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楽して勝って笑いましょう  作者: 未出舞
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三界無安

今回の四字熟語は三界無安(さんがいむあん)意味は世の中生きてくの辛くて心が休まらない、と言う意味です。

「貴様ァ!折角の我が登場シーンを!かっこよくしとったのに!」


「おい、今のなんだ?あれは要らないからって排除した機構だったはずだが?魔力無駄に消費したんですけど?」


 事の始まりは演習地にハルマを呼んだことが原因だ。呼び出す際に無駄な演出をハルマが勝手に行ったせいで、こっちの数少ない魔力を奪われてしまった。

 アレックス達は何が何だか分からないと言った表情でこちらを見ている。

 仕方なく皆の方に向き直り説明を始める。


「あーえっとね。こいつは色々あって僕のペットになった竜で名前はハルマって言うんだ。ハルマ、試しに姿を戻してみてよ」


「ペットのくだりは気に入らんが良いだろう、我が姿に畏怖せよ、人間!」


 そう言ってメキメキいいながら身体が大きくなる、事情を知らないとゾンビ物の敵みたいだ。

 そうしてハルマはみるみると形を変えて、全長6メートル程の姿を見せる。

 流石にこれにはアレックス達も驚いていて、ルドルフに至っては尻餅をついてしまっていた。そんなにビビる相手ではないと思うんだが……。


「ど、ドラゴン!本当にドラゴンなのか!?」「な!エラ!本当に大丈夫なのか!?」「ひっ!た、助けてぇ!」「…………」


 あ、ルドルフ気絶してません?そんな事を思いながら阿鼻叫喚と化した現場を落ち着ける。


「ハルマ、元に戻って!ほら大丈夫ただのお姉さんになったから大丈夫!」


 数分後にはパーティーは落ち着きを取り戻した。流石にいきなり竜の姿を見せるのはやり過ぎだったろうか?


「えっと皆大丈夫?」


 ルドルフも意識を取り戻して、他の皆もこくこくと頷く。


「という訳で今回の秘密兵器はハルマって訳なんだよね。えっと何か質問ある?」


 という訳で質問タイムが始まった。まず、ラインからハルマとの出会いについて聞かれた。


「ハルマとはどうやって出会ったのだ?」


「んー倒して、仲間にした?」


「まぁ、そうだの。我は倒されてこやつのペットになったのだよ。悔しいが」


「……なんで疑問が増えるんだ?」


 次にルドルフから来た質問がどうやって呼び出したかだ。


「個人的にあの魔法陣は何なのかな?」


「ただの呼び寄せ、転移魔法の応用だよ。ピカピカしたりしたのはハルマ(こいつ)が勝手にやったの」


「かっこよく出来ただろう?特に光量の調節が難しくての強すぎれば眩しくて見えないし、かと言って弱くするとしょぼいし……」


 と、くっそどうでもいいことを語り始めたので、放置して次に進んだ。

 今後の方針についてだが、戦力(ハルマ)がいるので火力は問題ないだろう。あとは何を狩るかだが、ちゃんとポイントのリストは最初に配られたので手元にある。

 モンスター以外にも採集物や森林内に中継地点があるのだがそこの点検、と言ったもののポイントが載っているがこれは収集や警備ミッションの人の為のものらしい。全く何でこんなものがと思ったが理由はすぐに分かった。

 結論から言うに他のチームを蹴落とすためだろう、モンスターや植物、収集物が取れる物や場所は決まっている。

 そこを狙って他のチームを襲うことが出来る、自分より上のランクのクラスの人にも勝てるかもしれないのだ。なぜなら死亡以外の闇討ち、賄賂、罠、集団戦、なんでもありだからだ。

 当然その中には奇襲も含まれている、今後の生活を考えるとやる人はほとんど居ないそうだが、それでもやる人が居ない訳では無い。特に森は死角が多く罠を張りやすいので、奇襲にはうってつけだろう。


「本当にこういうの作る人は性格が悪いな。ま、それならでかいの狙いに行くので、良かったな。奇襲するためだけにそんなにでかいリスク負う奴もいないだろう。さてじゃあ、こいつを狙おうと思ってるがどうだ?」


