銃があれば憂いなし
銃があれば憂いなし
意:作者が考えた熟語、この世のことはだいたい銃で解決出来る。
四則演算から家族の問題まで全てが解決可能。
(ただし命の保証はされないものとする)
なんてことは無い日常、いつもの街並み、人は行き交い、車は忙しなく動き続ける。
「今日もこの国は平和そのものだな」
ここはアメリカのとある街である、今回の話の主人公となるべくした、この人物の名はマリオンである。
マリオンは銃器技師、いわゆるガンスミスを目指して学校を卒業後、師匠の元で修行の身である。
「この超優等生かつ天才児だった私をお使いに出すとは……まぁ師匠の頼みならしょーがないけどなぁ」
マリオンは元々武器商人の子供で、本人も銃の扱いに長けており親の影響か小さな頃から銃を分解したり組み立てたり、時には撃つことだってあった。
そんなこんなで小さい頃から銃に触れ合ってきたマリオンにとって、学校の試験は当然のことばかりで、またそれまでに蓄えてきた知識とカンで見事優等生と成り果てたのだった。
そしてマリオンは今、自身より更に長年の経験を持つ師匠の元で弟子として務めており。
現在は彼のお使いの為に街へと繰り出して、帰るところだった。
(今日は近道通ろうかなっと、ジャパンの友人から送られた小説、ラノベが楽しみだ……この路地に入ってと……しかしなんで大通りから路地に入るなのに、路地から大通りには出るなんだろ。まぁいいか、さてと大通りに入りますかね)
そうして何気なくくるっと周りながら大通りに入るとそこは深い深い森の中だった。
「……へ?」
幾分かの焦りの後、ようやく落ち着きを取り戻して自分に何が起きたかを改めて口に出す。
「うーん……歩いてたら森に出た。か、はっきり言って意味がわからないな……とにかく休めそうな場所を探そう」
そう言って数十分後、マリオンの前には休めそうな拓けた場所と3匹の野犬がいた。
(ど、どうしよう。1匹ならまだしも3匹なんて、逃げるしかない!)
こっそりと逃げようと後ろを向いて下がっていった、のだがその時小さな風が吹いた。
運悪くマリオンは風上にいたために野犬たちの元に匂いが届く。
(あ、やばいかも……)
そっと後ろを振り向くと野犬と目が合ってしまった。
その瞬間に犬達がバウバウと叫びながらマリオンに飛びかからんと走り出す。
「うわあぁぁぁぁああ!!!」
マリオンは脇目も振らずに草木をかき分けながら必死で走って逃げた。
しかし、次第にその距離は縮まって来てしまう。
(うぅぅぅう、どうするどうする!?ん?……これ水の音だよね。そっちに逃げれば人がいるかも。いないにしても泳げば逃げるのも戦うのも……行くしかない!)
こうして水の音のする方へと必死に走っていった。
その音は次第に大きくなってきてもう目の前、数メートルの所にまで迫ってきているのが分かる。
しかし、後ろから迫る犬達の声も大きくなってきているのが分かる。
薮を抜けて視界が光に包まれた瞬間に1匹の野犬が肩に噛み付いてきた。
「ちくしょぉぉおおお!!!」
そう叫ぶと川があると思われる場所に勢いよく飛び込んだ……と言うよりは勢い余って飛び出してしまった。
飛び込んだその場所は切り立った崖で、下の方では大きな川がごうごうと流れていた。
死━━━━━━━━
「き、きゃぁぁああああ!!!」
マリオンは肩に犬を連れた、と言うよりマリオン諸共崖下に落下していくのだった。
気がつくと川の浅い場所まで流されていたようで川辺に打ち上げられていた。
何時間浸かっていたか分からないが早く出ないと低体温症とやらになってしまうだろうと思い、重い身体を引きずって、正確には這うようにして近くの木に寄りかかって座ると、身体の状態を確認する。
(あーこれ、足にヒビ入ってるかも。少し熱もってる。と言うか少しずつ痛みが出てきたな。アドレナリンもうちょい頑張ってくれ)
その時だった、後ろで音がしたような気がしてふっと振り向くが誰もいない。
安心して前を見ると、目の前には先程まで流されていた川からボロボロになった野犬が出てきた。当然あちらはこちらの存在に気がついている。
相手はゆっくりとこちらに近づいてくる、マリオンも覚悟を決めてその場にあった片手で持てるほどの石を拾う。
野犬が吠えながらマリオンに突っ込んでくる、マリオンはタイミングを合わせて野犬の頭に振り下ろす。
最後にキャインと小さく鳴いてマリオンの上にのしかかってくる。
「うっ、重っ……」
犬を押しのけると喜びの声を上げて思わず手に持っていた石を遠くの方へ投げ捨てる。
「うぉぉぉおっしゃーー!生きてるぞー!」
思わず両手をあげて喜ぼうとした瞬間に突然犬が起き上がり、狂ったように吠えながらマリオンに噛み付こうとしてくる。
マリオンはギリギリで手を交差して野犬の首を抑える。爪が身体にくい込んで来るがそれどころではない。
(あ、もう無理……)
そう諦めかけた途端、犬の頭に木の棒が振り下ろされた。
犬は動かなくなったがそれでもなお頭に木の棒が振り下ろされ続ける。
「えい!えい!あなた、早くそこからどきなさい!」
「は、はい!」
そう叫ばれてすぐに犬の下から這いずりでて、犬の方を見ると棍棒を振り下ろしていた人物によって首の部分を棒で串刺しにする場面だった。
「はぁ〜……」
安堵から漏れるため息とともにへたりこんだその人物は、歳からくる銀の髪を持つ女性の老人だった。
「あなた怪我してるじゃない。すぐそこに私の家があるから来なさい。そこで治療しましょう」
「は、はい!!」
