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79話 ただいま

「おかえりなさい!お姉様!」


帝国へと降りたのだから当然と言えば当然だがヴィレアが一番に挨拶を口にした。


「うん、ただいま……っと、わっ」


案の定ヴィレアにも抱き締められた。このままもしかしてみんなに……?



…………



「主!」


「ミツハ!」


ぎゅー……モフモフ……へへ。

この毛並み、変わらないなぁ。安心する。


「姫様、師匠。そんぐらいにしといてください。まだ復興が終わってないんですよ」


「あ、ヴォルフ!」


「何やら色々大変だったらしいですね、おかえりッス。師匠」


「えへへ、そうなんだ〜」



…………



「フィーナじゃ!フィーナがおる!」


「……疲れすぎて幻覚でも……って、師匠!?」


2人とも動転しすぎ。まぁ連絡なしに来たからね。サプライズだよサプライズ。


「あはは、来ちゃった」


「もう!言ってくださればもっと歓待しましたのに!」


「ちょっと寄っただけだから。すぐに発つよ」


「そうですか……何にせよ、おかえりなさいませ、師匠」


「おかえりじゃ!」



…………




「あぁ!師匠!帰っていらしたのですね!おかえりなさいませ!」


膝まづいて両手を仰ぎながら言うユーリ。

いや怖いよ。私を神様だと思ってる?なんか前よりもその、抑えられるようになった分解放した時凄くなってない?


「うん、ちょっと前にね」


「こらユーリ。魔女様が困っているでしょう」


「まさか。師匠は僕に会えて嬉しいでしょう!?」


レーニアでも止まらないとは……でも……


「あははー……まあ、うれしいけど、ちょっと近いかな」



 * * *



山道を、歩く。今度は……4人で。


「いやぁ……懐かしいね。それにしてもエマ、手伝って貰って良かったの?」


「はい!すぐ近くの街に家を借りたので!」


「……マジで?」


エマも一応途中からの旅のメンバー。だから無理して最後まで着いてこなくても……って言ったら物凄い形相で押された。


「ママ、私頑張ってる、凄いでしょ?」


リリアに尋ねられ……うわおい何しとんねん!

これみんなからのお土産だから!頭に乗っけるのはダメだって!


「魔女様ー……僕は、僕はまだまだです……」


ルカが何故か悔しそうだし……これに差を感じる必要無いのよ。


「……見えてきました!」


「おー、流石はルカ。よく道覚えてたね」


私なんて忘れてた上に魔術の痕跡も決して出てたから……ルカ様々だよ。



旅に出て半年ぐらいだろうか。初めは確か、「1年以内に死ぬ」って言われたから旅に出たんだっけ。

ルカと私で、その後にエマに見つかって……大変だったけど、楽しい始まりだった。


お陰で旅の楽しさと……弟子達の想い、色んなものを知ったり思い出せた。


旅に出て後悔は無いって言える。


……いや、一つだけあるね。今、この終わりの瞬間。少し寂しいって、思っちゃった。



でもこの「死なない方法を探すため」の旅はもうおしまい。

またいつか、今度は理由がなくてもいい。旅をしよう。エマも近くにいるし、リリアとルカも。みんなで、まだ見たことの無い景色を……いつか。


だからそのためにも、終わらせよう。



─────ノブを、引く。


金具のキィっという音が鳴って、家の中が目に入る。


木でできた机とテーブル。奥には散らかった本棚。キッチンにはルカ用の台があって……


全部、懐かしい。もう半年も離れていたのだと実感が湧いてくる。


そんな懐かしさの中……初めに言おうと決めていた言葉を、私は口にする。



「……ただいま!」





〜おしまい〜




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