第二十三話 有名人
タツは八千代駅の駅ビル前にいた。八千代駅は複数の沿線が走っている為、かなり大きな駅だ。平日の午前中だが、人はそれなりに沢山往来している。
月臣の事件からは一週間が経とうとしていた。今日はクッキーと双葉と将吾と一緒に、キイロノイズミの東京支部のビルへ行ってきたのだ。ちなみにだが、キイロノイズミの本部は京都にあるらしい。斎藤から月臣の事件の簡単な報告書を頼まれていて、それを提出しに行ってきたのだ。双葉はすっかり元気を取り戻して、いつもの感じに戻っていた。まだ心の傷が癒えた訳ではないだろう。『カラ元気でも元気』と言う事なのだろうか‥。
「‥月臣大牙の事件は、表向きはその後の進展はなさそうだ。被害者男性は猛獣に襲われ事故死と断定されたし、月臣自身も失踪者登録された。魔月妃の関与は間違いなさそうなのだが、月臣との接点が分からない‥。それに月臣の行動は、魔月妃達の思惑とは違うような気がする」
と、斎藤が言っていた。魔月妃達にも今の所、表立っての動きがないようだ。それはそれで不気味なのだが‥。たぶん、ほとぼりが冷めるまで、大人しくしているつもりなのだろう。淤加美の話しでは、月臣を神主にしたのは赤星と歌野の可能性が高いと言う。なんらかの形で月臣と接触したはずだ。
「……赤星って神人は自分の呪力を他人に与える事が出来るんでしょ?そして歌野は呪力を失った赤星に呪力を補給している……なら、歌野って人の呪力は誰が回復してるの?」
タツがもっともな事を口にする。すると淤加美が
「……伊奈理の力は『何かを代価に物を作り出す力』。今回は自分の顔を傷付ける事で呪力を生み出している……。だから伊奈理の呪力を分け与えている訳ではないの……」
と言っていた。なるほど……次々と神主を作り出せる訳だ。
「それに伊奈理が魔月妃の言いなりになっているのは、何か事情があるからだと思う……。きっと過去に何かあったんじゃないかな……?」
と、これまた淤加美の意見だ。淤加美と歌野伊奈理は、以前から親しかったようだ。淤加美いわく、誰よりも優しい性格だったと言う。一体、何があったのだろうか?だが何はともあれ、少しづつだが魔月妃陣営がハッキリしてきた。後は魔月妃達の目的がわかれば……。突然、バスの大きなクラクションが聞こえ、タツは考え事から我に帰った。斎藤に双葉と天音の書いた報告書を提出して、みんなで八千代駅に戻ってきた。この後、夜勤だった天音が仕事終わりに合流してくれるそうなので、みんなで陰陽神社に行く手はずだ。すると、クッキーと将吾がトイレに行くと言い出し、双葉もトイレに行ってしまった。なので、タツは一人で待っていたのだ。大勢の人々が目の前をひっきりなしに往来している。タツは通行の邪魔にならないよう壁際に立っていた。すると
「あの‥‥すいません」
と、突然声を掛けられた。
「‥あ、はい」
タツが驚いて見ると、キャップを深くかぶりメガネにマスクを付けた、上下とも白っぽいスウェットを着た髪の長い女性が立っていたのだ。どこか怪しげな服装だ。
「ちょっとお聞きしたいんですが、谷川総合医療センターってどのバスに乗れば行けますか?」
女性が少し警戒しているタツに聞いてくる。声からして若い女性のようだ。何を聞かれるのかと思えばよく知ってる場所だったので、タツは少し安心した。八千代駅はバスの路線も沢山走っていて、乗り場もバラバラだし経由地によって停まるバス停が変わったりするので複雑でわかりづらい。タツが女性にバス乗り場を教えていると
「‥ん?どした?」
クッキーと将吾と双葉が戻ってきた。
「あぁ‥医療センターへのバス乗り場がわからないみたいで、教えてたんです」
タツが答えると
「俺らも行くから、一緒に行けばイイじゃねぇか?」
と、クッキーが言う。
