第三十八話 突入
八尾久仁子の邸宅のソファに近藤は座っていた。八尾の執事達から簡単な手当を受け、前に屈み込むように座っている。あの後すぐに斎藤達が駆けつけて、倒れている近藤を発見したのだ。斎藤が声を掛けると意識を取り戻し大した怪我もしてなかったので、そのまま八尾の邸宅に連れてきたのだ。キイロノイズミと黄泉国保安局は、すぐに連れ去られた友井と土屋の行方を探したが、数時間後に近くの人気のない河原で土屋珠江の射殺体が発見された。近くには友井の持っていた小さな拳銃が落ちていたそうだ。そしてそのそばに何かを焼いたような真っ黒に焦げた後が広がっていたという。友井茜の行方は未だわかってないが、淤加美達の見解は状況から見て、友井は赤口の炎により焼かれて滅却となったのでは……との事だ。近藤は酷く落ち込み、何を言っても無言のままだった。ただ、赤口の言っていた禊の事だけは皆に伝えた。すぐに関係各所に情報が共有された。警察の懸命な捜査にも関わらず、伊坂凪の行方は未だにわかっていなかった。都内にある黄泉コーポレーションには警察による家宅捜査が行われたが、すでにもぬけの殻だったそうだ。捜査一課の永倉の読み通り、ダミー会社だったようだ。魔月妃達は禊の当日まで雲隠れするつもりなのだろう。禊が行われるのは来月の満月の夜……もうその日まで二週間を切っていた。
都内にある小さな雑居ビル。その地下一階にある開店前の小さなバーのテーブルに赤星一樹と歌野伊奈理が座っていた。すると店のドアが開き魔月妃と大和田夏海が入ってきた。それを見た赤星が立ち上がり、無言のまま店の奥へと入っていく。魔月妃達も後に続いた。店の奥は小さなバックヤードになっていて、簡易ベッドが置いてあり伊坂凪が寝かされていた。凪の体は薄っすらと光に包まれており、目を閉じていて意識はないようだ。
「……禊は二週間後の水曜日だ。間に合いそうか?」
と、魔月妃が赤星に静かに尋ねる。
「……伊邪那岐への神主化は無事成功した。反魂の儀を行わずに、呪力を少し与えたら伊邪那岐へと覚醒した。やはりポテンシャルは高いようだな……。後は禊を起こす為の大量の呪力の確保だ。今、片っ端から呪力を集めて与え続けているが、間に合うかどうか……」
と、赤星が凪を見ながら言うと
「……禊を起こしたら、この者はどうなる?」
最後にバックヤードに入ってきた歌野伊奈理が魔月妃に尋ねる。
「……消えてなくなるさ。この世界諸共な……」
魔月妃は凪を見ながら答えた。黙ったまま凪を見つめる伊奈理に
「……この世界が消えてなくなる事がアタシ達の目的でしょ?気にする事じゃなくない?」
と、夏海が言う。
「現在の戦力は?」
魔月妃が夏海に尋ねると
「赤口と奈緒恵が必死にかき集めてる。禊までにはなんとかなりそう」
夏海が答えた。魔月妃は踵を返すと赤星に
「伊邪那岐を必ず間に合わせろ……。それと万が一に備えて、ここの警備も強化しろ。酒木や須佐野は腕は立つが、言う事を聞かない。赤口や夏海や瑞波ばかりに負担が掛かって困る。必要なら水神會の連中を使え……」
と言うと、バックヤードから出ていった。夏海が魔月妃の後に続くと、伊奈理も軽い溜息をついてバックヤードから出ていった。部屋には赤星と意識のない凪だけになる。すると無表情だった赤星の顔がみるみると不気味な笑顔になった。
「……ははぁ……魔月妃のサトリを誤魔化す為には二重人格になるしかないとは言え、中々辛いものがあるよなぁ……。だが、あと少しだ……あと少し我慢すれば……」
赤星は不気味な笑顔で呟くと、またスゥーっと無表情に戻りバックヤードから出ていった。
