97話
ルービス王国
「もうすぐで、ルービス王都に着くぞ。
「父上、俺が最初に飛び降りるから、後に続くように頼むよ。」
「あまり、無茶をするなよ。デリック頼むぞ。」
「はい、任せてください。きちんと押さえます。」
「俺じゃなくて、敵を倒すんだろー。」「じゃぁ、準備に入るか。」
「そろそろだな。」「いくぞーー。そりゃああぁぁ。」
「カイン様に続けーーー。わあああ。」「ひゃあああ」「あああぁぁぁーー」「はははあああ」
次々とカイン隊の隊員たちが飛び降りていく、機人は、カイン隊の後に続いた。
その後に、デリックの隊が降下していく。
「おりゃあぁぁ。」スパー。バサ、スー。カインは次々と兵を斬り倒していく。
「各隊、3人一組で行動しろよ。敵を倒せ。やれー。」
「おおおおおおおおー、おうー。」
カイン隊の面々は、城内に散らばっていった。
カインは、敵が多い所に突っ込んでいき、なぎ倒していく。
王族の確保の事を完全に忘れている。前にいる敵をただ斬っていくのだ。
「うおおおお。」バサッ。
「おまえがこの中で一番強そうだな。」
「・・・・・」
「まあいい、斬り捨てるだけだけだしな。いくぞー。」
スパー、サッ、バサーッ、スっ。
10人程度いた敵は、全員倒されていた。
カインは、次の敵を求めて歩き出す。
「ま、待ってくれ、なぜ我が国に攻め入るのだ。」
カインは、あきれた。こいつマジで言ってるのか。相手の質問がおかしいからだ。
「何を言ってるんだよ。お前らが、ローエム王国に宣戦布告をしたんだろう。攻められて当然だろう。」
その男は、びっくりしている。口をパクパク言葉が出てこない。
「おまえは、自分たちが攻められないとでも思っていたのか。」
「・・・・・・・・」
「救えないな。はあーーー。」
カインは、また敵が固まっている所に突っ込む。斬り捨てる。また斬り捨てる。
「敵が少なくなってきたな。」
「そりゃそうですよ。これだけ暴れれば、いなくなります。」
「それより、王族を探しましょう。まさかもう斬ったとか言いませんよね。」
カインは、あっ、まずっ、て顔をした。
「そうだな早く探さないとな。急いで探すぞ。」
カインは、もう剣を振るわなかった。聞いて回った敵に王族はどこだと。
「王族はどこだーー。」
探し回っていると、カイン隊の隊員が報告に来た。
「カイン様、王族の一人を捕らえました。」
「おう、そこに連れていけ。いくぞ。」
その男は、全身を縛られていた。
「おまえら、顔までぐるぐる巻きにしたら喋れないだろう。顔はほどけ。」
カインの部下はその男を縛りなおした。
「おまえは王族の人間か。」
「そうだ、王太子だ。」
「分かった、おい、父上の所に連れていけ。」
「なぜ、城に攻めてきた。」
カインは、先程の男を思い出した。「おまえらは馬鹿か、宣戦布告して攻められないと思ったのか。話にならんな。早く連れていけ。」
そして次々と王族の人が見つかっていく。カインが斬った者の中に国王がいたのは内緒の話だ。
後で、バレるがな。
「父上、粗方は片付きました。」
「ご苦労。」
「王族は、降伏しましたか。」
「これから話すところだ。カインも来るか。」
「行きます。どんな奴らか見たい。」
ハロルド、カイン、デリックたちが、拘束されている王族の所に行く。
ハロルドたちが部屋に入っていく。
ハロルドが、入室して辺りを見回すと知っている顔がいた。王太子のローレントだ。
「ルービス王国、ローレント殿ですな。」
「ハロルド殿・・・」
「ルービス王国はローエム王国に宣戦布告を行った。今は、戦時中である、王太子ローレント殿。ローエム王国は貴国に降伏を勧告する。返事を。」
「・・・・・・・・」
「いいですか、ローレント殿、もうルービス王国は敗北したのです。降伏を受諾できない場合は、全員処刑します。」