「いやぁ‥いくら行き先が一緒でも、見知らぬ人達と連れ立って行くのは、なんか嫌でしょ」
と、将吾が言うと
「‥そう言うもんか?」
と、クッキーが言った。クッキーはあまり気にしなくても、普通の人は気を使ってしまうだろう。すると、女性をジッと見つめていた双葉が
「‥ねぇ‥‥あの人さ‥‥雨宮優寿寧さんじゃない?」
と、小声で将吾に言う。将吾が驚いて
「‥え?‥‥あのアイドルの?」
と小声で言い、女性を見る。女性は双葉の声が聞こえたのか、チラッとコチラを見た気がする。そして
「‥あ、ありがとうございました‥」
とタツに言い、そそくさと行ってしまった。
「‥雨宮優寿寧って誰だ?」
クッキーが女性の後ろ姿を見ながら双葉に聞くと
「‥!‥知らないの?メチャメチャCMとかに出てるじゃん?」
双葉が、信じられないと言う顔をする。雨宮優寿寧は数年前に人気オーディション番組に出演していて、その時に結成されたダンスアイドルグループのメンバーなのだ。デビューシングルからバカ売れで、ライブもドームやアリーナが人で溢れかえるほどの人気だ。特に雨宮優寿寧はグループの中でも人気はダントツで、最近ではソロデビューも果たし、映画やドラマ、CMなどに引っ張りダコの超有名芸能人なのだ。
「でも、あんな有名人がバス移動するかな?普通はタクシーで移動しない?それに一人なのも変だよね‥マネージャーとかと一緒じゃないの?」
将吾が双葉に言うと
「‥うーん‥そっか‥人違いか‥」
と双葉が呟いた。するとタツが
「‥若そうな人なのに珍しいよね。今時、わからない事はスマホで調べればすぐわかるのに、わざわざ人に聞くなんて‥」
と言う。確かにそうだ‥。そんな事を言いながら歩いていると、クッキー達は谷川総合医療センター行きのバス乗り場に着いた。さっきの女性は見当たらない。時刻表を見ると2分前にバスが行ったばっかだ。きっと、そのバスで行ったのだろう。クッキー達は10分後に来るバスを待つ事にした。
谷川総合医療センターでは、天音が従業員ロッカーで着替えていた。昨日は当直で今日は夜勤明けなのだ。この後、クッキー達が病院まで来てくれるので、一緒に陰陽神社に向かう事になっている。本当は家に帰って早く寝たい所だが、最近仕事が忙しくて陰陽神社に行けていないのだ。時間がある時に、なるべく顔を出しておきたい。天音は着替え終わると、病院のロビーへ向かった。平日の昼間なので、ロビーは沢山の人が往来していた。
天音は人の隙間をすり抜けながら歩いていく。すると、キャップを深くかぶりメガネにマスクをした髪の長い女性が、ロビーの片隅でウロウロしているのが見えた。天音はふと立ち止まる。少し考えた後、天音はその女性に近寄った。
「どうかされましたか?」
天音はマスクの女性に声を掛けた。天音が声を掛けた理由は二つ。この病院の看護師として、困ってる人の力になりたい思いと、少しばかり不審な格好の人が本当に不審者ではないか確かめる為だ。
「‥え?‥‥あ‥」
マスクの女性は急に声を掛けられて、驚いてるようだ。
「あ‥アタシ、ここの看護師なんです。どうかしましたか?」
私服に着替えてしまっていた天音が再度尋ねると
「あ‥あの‥‥面会に来たんですけど‥‥どうすればイイのか、わからなくて‥」
と、マスクの女性が答える。
「面会でしたら、一般受付で受付をしてもらって、面会カードを貰ってください。ちなみに患者さんの病棟は?」
天音が説明すると、マスクの女性はポケットから紙を取り出した。
「え‥っと‥‥13病棟の407号室です」
女性が紙を見ながら言うと、天音が首を傾げる。
「‥?ここの病院の病棟はアルファベット表記なんですよね‥‥ちょっと見せてもらっても良いですか?」