八千代市にある八千代警察署。その中にある大きな会議室に、伊坂凪の誘拐事件特別捜査本部が設置されていた。中では沢山の刑事が動き回っている。
真ん中のデスクには警視庁捜査一課一係の沖田が座っていた。隣ではニ係の永倉がデスクの上に腰を掛けて立っている。
「……伊坂凪は海沿いの港浜市でバスに乗った……。だが行方がわからなくなったのは、ここ八千代市……なんでこんな所までバスで来たんだ?……それにバスがとある場所から防犯カメラに全く映ってない……ありえないぞ……?」
永倉が呟くように言うと、沖田は資料を見つめていたが無言のまま立ち上がる。そして二人は連れ立って部屋から出ていった。
「……それだけじゃない。バスの始発場所の近くで運転手の遺体が発見されてる。じゃあ、バスを運転してたのは一体誰だ?それに、一緒に乗ってた他の乗客は全員何も覚えてない……この事件、なんかおかしいぞ……?」
歩きながら永倉が続ける。沖田は黙ったまま歩いて階段を降りた。何事か考えているようだ。階段を降りると二階にある総合受付が見えてくる。すると警官と談笑している見覚えのある人物に目が止まった。ジャーナリストの菅野真道だ。菅野は仕事の情報集めの為、暇があると警察署などを回っていたのだ。沖田は菅野を見つけると、真っ直ぐ菅野の方へ歩きだす。菅野は近づいてくる沖田と永倉に気づいて、慌てて帰ろうとした。菅野も将吾のお陰でキイロノイズミの一員となった。警察とは微妙な情報のズレがあり、下手な事は喋れない。凪の事の情報は欲しいが、話す事は出来ない事が沢山あるのだ。菅野は以前から斎藤から色々と情報を仕入れていた。男社会の警察で、斎藤に情報を流して手柄を上げさせたのが菅野だったのだ。そんな菅野に恩義を感じて斎藤も、流せる範囲ギリギリの情報を菅野に流していたのだ。そんな斎藤から沖田や永倉の事も聞いていた。先日会った時に、斎藤と沖田が昔深い仲だった事も知った。『面倒事は高見の見物』それが菅野の持論なのだ。そそくさと帰ろうとする菅野に
「この前はどうも。菅野さんですよね?」
と、沖田がワザと大きな声で先制して逃がさないようにする。苦笑いで振り返る菅野に、永倉がすかさず反対側に回り込んで帰り道を塞いだ。警察の職務質問する時の定位置だ。一人が正面、もう一人は後ろや横に回り、怪しい素振りを見抜いたり逃げ道を塞ぐのだ。
「お仕事ですか?随分、熱心ですね?」
沖田が和かに話しかける。イケメンで真面目そうな沖田。こんな感じで言われれば、女性なら話したくない事まで話してしまうと言う。
「アンタもキイロノイズミなんだろ?なんか掴んでんのか?」
永倉が菅野の背後から問いかける。これも常套手段。一人が和やかに、もう一人がいきなり核心を突く。その動揺具合を見て、揺さぶりながら取り調べを優位に進めるのだ。
「何の事だ?貧乏B級ジャーナリストは、レアな情報が欲しいだけだよ……」
菅野がすっとぼける。警察はキイロノイズミの実態を知らない。ただの得体の知れない組織だと思っている。菅野のせいで知られてはいけない事が知られたら、淤加美や斎藤達に何を言われるかわかったモンじゃない……。早く逃げ出したいが、ガッチリ囲まれている。さて……どうした物か……。
「この事件、不可解な事が多くて……。何か知っているなら、教えて下さい」
沖田が和かに言うが、眼の奥は笑ってない。こちらの一挙手一投足を見逃さないつもりだろう。捜一のエリートは、やはり只者ではないな……。すると
「斎藤から言われた黄泉コーポレーションを調べていたんだが、一つ気になる店を見つけてな……」
と、永倉が言う。……路線変更か?今度は興味がありそうな情報をチラつかせて食いつくのを待つ作戦か?
