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第十章⑤『決意』
「今から私は、”彼”に会いに行く――。
私の"天命"を果たすために。
エア――君の幸福と笑顔を奪おうとした――”君を悲しませている者”を倒すために――」
エレツは、白百合のように優美な微笑みを浮かべたまま、深緑色の瞳に凛とした太陽を燃やしている。
滅び朽ちることを知らぬ花のように不敵に微笑むエレツの答えに、エアは驚愕で目を見開いた。
「――エレツ、まさか」
「何も恐れることはないよ。さあ、エア。これから私と共に向かおう。彼の王に支配された受難の都市、ザハブへ――」
エアとエレツは互いに手を取ると、自分達を守り抱きしめてくれた聖なる森の外へ踏み出した。
エレツは己が生まれてきた理由を――何よりも己自身の願いを全うするために。
そしてエアは、己の願いを賭して戦いへ赴くエレツを見届けるために。
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