天音が女性の持ってる紙を指差すと、女性が紙を差し出した。それは誰かからの手紙のようだった。小さな子供が書いたような字で書いてある。
「あ‥なるほど‥‥たぶん13じゃなくてBですね。間が開いちゃって13に見えたんじゃないかな?」
天音が紙を返しながら言うと、女性は少し恥ずかしそうに笑った。すると
「よぉ」
と、声をかけながらクッキー達が近づいてきた。病院に着いてロビーを歩いている時に、遠くで天音を見つけたのだ。
「あ‥‥」
タツが女性を見て声を上げる。そう。天音と話しをしていたのは、先ほどここへのバスの乗り方を教えた女性だったのだ。女性は無言で会釈する。クッキー達も会釈で返した。タツが天音に先ほどの経緯を説明する。
「‥そうなんだ。ここの患者さんに面会に来たんだって‥‥患者さんはご家族か何か?」
天音がタツに答えながら、マスクの女性に聞くと
「あ‥え‥‥っと‥」
女性は口籠る。天音が怪訝な顔をして
「あ‥‥ご友人かな?」
と、聞き直す。女性は答えずに黙ってしまった。
「‥まぁ、色々と事情があるんじゃねぇか?受付まで案内して事情を聞いたらどうだ?」
と、クッキーが言う。双葉が言った、もしかすると有名人かもしれない、と言う言葉が引っ掛かったのだろう。
「そうね‥」
天音もマスクの女性が黙って俯いてしまったので、受付まで連れて行く事にしたようだ。受付近くには警備員もいる。何か面倒な事態なら、任せてしまう事も出来るからだ。天音の案内で受付近くまで移動すると、マスクの女性を近くのベンチに座らせた。
「患者さんとの関係については、受付で聞かれると思うから‥」
天音が言うと、女性はポケットから紙を取り出し、無言で天音に差し出した。先ほどの手紙だ。天音が受け取り手紙を読む。内容は、この病院に入院している子供の患者が、マスクの女性に宛てて手紙を出したようだ。宛名を見た天音が
「あ‥め‥み‥やゆずね?‥‥え?」
と、言って驚いた。女性がメガネを外して、少しだけマスクをずらす。女性は双葉が思った通り、アイドルの雨宮優寿寧だったのだ。
「ほら、やっぱり‥」
双葉が呟くと
「‥え?‥‥えぇ?」
タツと将吾が同時に驚いた。無表情で無反応なのは、クッキーだけだ。腕組みをして仁王立ちだ。
「ど、どうして‥?」
天音が驚きながら言うと
「‥手紙の子‥‥佐保莉ちゃんって言って、まだ私がデビューする前のオーディション番組に出てた頃から、ファンレターをくれてた子なんです‥」
と、雨宮優寿寧が話しだした。雨宮の話しでは、佐保莉ちゃんは六歳の女の子で、重い病気の為入院生活が長いと言う。そんな時にオーディション番組で、雨宮の事を知ってファンになったのだそうだ。それから病床から雨宮にファンレターを送るようになったらしい。今時、紙のファンレターが逆に新鮮で、雨宮はとても嬉しかったと言う。そんな時に、佐保莉ちゃんが移植手術を受ける事が決まったそうだ。なんでも大変な手術らしく、佐保莉ちゃんも怖がっているという。雨宮はなんとか佐保莉ちゃんを勇気づけたく、直接会いに行く事をマネージャーに相談したが、忙しくて無理だと言われてしまったらしい。たしかに雨宮のスケジュールは、休みなくビッシリと埋まっていたのだ。雨宮は諦めきれずにいたのだが、手術当日の今日になってしまったという。すると今日の昼間に入っていたCMの撮影が、急遽後日に延期になってしまったのだ。雨宮は夜に入っているテレビ番組の収録まで、ポッカリとスケジュールに空きが出来てしまった。これ幸いとテレビ局の楽屋でマネージャーに相談するも、マネージャーはあまり良い顔をせず、ファン一人にそこまでしていたらキリがない、と言われてしまったのだ。確かにそうかも知れないが‥。納得のいかない雨宮は、マネージャーが打ち合わせに行っているスキに楽屋を抜け出したのだという。