その4
これで一応終わりです。最後までお付き合いくださってありがとうございました。1月11日間違い報告ありがとうございます。書き直しました。
あれから10年立ち子供達が巣立って行きました。3人ともこの国の騎士に成りました。小さい頃から才能があったのと、私が貴族時代に教わった勉強などを教え貴族としてのマナーも叩き込みました。
「3人とも立派になったわね。これでお母さんも安心したわ」
立派な騎士服を着込んだ我が子と、我が子同然の子供の成長を見る事が出来た私は幸せだと思いました。
「母さん、今までありがとう。これからは自分の幸せを見つけていいよ」
「そうだ、母さんも幸せになるべきだ」
巣立った子供達が立派になって私を気遣ってくれます。
「ありがとう、私は貴方達2人が私の元に生まれて来てくれて嬉しかったわ」
「任せて、俺がダリアさんを幸せにするから」
「え?」
小さい頃から息子の様に可愛がってきた彼が私を抱き締めています。
「頼んだぞ!親友!」
「任せるぞ!父とは呼ばないが」
子供達が祝福してる?認めてるのー!
「分かってるさ。ダリアさん、俺一人前の騎士に成りました。小さい頃の約束通り結婚してください」
「え?…?」
小さい頃、約束したのは覚えているわ。でも、子供の時だし本気だとは思っていなかったわ。
「ダリア、息子お婿にもらってね」
ミリアムは許したの?結婚すれば私のお母さんになるのよ!
「ミリアム!どう言う事なの!」
「嫌だわ、忘れたの?小さい頃この子がプロポーズした時、騎士に慣れたらいいって言ったじゃない」
「それは……冗談じゃないの?私、もう年増のおばさんなのに」
「ダリア、諦めて嫁になってあげて。このままじゃ一生独りになって不幸になるわ!お願い!」
「でも、子供も生めないかもしれないし……ダメよ」
「俺はダリアさんだけだ!子供が欲しいから結婚するんじゃない!ダリアさんが好きなんだ!一生大事にする!」
「ダリア、気にしないで。あの子が不幸になるより幸せになって欲しいの。親の願いよ」
「本当に、私のようなおばさんでいいの?」
「ダリアさんがいいんだ!ダリアさんだから俺の物にしたい!」
泣きそうな顔をしたこの子を見捨てられない。
「……よ、よろしくお願いします」
「ありがとう!ダリアさん!やったぞ!」
「良かったな、母さんを頼むよ」
「頼んだぞ!父さんもどき!」
子供達の、逃げられる前に婚姻したらと言う言葉を聞いた周りに、あれよあれよと言う間にミリアムお母さんと呼ぶ事になりました。これで、本当に家族になったわね、とおばさんとミリアムに言われて嬉しかった。嫌われ伯爵夫人だったのを止めた私は、暖かい家族に囲まれて幸せになれたわ。




