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女はときに獣と化す!

 万里が逃亡したあとの教室には、どえらい数の獣(女子)が押し寄せていた。熱気が立ち込め始めている。暑い・・・かなり暑い・・・暖かいを通り越して暑い


 余りの暑さに才花はベランダに避難する。教室内に居たら脱水症状を引き起こすだろう。現に教室内はドライサウナ状態だ

 天然の扇風機(春風)に吹かれながら才花がベランダで涼んでいる間、背後では獲物(万里)に逃げられた獣たちが怒声で何か話し合うと、勢いよく教室を出ていった



「『女はときに獣と化す』か。アレを見れば納得だなぁ。本当に飢えた獣だよ・・・」



 そーいえば、春海ちゃんの様子がおかしかったなぁ。可愛いラッピングがしてある手作りチョコを持ってるなぁって思ったら『今日こそ告白・・・告白告白告白告白告白告白告白・・・』って呪詛よろしく連呼してたし。そーかそーか、遂に覚悟を決めたのかな。


 万里がくれた花を嗅いでみると、優しい甘い匂いがする。万里って香りの良い花を選ぶの上手いんだよね〜、ちょっと悔しい。



「来るなあぁぁぁぁぁぁあ!!!」


「お?」



 三階から悲痛な叫び声が聞こえました。叫んだら余計に見つかると思うんだけどな? ・・・って思ったら何かが落下してきた。そして、どこぞの段ボールが似合う兵士と同じ動作であたしの目の前にストンと降り立つ万里。此処に来た目的は1つだけ・・・



「休憩ですか?」


「お茶下さい・・・」



    逃走中の途中休憩



「はあ・・・生き返る・・・」



 ペットボトルのお茶を半分飲んだ万里は座り込んでいる。おや? お世辞にも綺麗とは言えないラッピングがしてあるチョコ発見!! 女に興味が無いと思ってたけど、やっぱり男の子だもんね〜



「ねえ、万里。それ誰にあげるの?」


「ん? SDプレーヤーを愛用してるアイツにだよ。・・・大事なことを伝えたいからさ」


「なーるほどぉ〜。彼女ならいつも通りの場所じゃない?」


「だろうな・・・」



 万里はため息を吐くと、半分残っているペットボトルを渡してきた。休憩は終わりって事だね、また逃走開始かな。ベランダから教室の方を鋭い目で見つめている万里は何かを確信すると、私に向き直った



「お茶ありがとな」


「ねえ、万里」


「なんだ?」



 背伸びをして万里の顔に近付いた私は、軽く万里と唇を合わせた


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