財布はマネージャーに預けていた為、小銭入れと普段から持参してる変装用の伊達メガネとキャップとマスクを付け、急いで抜け出したのだ。慌てていた為、スマホを忘れてしまったらしい。小銭入れには二千円しか入っておらず、仕方なくタクシーを諦め電車で八千代市まで来たのだ。幸い佐保莉ちゃんが入院している谷川総合医療センターへは、事前に調べてあったので最寄りの駅まではわかっていた。だが、バスの乗り方がわからない。スマホで調べようにも、忘れてしまった。途方に暮れていた所に、タツが目についたらしい。優しそうで気が弱そうに見えたので、安心して声を掛けれると思ったのだそうだ。
「やっぱり、こんな事しなきゃ良かったのかな‥?」
雨宮が小声で呟くと
「そんな事ない!あなたのその行動が、佐保莉ちゃんにとってどれだけ嬉しい事か!」
天音が力強く言う。看護師をしてる天音は、沢山の患者さんの色々な苦悩を見てきたのだ。佐保莉ちゃんのように、小さな頃から入院生活が長い子が、雨宮のような華やかなアイドルに憧れても可笑しくはない。会えばとんでもなく喜ぶのは間違いないし、今後の大きな心の支えになる。それに雨宮のような超有名人が、会いに来てくれるなんて滅多にない事だ。どうにか会わせてあげたい‥。
「アタシ、ちょっと聞いてくる」
天音はそう言うと受付に向かった。佐保莉ちゃんの手術の事などを聞きにいってくれたようだ。ひょっとすると、もうすでに手術が始まっているかもしれない。佐保莉ちゃんには会いたい。だが、芸能人の雨宮優寿寧がここにいる事は知られたくない。周りの人達が雨宮に気付けば、大騒ぎになりかねないからだ。なかなか難しいミッションだ。すると、将吾が周りが少しざわつき始めたのに気づく。
「‥マズいですよ。気付かれてます」
将吾が小声で言うと、雨宮が無言で立ち上がる。
「‥こういう時は移動しないと‥‥ジッとしてると囲まれて身動き取れなくなる‥」
雨宮は呟きながら、足早に歩き始めた。クッキー達も慌てて後に続く。天音は受付に行ったままだ。
「‥前に同じグループの子が、家電量販店で見つかった事があって‥‥あっと言う間にファンの子達に囲まれて、一時間以上身動き取れなくなったんだって‥」
雨宮が早歩きしながら言う。見つけた人がSNSに投稿すると、あっという間に拡散されて、それを見た近くにいた人達が集まってくると言う。一人一人にサインや写真や握手などをしていたら、時間はかかるだろう。それが次々と増殖していくのだ。終わりの見えないファンサービスになってしまう。かと言って邪険に扱えば、ネットやSNSで何を言われるかわかったもんじゃない。そもそも、ファンに感謝をしてない訳ではないのだ。だが、プライベートの時のファンサービスには限界があるのも事実だ。タツが歩きながら後ろを振り向くと、何人かの集団が追いかけてきていた。その集団を見て、周りの人々が何事かとキョロキョロと周りを見渡す。集団の何人かが「雨宮優寿寧じゃない?」と呟いているのを他の人が聞いて、伝言ゲームのように瞬く間に広がっていくのだ。確信した人からは悲鳴のような歓声も上がり、どんどん人が集まってきた。
「‥どんどん増えてくぞ‥‥まるでゾンビだな」
クッキーも後ろを振り返り呟く。
「‥手がつけられなくなってきましたね‥別れて後で合流しましょう。僕と将吾君と双葉さんとで行きます。クッキーさんは雨宮さんと行ってください。必要あれば、時量師神の力を‥」
タツが提案すると
「……神主の力を使うのか?」
クッキーが驚いて聞き返す。タツは頷いた。もちろん、時量師神の力を使うのは不本意だ。それに淤加美やキイロノイズミからは、緊急の時以外の神主の力の使用を禁じられている。緊急……今の状況がその言葉に当てはまるかは別として、なんとか雨宮と佐保莉ちゃんを会わせてあげたいものだ。タツと将吾と双葉は広がってワザとゆっくり歩き、後ろからの集団の進行の邪魔をする。その隙にクッキーと雨宮は走り出した。ほんの僅かだが、時間稼ぎは出来た。クッキーと雨宮はトイレの方へ走る。
