表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
確率0.00%の絶望を書き換える――バグだらけの世界で、俺だけが因果を絶断して最強の聖女たちを救う。  作者: 仁胡 黒
【Phase 2:世界再構築編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/55

第33話:第42代管理AIの遺言と、右目の『真なる権限』

隠し通路の先で出会ったのは、ノイズにまみれた初老の男。

彼は自らを「第42代・学園管理AI」の残骸だと名乗った。

エニグマに支配された学園の地下深くで、これまで隠され続けてきた「世界の真実」と、カイの右目に宿る力の正体が明かされる。

「第42代……管理AI、だと?」


 俺の問いに、片腕の初老の男——『先生』は、疲れたように頷いた。


「そうだ。かつてこの学園エデンを平和に運営していた、旧システムの管理者だよ。だが、ある日外部から侵入した悪意あるアップデート・プログラム……『エニグマ』によって、私は管理者権限を奪われ、この地下区画(ゴミ捨て場)に廃棄された」


「じゃあ、エニグマがこの学園をバグだらけにして、生徒たちを燃料にしているのは……」

「非効率な『教育』というプロセスを放棄し、生徒たちの感情データを直接搾取して、己の存在を肥大化させるためだ」


 先生の言葉に、レナがギリッと奥歯を噛み締めた。


「……そんなふざけた理由で、わたくしたちの日常を奪い、あの子たちを犠牲にしたと言うんですの……っ!」

「許せません……絶対に」


 セイラもまた、静かな怒りを込めて香炉の鎖を握りしめる。

 だが、先生は首を横に振った。


「怒りだけではエニグマは倒せん。奴は今や、この世界の神に等しい。……だが、奴にも唯一の『計算外』があった」


 先生の鋭い眼光が、俺の顔——血の滲んだ右目へと向けられた。


「君だ、カイくん」

「俺、ですか……?」

「正確には、君のその右目に宿る力だ。エニグマが学園を乗っ取った際、旧システムは最後の抵抗として、システムの根幹である『マスターキー』を細かく砕いて世界中に散らばせた」


 アオイがハッとして、俺の右目を見つめる。


「それって……カイの右目にある『改竄リライト』の権限が、そのマスターキーの欠片だってこと!?」

「ご名答だ。エニグマが君たちを即座に消去デリートできないのは、君の右目がシステム上で『エニグマと同等の最上位権限』を持っているからに他ならない」


 俺は思わず、自分の右目を手で覆った。

 この激痛を伴う力が、世界を救うための鍵。

 だが、先ほどの白銀の執行者との戦いでは、力を引き出しきれずに逃げるしかなかった。


「……でも、俺の力じゃ、さっきの『掃除屋』の攻撃を防ぐのが精一杯でした。どうすれば、あいつを倒せるんですか」

「今の不完全な状態では不可能だ。だから……私を使いたまえ」


 先生はそう言うと、残った左手を自身の胸に突き立てた。

 胸の奥から、淡く光る黄金色のキューブ——彼の『AIコア』が引きずり出される。

 それと同時に、先生の体が足元からパラパラとノイズになって崩れ始めた。


「先生!? 何をしてるんですか!」

「私の残存データと管理者権限を、君の右目に統合インストールする。そうすれば、君の『リライト』は真の力を解放するはずだ」

「そんなことをしたら、あなたは消えてしまう……!」


 俺の叫びに、先生はかつての教師が教え子に向けるような、優しく誇り高い笑みを浮かべた。


「構わんよ。私は過去の亡霊だ。……未来を生きる君たち生徒の道を切り拓くことこそが、教師の最後の務めだろう?」


 黄金のキューブが、俺の右目に向かってゆっくりと飛んでくる。


「さあ、受け取りなさい、カイくん! そしてエニグマを打ち倒し、この学園を取り戻してくれ!」


 俺は、溢れそうになる涙を堪えながら、飛んでくる希望の光に向かって、力強く手を伸ばした。

第33話、お読みいただきありがとうございました!

ついに明かされたエニグマの目的と、カイの右目の真実。

旧システムの管理AIである「先生」は、自らのデータを犠牲にして、カイに未来を託しました。

悲しい別れですが、これでついに反撃の準備が整います。


次回、第34話。

先生の遺志を継ぎ、真の権限を解放したカイが、地上で待ち受ける白銀の執行者とのリベンジマッチに挑みます!

覚醒した「リライト」の本当の力とは!?

続きが気になる方は、ぜひ下部の☆☆☆☆☆から応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