「・・・・・・・そんなの横暴だ。」
「父上、こいつら馬鹿なんだよ。」
「・・・・・・」
「降伏します。」
「あなたは。」
「私は、ルービス国王が三女のアステーリと申します。どうか皆の処刑はおやめ願えませんか。お願いします。」
「分かりました。降伏を受諾するのであれば、処刑はしません。お約束しましょう。」
「ありがとうございます。お母さま、お兄様、みんな私たちは負けたのです。そのことを認めましょう。」
アステーリの言葉を切っ掛けにして各王族たちは降伏を受諾していった。
その後に、瀕死の重傷を負った国王が発見されて治療されたと報告があった。
イングリット王国
「レオンもう少しで王都上空に着くから、準備をしてくれ。」
「了解、兄貴。他はもう終わったかな。」
「終わる頃だろう。終わったら通信が入るからな。」
「通信入りました。アレクス様より通信です。ドレイブ王国、無条件降伏。ドレイブ王国、無条件降伏です。」
「おおおおおおおおお」
「さすがに早いね。この分なら父上たちも、もうすぐだろう。こっちも早くしないとな。」
「しゃぁ、行ってくる。」
「第7騎士団行くぞ。」
レオンに率いられた、第7騎士団とオリオン軍は空から飛び降りていった。
「俺は、キカイダー。」「キカイダー」「キカ・・・・・」
一部のオリオン軍から、変な掛け声で飛び降りる者たちがいた。
「第7とオリオンは作戦通りに行動せよ。いけ。」
第7騎士団は、小隊ごとに分かれ城内に散らばった。オリオン軍も小隊ごとに散らばっていったのだ。
レオンは、城内に拠点を設け、そこで作戦の指揮を執っていた。
上空のルドルフから通信が入り、ルービス王国が降伏したことが伝えられた。
「やはり、ここが最後か。」レオンは独り言をつぶやいていた。
「報告、第3小隊、負傷者なし。作戦実行中。」
「報告、第5小隊 負傷者2名軽傷 作戦実行可能。」
「報告・・第6・負傷・・・」
「・・・・・・・」
次々と入る報告に、レオンは対応していく。
「報告、第1小隊 王族4名を確保。こちらに連行する。」
「おおおおぉぉぉ。」
「各隊に連絡せよ。王族4名確保、さらに捜索せよ。」
「はっ、了解しました。」
「報告いたします。王族の方々をお連れしました。」
「私は、ローエム王国、第7騎士団長のレオン・オリオンです。これからあなた達4名は上空の船に移動いたしますのでお静かにお願いしますね。王族としての扱いをしますのでご安心を。」
「分かった。私は、このイングリット王国の国王だ。そして妻と子供たちだ。」
「分かりました。上空には私の兄がおりますので、ご案内いたしましょう。」
「私は、一旦艦に戻る。この場所の指揮はレッド頼むぞ。」
「はっ、了解しました。」
レオンは、ルドルフの旗艦に国王家族を連れて移動した。
「初めまして、私はオリオン公爵が、嫡子ルドルフです。」
「イングリット王国、国王、トーレンスです。妻のキャロラインと長女ルスティーナ、次女のカトリーヌです。」
「早速ですが、ローエム王国に降伏してください。先に言っておきますが、ドレイブ王国とルービス王国は降伏しています。」
イングリット国王は、眼を見開き驚いた。「信じられん。」
「まぁ、そうでしょうね。ですが今のイングリットの状況を見れば想像はつくかと思いますがいかがですかな。」
「・・・・・・・」
トーレンス国王は、冷静に考えていた。イングリット城が1時間余りで落とされたのだ、他の2か国とて空から攻められては城は落ち王族は拘束されているだろう。
「降伏します。」
「早い決断に、感謝します。」
この日、ローエム王国に宣戦布告をしたドレイブ王国、ルービス王国、イングリット王国の3か国は、ローエム王国に降伏をしたのだ。