そう言われて始めて目の前に家が、どうして気が付かなかったと言えるほどの距離にあった。
見ず知らずの老人はマリオンを家にあげると有無を言わさずベッドに腰掛けるように言ってそのまま治療を始める。
「あ、あの。私を何故……」
「困ってたら助ける。むしろ助けるのが遅くなってごめんよ。この歳だから命は惜しくはないが身体が思うように動かなくてね」
「いえ!そんな事は無いです。むしろ私は命を助けられたんですから貴方には返しても返しきれない恩があります。それどころか今もこうして治療してくださって……本当に、本当にありがとうございます。それに命は惜しくないなんて言わないでください」
「ふふっおかしな子だね。そう言って貰えるとこの老いぼれも生きる意味が見いだせるよ。そうそうあたしの名前はリリーだよ。一人暮らしの魔法使いさ」
リリーはニッコリと微笑んで自己紹介をする。
(い、今魔法使いって言ったよね?聞き間違いか?まさか、そんなわけない……よな?って挨拶しなきゃ)
「私はマリオンです、この度は助けて頂いてありがとうございます」
なんとか挨拶は返したが、魔法使いという言葉にマリオンは驚愕していた。なんと言っても魔法使いと言ったのだ。驚かない方がおかしい。
そんな疑問と焦りに気が付かずリリーは続ける。
「さぁ、治療を進めちゃうわよ」
マリオンはそのままリリーの治療を黙って受けた。
手に小さな光がともってそこから傷が癒えていく、いわゆる治癒魔法が見れるかと思ったがそんな事はなく包帯と傷薬のようなもので次々と治療が終わっていく。
遂にマリオンは魔法見たさに口を出してしまう。
「あ、あの。魔法使いって言いましたよね?魔法とかって使わないんですか?」
「おや?あんた魔法を知らない?という事はゲーギスってやつかね。今その質問はちょっと待っておくれ。地球、という言葉に覚えは?」
「あ、あります」
「おやおや、やっぱりそうかい。来てそうそう大変な目にあったねぇ。そうそうそれから魔法がみたいと言ってたわね」
するとリリーはしょうがないわね。と言った顔でマリオンの足元に手をかざす。
「正直、治癒魔法を緊急時以外は使うのは良くないんだけど……今回だけよ」
「やったー!みせてくれるの!?」
「えぇ、“傷を癒したまえ”」
そう言うと足にあった痛みが徐々に引いていく。
「あれ?痛みが引いてく?なんかもっとこう白い光的なものが出るかと思ってたけど呆気ないんだね」
「そうね。出ない事は無いけどそれは魔力に無駄がある証拠よ。普通の魔法使いなら白い光なんて出ないわよ」
「へぇ〜なんかちょっとガッカリだな。ちなみに魔法以外にも何かあるの?」
「んー……あ、そうだわ。ちょっと待ってね」
そう言って小さな紙のようなものを持ってきた。
「これに手を置いてみなさいな。魔力操作の練習にもなるから丁度いいわ。これに手をかざすとあなたのステータスが見れるから」
恐る恐る手をかざしてみると手から身体の中の何かが引っ張り出されているような感覚におそわれる。
すると驚く事に紙に次々と文字が浮かび上がってくる。
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名前:マリオン
年齢:19
種族:人間
Lv1
体力 :10/10
魔力 :7/7
攻撃力 :13/13
防御力 :15/15
魔防御 :7/7
魔防御 :6/6
回避力 :14/14
パッシブスキル:
アクティブスキル:
『錬金術師』
称号:
来訪者
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「私は錬金術師みたいだ。何が出来んの?」
「あら、凄いじゃない!そのスキルがあれば鉱物がいじり放題よ!剣や鎧が思いのままに作れるわ。早速試してみましょうか」
そう言うとすぐに大きめの石のようなものをベッドの傍に持ってくる。
「はい、鉄鉱石よ。今は安静にしてないといけないし、素材はいっぱいあるから練習がてら、じゃんじゃん鉄にして武器を作っちゃいましょう。傷が治ったらすぐに出るわよ」
「えぇ!わ、分かりました……。って出るってどこへですか!?」
「ヨハネ聖国を超えてゲーギスの国、ヒノモトの首都アスカに向かうのよ」
「げ、ゲーギスの国ってなんですか!?そもそもなんでそんな場所に行かなくては?」
混乱するマリオンにリリーは丁寧に順序よく説明を始めた。
まず転移者は全てゲーギスと呼ばれる事、ゲーギスの国には多くのゲーギスが住んでいるということ、そこで身分の保証をしてもらえること、更にそこでこの世界の多くの知識を身につけられることを話した。
(じゃあ、さっさと学校卒業して立派なハンターにならないとな……)
「年甲斐もなくはしゃいじゃったわ。ごめんなさい、いきなりのことですものね……」
その話を聞いて黙ってしまったマリオンを心配してリリーが声をかける。
そしてその言葉でマリオンは決心がついた。
「リリー、私やるよ。早くアスカの学校に行って立派なハンターになるよ。だからお願い、それまで私を助けて欲しいの」
「……そう、わかったわ。魔法使いの名にかけてあなたを無事に送り届けるわ。さぁ、練習をしましょう。あなたのそのスキルは使えば使うほどに強くなる。外に出ても死なない程度にはしなくっちゃね!」
「うん。よろしくお願いします」
こうしてマリオンとリリーは来たるべく日に備えるのだった。
眠くてねむくてなんにも思いつきません。
皆さん夜は早く寝ましょう。
今回もお読み頂きありがとうございます。
宜しければ次回もお読みください。




