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76話

水の都


「ガッパさん、どうですか。この街は。」

「水路が張り巡らされていて住みやすいです。」

「そこかい。いや、食事とかですよ。」

「そうでした、みんな無言でパクパクと食べていました。美味しいです。」


「ガッパさん、魚人で湖の事を詳しい人、何人か連れていきたいんだけど大丈夫かな。」

「はい、大丈夫です。もう20人ほどが準備してますから。」

「さすが、仕事が早いね。」「それなら明日、湖に向かうようにしよう。」



大森林の湖


ガレオン号は川沿いを航行していた。


「みえてきました。あれが湖ですよ。」

「大きいね。」

「予想より大きいですね。」

「湖をぐるっと、一周して形の確認をしよう。」


ガレオン号は湖をゆっくりと一周していく。地図を作る者、近隣の地形を写す者、警戒警備を行なう者と各自が自分の仕事をしている。

この湖、楕円形のような形をしている、長い所で直径10キロはあるようだ。湖の中にも小さい島がある。直径100メートル前後の島が3つある。


「ほぼ楕円形の形だね、広い所で10キロ、短い所で6キロぐらいかな。」

「それに、島も3つありますね。」

「3つある島を調べるよ。船をまわして。」


湖にある島は、魔物類はいなかった。


「100メートルぐらいの島じゃ、魔物もいないよね。」

「さすがに湖を渡ってこないのでしょう。」

「この島、遠浅になっているから使えるかもね。他の2つも調べよう。」


「魚人の人たちは、湖の中の調査と島周辺の地形を調べてくれるかな。」

「はい、では早速行ってまいります。」


魚人たちは、丁寧に調査をしていた。地形をこまめに書き写し、湖の地形図を完成させていた。


「凄いね。これ湖の形、深度と島の高低まで書いてあるよ。」

「私たちはモノ作りは、不得意ですが書く、描くは出来ますので。」



「この島が遠浅で、陸まで3キロぐらいだね。」

「陸に向かって2キロぐらいが浅いですね。」

「水深は1メートルから3メートルが2キロでそれから深くなってるね。陸の近くは10メートルぐらいか。」「よし、この島周辺を埋め立てるよ。ここに街を造るよ。」

「師匠、湖の埋め立てなんてできませんよ。土を湖に入れても流れてしまいますよ。土もないですよ。」

「んーーーーん。理解できないか。少し待ってね模型で説明するから。」


アレクは、1メートルぐらいの湖の模型を作成して説明をする。


「これが湖だね。これが島。この模型に水を入れるよ。このぽこって出ているのが島だね。この島の周りを壁で囲う。島の周りを囲ったけど水はまだあるよね。」


みんなうなずく「はい。」


「いい見てて。」

アレクは、麦の筒ストローで吸い込む、(なんという事でしょう。)囲いの中の水は無くなりました。

「ほらね、水は無くなったでしょう。無くなった所に土を入れていくんだ。もちろん固めていくんだよ。

そうすると、陸の出来あがりだね。」


「ほーーーーーっ。」


「少し大きめに囲いを造る。水が漏れないように隙間はきちんと埋めてね。それから囲いの中の水を魔道具ポンプで抜いていく。そして土が水で削られないように防壁を造ってから、湖の砂を防壁の中に入れていくんだ。」「この模型の底にある砂を入れると、ほら陸ができた。」


「島の囲いと防壁だけは人でやるけど、あとは魔道具のポンプで水抜きと砂入れをやるからね。」

「囲いと防壁とで、二重構造にするよ。万一壊れた時の為にね。」


「あとは、湖の水辺にも境界壁を置いて、砦を造ろうか大森林調査の基地としてね。200メートル四方を囲えばいいでしょう。工事の宿舎用でもいいかもね。」


「ほーーーーーーっ。」


アレクは、思う。こいつら、ほーーーーーーっしか言えんのか。


「魚人の人たちは、湖の底の土を持ってきてね。持ってきた土の位置も記録してね。それと湖の周りも調査お願いね。ユリは境界壁の作成依頼と輸送を頼むね。」

「他の人は、周辺の調査の同行と警戒をお願い。」


それから数日もすると、空に大型の貨物船が2隻現れた。


「アレクー。」

「おぉ、カイン兄ぃ。」


大型船で境界壁を運んできたのはカイン達である。カイン達は、大森林の魔物討伐が仕事であるが、変更になっていた。


「アレクのせいで、魔物の討伐が延期になったぞ。」

「あっ、そうなんだ。」

「島の開発を優先するそうだ。俺たちも手伝いになったよ。」

「それなら、湖の周辺の警戒を2,3小隊だしてよ。」


「獣人の人は、バランス感覚と肉体強化で力があるから、貨物船から境界壁を湖に降ろす作業をお願いね。」


アレクは、湖の底に魔法で溝を掘っていく。


「この溝に沿って境界壁を置いていくよ、なるべく隙間を開けないようにね。」


貨物船が上空に停止している。


「よし、ロープで境界壁を結ぶぞ。」「おおぉ。」

「みんな、両端のロープをゆっくり降ろすぞー。」「ぉぉぉぉぉっ」


境界壁がゆっくりと湖の中に沈んでいく。それを魚人たちが水の中で調整しながら溝に置いていく。


「おい、少しずれてるぞ。もう少し左、あぁ、少し後退。」「おおおい、このまま降ろしてくれ。」

「ゆっくりと降ろせよ。」

「OKだあ。」


最初の1個を無事に置くことが出来たようだ。


「なぁ、これきつくないか、ロープであの重い境界壁を10分ぐらい持ったままだぞ。」

「もう手が、しびれてる。」

「これあと何回やるんだ。」


「お前ら知らんのか、あと799回だ。」


「えぇ。えええええ。」


獣人たちは1回1回の交代で作業を行うようになった。さすがに連続では無理のようだった。


「よし、次、はい、次、次に行くぞ。はい次、・・・・・・・・・・」


湖の中にある島を2キロ四方で囲いを造った。


「なんか、水から壁の上だけが出てるな。」

「妙な光景ですね。」

「これ何やるんだ。」

「さあ、分かりません。」


「それじゃ、次の作業に移るから、獣人たちは休憩にはいっていいよーー。」


「全ポンプ機、稼働させろ。」



「ずずずずずーーーーーーっずーー。」  「ドバーーーーー、ドバドバーーードバー。」


魔道具のポンプから水を汲み取り、囲いの外に吐き出していく。

20台のポンプを使い、どんどん水を吸い上げていく。


数日後


「水がないですね」

「ないね」


「これから、底に防壁を置いてくい打ちの補強をしていくぞーー。」


獣人たちは、また重い防壁を貨物船から降ろしていくのであった。


「手が、手が、手がーーー。」


その作業も終わり。


「次は、砂入れだーーーーーっ。」


アレクは、張り切っていた。これが終わったら、他の島に自分の家を建てようと思っていたのだ。

それで早く終わらせようと、していただけだった。


「おぉ、いい感じになってきたね。」

「そうですね、こんな風になるんですね。」

「すげーーなーー。」


「これで、陸は出来上がりだな。マリア姉とイリア姉に連絡をしてくれ。  陸は出来た。だ。」

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