「トイレに篭ったら、それこそ出られなくなる!」
雨宮が叫ぶが
「いいから、大丈夫だ」
クッキーが冷静に言う。クッキーにしてみれば、人目につかなくて防犯カメラのない場所へ移動したいのだ。そしてトイレの通路に入った瞬間、クッキーが周りを見渡す。誰もいないのと死角になってるのを確認すると、雨宮の肩を掴み時間軸を変えた。
「‥!‥何?」
急に肩を掴まれた雨宮が驚いて声を上げる。
「戻るぞ‥‥天音と合流だ」
クッキーはトイレの通路からまたロビーへと戻る。時間軸が変わっている間に素早くロビーを横断し、トイレとは反対の壁際付近まで移動する。
「な、何これ?」
ロビーを歩いていた人達が、止まっているように見える。雨宮が驚きの声を上げた。クッキーが雨宮に触れながら時間軸を変えたので、雨宮の時間軸も変わったのだ。沢山の人々が止まっているかのような静寂の中、クッキーは雨宮の手を掴んで反対側の壁付近に到着した。そして時間軸が元に戻ると、追いかけてきた集団がトイレの通路に殺到した。クッキーと雨宮はトイレとは反対側にいるので、気付かれていない。二人は素早く、元来た方へ戻り始めた。だが、何事かまだわかっていない人達が、ロビーでざわついている。『有名な人がいるようだ』としか認識していない人達がキョロキョロと辺りを見渡しているのだ。これではまたすぐに見つかってしまう‥。クッキーは急いで非常階段の扉を開けると、中へ素早く入り込む。雨宮も後に続いた。こう言う時は躊躇しない方がいい。病院関係者に見つかれば、怒られるかもしれない。だが無数にいる人の目は、こういう時は恐ろしい力を発揮するものだ。モタモタしていたら必ず見つかる。
「‥全く‥‥なかなか厄介なもんだな‥」
クッキーが独り言のように呟く。雨宮のような有名人は、常日頃から人目を気にしなくてはならない。自由気ままに生きてきたクッキーには、考えられない世界だ。
「‥さっき時間が止まっているような感じになってたのって‥」
雨宮が時間軸の事を聞いてくるが
「‥あぁ、あんま気にすんな」
クッキーが適当に流す。無理だと思うが、あまり触れて欲しくない所なのだ。雨宮の話しでは、佐保莉ちゃんの病室はB病棟の407号。B病棟はクッキーと酒木が戦った病棟だ。あそこの四階だろう。天音がこの病院にいるのもあるが、こんなバカでかい病院でも、なんとなく場所がわかるようになってしまった。ならこの非常階段で四階まで行ってから、B病棟に移動した方が良いだろう。移動しようとしたクッキーが階段の方に振り向くと、いつの間にか目の前に黒い物体が現れていた。
「‥!‥」
クッキーと雨宮は驚いて固まる。その物体は人の形をしていて、真っ黒でユラユラと炎のように揺らめいている。何か嫌な予感がする‥。クッキーがそう思った瞬間
『アメミヤユズネェェェェ!』
と叫びながら、黒い物体が両手を振り上げ雨宮に飛びかかったのだった。
[登場人物紹介]
名前:酒木荊羅
別名:酒木
年齢:享年28歳
守神:酒呑童子
能力:酒呑童子の力を宿し破壊的な力を得る事が出来る
配下の茨木童子を自在に使える
備考:半グレのチンピラ
薬物使用でスピード超過し交通事故を起こして他界
名前:須佐野猛雄
別名:須佐野
年齢:享年31歳
守神:須佐之男命
能力:須佐之男命の力を宿し驚異的な力を得る事が出来る
十拳剣を使った多彩な剣撃
備考:七人を殺害した連続殺人鬼
死刑判決が下され服役していたが刑が執行された
八岐大蛇が持つ草薙の剣を欲しがっている




