いるメンバーで足りなくなったら改めて考えようと思っている。





宿屋に戻り3人で紅茶を飲む。



「2人とも聞いてくれ。来週もし孤児院の全員がうちに来るとなったら町の兵士が言ったように人攫いと言われるだろう。その対策を間違うと戦争になるかもしれん。2人の意見を聞かせてくれ。」


「町で面倒見切れないのを助けるのに戦争になってしまうでしょうか?」


「最悪の場合ではな。」


「人助けしているのに・・・納得できません」


「例えば要らないものでも他人に取られるのは面白くないって人もいるんだよ。」



アイシャは頬を膨らませている。かわいーなお前。



「セバスはどうだ?」


「我々の町を見せてあげたらどうでしょう?納得するのではないでしょうか?」



視察的なもんか。


ふむ、いずれ宣伝しなきゃいけないんだから悪い手ではないな。



「あと1週間あれば大体の施設は整うか。細かいところはルーリの異世界勇者の力で誤魔化すとして。では方向的にはその案で1週間後の先生の答えを待とう」


「かしこまりました。」



となると、ホテル、闘技場、遊園地は出来た。


追加するのは孤児院、学校、それに街に行くための道か。



「なあ、セバス。転移陣で町と町を繋ぐのはどうだ?」


「たぶん町の中に設置するのは嫌がられるでしょう。どんな人物が来るかわかりませんので。同じ理由で我が町も町の中にいきなり転移陣を置くのはおやめになったほうがよろしいかと」



「なるほどな。犯罪者が紛れ込んでいるかもしれないって恐れもあるしな」


「はい。出来れば建物一つを転移陣専用で建て、その建物で出入りを管理するとかはいかがでしょう?」



なるほど、王都へ飛ぶ転移陣、リベル行きなどを纏めておいて、いずれ世界中に広げる方向で行くか。


飛ぶ先の町では町の中ではなく町から少し離れた場所に家でも建ててその中で管理すればいいか。


これは領域の外なので大工も育てないといけないな。


いや、収納で持って行ったらいいのか。


基礎工事など全然ダメなんだろうけど壊れたらまた新しくすればいい。


町の外だが護衛の魔物を目立たないようにすれば大丈夫だろう。




今領域は壁で囲まれているので、いずれは門を作ろうと思っていたが周りに街道も人里もないのでこのまま囲ったままでいいだろう。




その日は夜も更けてアイシャが眠くなったようなので寝ることにした。







いつもお読みいただきありがとうございます。

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