再び、そして約束
やって来たのは本物のサツキ達10人程だった。
この前は操られていたからだろうか、一度会っているはずのリューインと門番スケルトン達に驚いていた。
「この間はご迷惑をおかけして申し訳ありません。」
まず最初に謝罪。それから魔族の引渡しをして欲しいらしい。
「引渡した後どうするんだ?」
「今回の件は我が国でも重く扱われた故に、余罪がないか尋問の後処刑となる手筈です。」
処刑か、、、そりゃそうだよな。
けどあんまりそういうの好きじゃないんだよな。
「んー。今回はこっちにも多少の迷惑がかかったわけだし、処理は任せて欲しいんだが?」
死人が出たわけじゃないし、温情くらいはあっていいだろう。
「そうはいきません。あの魔族がこれ以上何もしないとは限りません。早くに芽を摘む必要があります。」
断固とした姿勢だ。
「ここから出さなければいいのだろう?」
黒神龍ことクロがぐるりと顔を出した。
「こっ黒神龍様!」
輝夜では龍を神と扱っており、その龍からの言葉は絶対だそうだ。
少しずるい気がするが、この際仕方ない。後味が悪いのは嫌だからな。
「黒神龍様がそう言うのであれば、、、国王様も納得せざるおえません。、、、分かりました。でもここを脱出し、また我が国に来た時には容赦はしませんからね!」
本当に呆気なく引き下がってくれたな。
「あの、、、黒神龍様、、、今一度我が国に来て頂くことを検討してもらえないでしょうか?我が国の守り神として君臨して下されば、安泰なのですが、、、」
「儂は二度は言わぬ。主殿から離れるつもりもお主の国で鎮座するつもりもない。そんなものは白神龍にでも任せておけ。」
前回も最後に頼み込んでいたのだが蹴られていた。
この世界で最上位龍として君臨するのは黒神龍と白神龍の二柱だけらしい。
クロは睡眠欲に負けてしまい、食事を取らずにいたせいで餓死したんだと。
けれど白神龍はこの世界のどこかで生きているそうだ。
その二柱を神として掲げている国ならクロに来て欲しいのは当然だろう。
「そうですか、、、黒神龍様がそう仰るのなら仕方がありません。」
しょんぼりとしている。
「なぁ、その、こんな時で申し訳ないんだが、輝夜って外に物を売っていたりしないか?そう、米とかさ?」
そう!和服の国!ということは米とかあるんじゃないか?!
「米はありますよ?しかし我が国は現在国交を断絶しています。ですので、物を売ったり等はしていませんね。」
がっくり、、、ダメかな?
「買いに行く時にクロも連れていくからさ!?流石にクロを渡す訳にはいかないけど!」
クロがぐりっとこちらを見てくるが、米が、、、!米が食いたいんだよ!!
「ふむ、、、そういうことであれば、、、分かりました。こちらをお渡ししておきましょう。」
そう言うと懐から木の札を出てきた。
「こちらがあれば我が国に客人として入ることが出来ます。条件は我が国に来た時に国王に謁見することと、黒神龍様と共に神殿に来てもらうこと。この二つを約束して頂ければ自由に来て頂いて構いません。」
え?俺もなんかあるの?でも初めての国!そして米!これは条件を呑まざる負えない!!!
「ところで勝手にこんな契約してもいいのか?」
「大丈夫です。我が国では黒神龍様と白神龍様は絶対ですから。」
ほほう。宗教ってすごいんだなぁ。