 そこでゆうきが指さしたのは巨大なムカデ型のモンスターだった。

 選んだ理由はハルマとほとんど大きさが変わらないのと、昆虫系のモンスターは頭が悪いイメージがあったのとこいつ1体で達成に必要なポイントの4分の3が貯まるからだ。

 その横のオーガみたいなやつは流石に手を出すつもりは無かった。あのハルマでさえ。


「げっ!こいつは群れを作るからめんどうだ!我はやらんぞ!」


 と、本気で言っていたのを見て流石に手を出す気にはなれなかった。

 とにかく全員の了解を得たので、当面の目標はこの大百足退治に必要な情報収集になるだろう。

 そうして場面は前話の冒頭部分へと戻る。

 とまぁ、戻ってもあれ以外にも特段何も起きなかったので割愛させてもらう。




 2日目の朝、2人1組になって百足探し兼食料調達に向かう。

 念の為ベースキャンプにはハルマとユリに残って貰う。

 ゆうきはラインとペアを組んで森の探索に当たっていた。

 情報収集の為に周辺のマップを作る事になっていたのだが、アレックスとゆうきは地図作りのノウハウがなく、またゆうきとアレックスは両方ともAクラスで戦闘力が高いので、必然的にこのペア組となった。アレックスは心の中で泣いていた。


「ライン、百足が好みそうなポイントに来たよ。どう?いるかな?」


「今探してる……!1つ大きな反応がある!これがそうかもしれない」


 案外簡単に見つかったようだ、ラインに導かれて感知した周辺に木陰に隠れながら近づく。

 するとそこには百足がいた、瀕死で。


「…………ねぇ、百足の討伐の証拠って牙だったよね?」


「まさか!アレを剥ぎ取るのか!?罠かもしれんぞ?」


「まぁ、そうだけど。だったらすぐに逃げれば良くない?戦わずとも逃げればいい。なんだったら僕が取ってくるよ」


「……確かにここで討伐の証拠の牙が取れれば僥倖だが……」


 そう、ラインも迷っているのだった。大きな見返りはあるが、それでもそのリスクは計り知れないものだった。

 しかし、その時のゆうきは自信に満ちていた。

 なにせ挑まれた全ての勝負を勝ち越し、時には3対1でも勝てたのだ。鼻高々になるのも無理はない。


「安心しなよ!いざって時は僕が守ってあげるよ!」


 流石にラインもその誘惑に抗えなかったのか、それともゆうきの説得に折れたのか、了承の意を示す。


「む、男としては情けないな。分かった、私は陰から監視している。それと私の事は気にせんでいい、だから危険があったら即座に合図するから逃げてくれ」


 ゆうきはこくりと頷くと静かに百足へと近づく、緊張が高まるが落ち着いて警戒しながら百足に近づく。

 百足の側に来ると、牙に手をかけて剥ぎ取り用のナイフをポケットから出す。大きさが明らかにおかしいがポケットは異次元に繋がっているので問題ない。

 ゆうきは牙の根元に歯を突き立てて学校で習った通りに切り取りをはじめる。

 ゆうきにはやけに長い時間に感じた、額に汗が吹き出るのが分かったが気にしている暇はない、そして遂に牙が根元から抜け、同時に安心から気が抜ける。

 ラインも良かった。という風な顔をしてこちらを見ていたので敵も来ていないようだ。

 無事ラインの元へと戻ると牙を渡して笑顔で答える。


「さぁ、帰ろうか」

 

 そういった瞬間に遠くからバキバキと音が聞こえる、と同時にラインが叫ぶ。


「やばいぞ!数も大きさも尋常じゃないぞ!逃げろ!」


 2人は素早く駆け出す。

 走り出すとステータスの差のせいでか、ラインがこちらのペースに合わせて走る、しかしこのままでは追いつかれてしまう。


(仕方ない、死亡フラグを建てるか。まぁ私は美人だし助かると信じてだがね。あぁ、ダルいな)


 そうして走りながらラインに呼びかける。


「このままでは追いつかれる、先に行って助けを呼んでくれ!頼んだぞ!」


「……分かった」


「ちょっとは迷ってよ、じゃあ頼んだよ!」


 そう言うとゆうきは一気に方向転換すると、銃とナイフを構えて覚悟を決める。


「ははっ!来いよ誰か知らねぇけど!」


 しかし、数分経っても現れない。バキバキいってるのは聞こえるから、要するに完全にタイミングを外した。恥ずかしい思いをしたゆうきは全ての怒りを相手に向ける。

 音もいよいよ近くなりとうとう相手が目の前に出てくる。


「野郎!ぶっ殺し…て……や………る…………」


 藪から出てきた相手に言葉を失ってしまったのだが、その相手とはハルマも嫌う、オーガだった。


「藪からオーガ、意味は……やばいこれ!」


 そうして、きつく苦しく長いオーガ戦が始まった。


このタイトル調べる10分前位にコメントであ、ググろうとしてる、って来ててこの人超能力者かと思ったけど、その方の作品に脳内に直接―――――――っ!ってキャラがいたのでそちらのせいだと作者は予想します。

最後までお読みいただきありがとうございます。

次回も未出の四字熟語コーナーをお楽しみにしてください。

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