「……へぇ。どんな?」
菅野があえて乗ってみる。興味があるのは事実だからだ。
「都内の雑居ビルにあるショボいバーなんだが、黄泉コーポレーション関連の男女が出入りしてると言う噂だ。黒いスーツ姿で赤い瞳をした不気味な奴らだそうだ。それと最近では水神會の構成員も見かけるらしい……」
永倉が続ける。あえて情報を流し更なる情報を得る。一か八かのわらしべ長者だ。それにしても、黒いスーツ姿で赤い瞳……間違いなく魔月妃側の神主の誰かだ。そいつらが出入りしている店と言うのは確かに怪しい。調べる価値はありそうだ。
「今日中に一係と二係の奴らでガサ入れしようかと思っててな……令状はもう取ってある」
と、永倉が言う。マズいぞ……危険すぎる。相手は神主。武装していたとしても、普通の人間には手に負えない。下手に踏み込めば大量の死傷者が出る。それにもし凪がいたとしても、場所を変えられてしまうだろう。だが、どうやって伝える?全てを説明せずに、危険だと言う事をわかってもらわないといけない。
「……キイロノイズミには伝えてあるのか?」
菅野が色々考えながら言うと
「キイロノイズミは信用出来ない。我々にちゃんとした情報を渡しているとは思えないんです。今回は我々警察だけでやります」
沖田が冷たく言い放つ。さっきまでの和かな感じとは真逆の応対だ。こっちが素か……?
「……危険すぎる」
菅野が思わず口走ってしまう。心の声が漏れ出た感じだ。
「なぜです?……我々は警察ですよ。それなりに武装はしていきます。それでも何か……?」
沖田が目を細めながら言う。すると沖田の背後から私服の刑事が
「……特殊部隊の配置がもうすぐ完了します。急いで現場に……」
と沖田と永倉に言いに来た。何?どう言う事だ?
「警視庁の特殊部隊が現場に着いたようだ。我々だってバカじゃない。相手がかなり危険な組織だと認識はしている。我々はこれから突入の陣頭指揮を取るので失礼します。アナタは何か知ってるようだ。申し訳ないが、しばらく署に居てもらいます……」
沖田は事務的な口調で言うと、伝えにきた刑事に耳打ちして踵を返した。耳打ちされた刑事が菅野の横にピッタリつく。なるほど……さっきの永倉の『一係とニ係のガサ入れ』と言うのはハッタリか……。本当は警視庁の特殊部隊を投入していた訳か……。永倉も沖田の後に続くが、一瞬足を止めた。
「……斎藤には借りがあってな……現場は目白区西崎町の帆影ビルだ……まぁ、本人に伝えられたらの話しだが……」
と、言って再度歩き始めた。菅野は一つ溜息をついた。なんとかキイロノイズミに関する事をはぐらかせたが……。チラリと隣を見ると、先程の刑事がしっかり横にいる。
「沖田さんから『突入が終わるまで目を離すな』と言われてます。こちらへどうぞ……」
刑事が菅野を促す。先程の耳打ちの内容はそれか……。なんとかしてすぐに斎藤や淤加美達に、バーの事と警察の突入の事を知らせないと……。だが、どうする……?菅野は刑事に連れられ、署内の個室に通された。事情聴取などを行う小さな個室だ。
「……ちょっと電話をしたいんだが?」
と、菅野が言うと
「申し訳ございません。突入が終わるまで、もうしばらくお待ちください」
と、刑事が言う。
「……電話もさせて貰えんとは……事件の容疑者でもないのに、この対応はありえねぇ。警察の横暴、人権侵害だ。訴えてもイイんだぞ?」
菅野が刑事に詰め寄ると
「突入が終われば訴えるなりなんなりどうぞ……」
と、刑事が毅然とした態度で言う。さすが捜一……部下もしっかり鍛えあげてある……。ちょっとやそっとじゃビビらねぇか……。電話は出来そうにない……メールも無理だ……だがこのままじゃあ……。菅野が必死に考えながらポケットに手を突っ込むと、ポケットの中で何かが手に当たった。これは……?禊が行われるかもしれない非常事態との事で、菅野にも一ノ瀬愛麻羅特製の無線機が渡されてたのだ。だが無闇に無線機に喋っても、誰も聞いてなかったら意味がない。確実に誰かが聞いていないと……。菅野は刑事に気づかれないように、無線機のスイッチを入れたり切ったりした。こうすると雑音が入り、ガガガガうるさいのだ。頼むから、誰か聞いていてくれ……。すると無線機から声が聞こえてきた。
「誰だ?無線機で遊んでるヤツは?うるさいから止めろ」
