帰宅だ
「この間はつっかかってしまってすまなかった!」
俺の目の前でゴリラ男は頭を下げている。
お礼参りかと思ったが違った。聖堂で俺達の正体を知り、謝罪をするためにずっと待っていたそうだ。
「これは俺一人でやらかした問題だ。部下達は関係ねぇ。ここは俺の首一つで許してくれねぇか?」
その言葉に後ろの子分っぽい部下達がざわざわし始める。
「いやいや、首とかいらないし本当に部下は関係ないよ。別に謝ってくれたならそれでいいから。なんで部下まで連れて来たの?」
俺はシンプルに疑問に思った。
「本当にすまねぇ。報復ってのは組織もろとも殲滅が基本だろ?だからこうやってこいつらには手を出さないで欲しいと連れてきた。むしがいい話かもしれないが、、、」
何その基本怖いんだけど。
ともかく、俺達はこの話はこれでおしまいにした。
この男も根っからの悪いやつではなかったようだ。
「俺はカンスケってんだ。ここらじゃそこそこ大きいチームの頭をやってる。許して貰ったお礼になるかは分からないが、困った時は行ってくれ。微力だが力になる」
そう言ってぞろぞろと帰っていた。
「根絶やしにしなくてよかったのですか?」
エクス、、、怖いよ、、、
俺達は集会所を抜け、その奥の解体所に向かった。
「おう!やっと来たか!解体と査定は終わってるぜ!」
バースさんが一枚の紙を見せてくれる。
「これが内訳だ。手数料を引いて、しめて金貨五千五百枚だ!大金持ちだな!」
そう言って目の前に大きな巾着袋がどんと置かれた。
持ってきたお金より多いんだけど、、、
「それと欲しいものがあったら買ってくれ。その紙に部位とか色々書いてあるから。」
特に食べられる所とかはなかったのでそのまま全て売却した。
「また来てくれよな!」
にこやかなバースさんに手を振られ解体所を後にした俺達だった。
やっと帰れるぞ!
そんなに長くはいなかったが俺は屋敷が恋しくなっていた。
カーンカーンカーン!
俺達が門まで辿り着くといきなり鐘のような音が鳴った。
「なんだ?」
「これは警報ですね。」
セバスが答えてくれる。
「警報?」
「はい。何かあったのでしょう。街中に響き渡る程の警報ということはそこそこ危険かと。」
冷静にしてる場合じゃないよね?
俺達は門番に事情を聞いてみた。
何やら近くにあるダンジョンがスタンピードを起こし、魔物が溢れてしまっているそうだ。
しかもその魔物の大群がこの街に向かっていると。
「大丈夫なの?」
「珍しいことじゃないからな。毎回被害は最小限に抑えている。ただ今回はちょっと魔物の数が多くてな。危ないから客人は裏の門から早急に逃げてくれ。」
俺は門から少し離れた所で考えた。
このまま帰るのは寝覚めが悪い。
「なぁ。エクス達なら被害出さずになんとか出来る?」
「もちろんです!主様の命令とあらば!」
「まだ魔物は近くまで来てないそうだから、ここにやってくるまでに処理したいんだけど出来ないかな?」
逃げろと言われたので、目立たず処理したい。
「ならば私にお任せ下さい。私の眷属ならダンジョンの魔物程度なら殲滅出来ましょう。」
ロストが名乗り出る。
それならば任せるとしよう。
俺達は裏門から出た。