この声は……?黄泉国保安局の局長、神谷直人か?だが当然、その声は刑事にも聞こえている。
「……!……おい!何してる!」
刑事が菅野に詰め寄ろうとした瞬間、菅野はポケットから無線機を出して叫んだ。
「都内にある目白区西崎町の帆影ビルだ!そこに凪がいるかも知れねぇ!警察が今、突入しちま……」
最後は刑事に取り押さえられながらも、言いたい事はなんとか言えた。後は伝わったかどうか……。無線機のスイッチは切られ取り上げられてしまった。神谷からの応答は聞く事は出来ない。頼む……伝わっていてくれ……。菅野は心の中で祈りながら座り込んだ。
目白区西崎町の帆影ビルの周辺には、静かに特殊部隊の狙撃班が配置についていた。制圧班は少し離れた所の車内で待機している。突入命令が出れば車で目の前まで移動し、一気に雪崩れ込むのだ。それまで決して気取られてはならない。狙撃班も相手に気づかれないよう、細心の注意を払って密かに配置につき、周辺の住民も秘密裏に避難させたのだ。制圧班の乗る黒い大型の車両の近くに、沖田と永倉の乗る車が停まった。すぐに私服の刑事が近づいてくる。
「……数分前に、水神會と思われる連中が何人か入って行きました。中で武装してると思われます。どうします?」
私服の刑事が少しだけ開いた運転席の窓から、沖田と永倉に報告する。沖田は少し考えると
「……菅野のあの様子……きっとここには何かある……予定通り突入だ。伊坂凪の身柄の確保が最優先。発見次第、保護せよ」
と、指令を出した。特殊部隊を乗せた黒い大型車両が動きだし、ビルの前まで移動していった。ビルの前で車両の後部扉が開き、特殊部隊の隊員がゾロゾロ降りていく。そしてビルの中へと入っていった。
数秒後、銃撃音が何発も鳴り響く。雑居ビルが立ち並ぶ都内の街並みとは思えない。まるで戦場のように銃声が鳴り響いていく。
「……中の状況は?どうなってる?」
あまりに鳴り響く銃声に沖田が無線機に叫ぶ。
「……何名かやられました!くそっ!コイツっ!」
突入した部隊長からは、銃声まじりの怒号が返ってきた。沖田と永倉は顔を見合わせた。何だ?何が起こっている?永倉が慌てて車を発車させて、特殊部隊の黒い大型車両の後ろにつけた。二人は車から飛び出し、もう一台の黒い車両に乗り込む。特殊部隊の指揮班の車両だ。車両の中の壁にモニターがいくつも並んでいて、隊員一人一人が付けてるカメラの映像が見れるのだ。
「先頭の3名がやられました!今、なんとか建物から連れ出し、これから救急搬送します!」
指揮班長が沖田に報告する。
「一体、何があった?」
と、永倉が聞くが、壁のモニターからは
「うわあぁぁぁ!」
「どこを撃たれた?」
「退がれ!退避、退避!」
「ぐあぁ!」
と、特殊部隊員達の悲鳴や怒号が飛び交っている。
「すぐに退避させろ!」
沖田が叫ぶと指揮班長が部隊長に退避の指示をだした。
「……くそ。何がどうなってやがる……?相手は何人いるんだ?」
永倉がモニターの画面を見ながら呟くと
「……わかりません。いきなり銃撃されてるようです。まるでこちらの位置がわかっているかのように……」
と、指揮班長が答える。
「……くっ!とにかく全員退避だ!建物から出ろ!怪我人の救護も忘れるな!」
沖田は叫ぶと車から降りていった。
ビルの中では特殊部隊員達が撤退を余儀なくされていた。近藤のかつての部下の原田もその一人だった。
「……くそ!退がれ!退がれぇ!」
原田は叫びながら足を撃たれた同僚を引きずって後ろに下がる。相手が何人いるのかもわからない。ビルの中に突入した直後、突然銃撃されたのだ。しかも正確に、一人ずつ仕留められていく。まるで一人一人の位置を把握しているようだ。ビルの中は薄暗く狭くて入り組んでいる。正確な位置などわかるはずがないのに……。すると物陰からスーツ姿の男性が姿を現す。片手に拳銃、もう片方には無線機のような物を持っていた。
「……ククク。俺の力を使えば、アンタら丸見えなんだよ。悪りぃが全滅してもらうぜ……」
言いながら男が無線機を口元に持ってくる。
「……奥の部屋だ。二人いる」
男が無線機で誰かに伝えると、すぐに数発の銃声と誰かの呻き声が聞こえてきた。コイツ……どう言う訳か、コチラの位置がわかっているようだ。それを仲間に伝えているのか……?
「裏口にも二人。逃がすなよ、全員狩るぞ」
男が無線機に向かって言うと、また銃声が聞こえた。くそっ!このままでは本当に全滅してしまう……。原田は必死に仲間を引きずって後ろに下がる。すると原田達の背後から、誰かが原田達を追い越して前に立った。それはスーツ姿の男性で、両手をポケットに突っ込み立っている。
「……?……お、おい!アンタ……!」
原田が驚いて声を掛けると
「……黄泉国保安局だ。警察の特殊部隊は退がれ」
と、その男性がチラリと原田達を見て言う。そう。原田達の前に立ったのは、黄泉国保安局局長の神谷直人だった。
「……!……よ、黄泉……?なんだって……?」
原田が突然現れた神谷に向かって言う。
「黄泉国保安局だ。危ないから退がれ。巻き込まれても知らんぞ……」
神谷が原田達を見ながら言う。原田は慌てて、再度後ろに退がり始めた。
「……おいおい。せっかくの獲物を……」
無線機を持った男が呟く。すると神谷が男の方へ向き直った。
「この力……守神はおそらく住吉三神……能力は『サーチ』か?……周辺の敵の姿を可視化出来るってヤツだろう?……範囲はせいぜい数十メートルって所か……そして見つけた敵の位置を、周りの部下に無線機で教えているんだろ?」
神谷が周囲を見渡しながら分析すると
「……あぁ?なんだコイツ……だったらなんだ?テメェも隠れなくてイイのか?」
無線機を持った男がイラついた口調で言う。神谷の推測は的中しているようだ。
「必要ないな……。俺の力も似たようなモンだが、お前より更に上だ。見た所、水神會の幹部で『生きながらの神主』だな?どうせ前の幹部のように赤星から分け与えてもらった力だろ?」
神谷が冷静に分析すると
「……ちっ!」
と、男が舌打ちをした。男の名は住吉寛治。五島や井幡と同じく水神會の幹部だったのだ。五島と井幡が相次いで長期入院した為、住吉と内海と言う男が新たに幹部となったのだ。そしてまたも赤星が二人に近づいて、力を分け与えたのだった。
「……なんなんだよコイツ?……うぜぇヤロウだ……」
住吉は呟くと
「ターゲットは俺の前にいる……廊下から回り込んて背後から撃て」
と、部下に無線機で指示を出した。すぐに部下達が回り込んでくる。だが
「ぐぁ!」
「うあぁ!」
と、住吉の部下達の呻き声が聞こえた。
「……?……なんだぁ?」
住吉が怪訝な顔をすると、突然左手に持つ無線機が粉々に砕けた。真上から何かが当たって砕け散ったのだ。住吉が真上を見る。すると天井に小さな丸い穴が見えた。すると次の瞬間、天井から光が貫き住吉の右手に持つ拳銃に当たったのだ。拳銃は穴が空いて衝撃で地面に転がった。何が起こったのかわからず狼狽える住吉に
「俺の力……『天鳥船』だ。高度100キロ地点に浮かんでいる、超長距離型狙撃砲台。高高度から相手の位置を正確に把握し狙撃する。その精密射撃は正確無比でミリ単位で調整出来る……」
と、神谷が言う。次の瞬間、住吉の周りを光の線が何発も降り注ぐ。住吉の周りは焦げた煙が立ち込めていた。
「……文字通り、蜂の巣になりたいか?なりたくなければ、伊坂凪の居場所を教えて投降しろ……」
力なく座り込む住吉に、神谷が言ったのだった。
[登場人物紹介]
名前:住吉寛治
別名:住吉
年齢:40歳
守神:住吉三神
能力:相手の居場所を可視化できる
効果範囲は半径数十メートル程度
備考:関東水神會 新幹部
五島と井幡の代わりに幹部になった
赤星に唆されて力を与えてもらう
見返りに伊坂凪のいるバーの護衛を頼まれた
物語は最終章に入りますが仕事で多忙な為、申し訳ありませんがしばらく休載させて頂きます。




