嚆矢濫觴
今回のタイトルは嚆矢濫觴、物事の始まりや初めてのこと、的な意味らしいです。
夜中、焚き火を囲んで何人かの人達が寝静まっている中、2人の男女だけが何故か不思議な雰囲気を醸し出している。
「あっ!入っちゃう!こんなに大きいのに!無理、無理だよ。そんなの入らないよ……」
「エラ……」
「「「…………」」」
「あっあっあっ、はいっちゃう、壊れちゃうううううぅぅう!」
「エ、エラァ!」
「「「うるさい!」」」
実は皆起きていたのだが2人に気を使って寝た振りをしていたのだが、流石にうるさ過ぎた。
そして今叫んだのはライン、ユリ、ルドルフの3人だ。
「お前らが愛し合うのはいいが場所と声量を考えろ!」「こっちが気を使ってんだからそっちも気をつかって欲しいな〜」「そ、そうだ、どんだけ恥ずかしかったか分かるのか!?」
「いやいや、皆何いってんの?僕は蟻がカナブンを巣に運んでるのを実況してただけだよ?もしかして変なこと考えてた?皆エッチだな〜」
ゆうきはケラケラと笑うが、男2人は顔を真っ赤にして俯く。しかし、ユリだけは腑に落ちない顔をしていた。
「アレックスはなにしてんの?」
「爆睡中だよー、なんでか私の名前をさっきから呼んでるのを見ると、この前のシュバルツのやつがトラウマになってるくさいね」
理由についてはゆうきは全くもって気づいてないのだがそこは勘弁してあげて欲しい。そもそも、元々男なので男から好かれるという発想自体が無いのだ。
とにかく何故こんな状況なのかを説明するには少し時を戻す必要がある。
〜数日前〜
「うぃ〜っす!おう、お前ら6月になったな。そろそろドキドキサバイバル生活の始まりだ、詳しい内容はあとで紙にして配るけど、要するにクエストこなして来いって事だ。覚悟しとけよ」
先生のざっくりした説明から数日後に詳しい内容が書かれた紙が配られた。
要約すると。
・街の外の森での3日間のサバイバル。
・3~6人でのパーティーを自分たちで組む。クラスは関係なし。
・3日間の内に各パーティーに課せられたクエストをこなして、その過程と結果で評価が付き。評価次第ではクラスの格上げもある。
・また、他のパーティーと遭遇した場合物資を奪うのもよし、協力するのもよし。
そして、最後に1番重要な事が書かれていた。
・課外活動ではあるが、学校内と同じ規則が適用されます。
要するに森の中でクラス上げの勝負を挑むのも可能であるという事だ。
ゆうきからすれば、森育ちの猛者が猛威を振るう可能性があるわけだ。
「ん、なかなかAクラスに厳しくありませんか?」
「よく気づいたな、エラ。そこはちょっとは優遇されるぜ。Aクラスの連中は1人撃退するたびに成績に反映されるんだよ。このイベントの結果は多くの貴族や富豪にも通知されるから将来スカウトにあうかもしれないんだよ、ちなみに俺もそれで5人撃退してこの学校にスカウトされたんだよ。まぁ付与魔法の方もあるけどな」
「なるほど、ありがとうございます」
(これはなかなか良いな、組むならアレックス達とだな。そうすればチームの宣伝にもなるはずだ、やるしかないな)
こうして3日間に及ぶサバイバル生活が始まった。
パーティーも無事アレックス達と組むことが出来た。
そして、1日目は昼の12:00からスタートした、ゆうき達のパーティーは拠点制作の為に1日目を費やす。場所は飛び降りるのは無理そうな滝のある崖下だ。
ミッション達成もそうだが、3日間のサバイバルで生き残らなければならない。また、その3日間は文字通りで、72時間あるので実質3泊4日となる。その為にゆうきが1番最初に拠点を作らせた。
もちろん付与魔法によるトラップ付きだ。この日の為にハルマと共に沢山の付与魔法を開発した、ちょっとした店でも開けるレベルだ。
特にこの落とし穴を一瞬で作る付与魔法陣は自分でも傑作だと思っている、裏には魔法陣と接している面から一定の高さまでの物質を圧縮する付与魔法があり、表には周りの環境に適した迷彩を作り出す魔法陣が付与されている。
つまり布を置いて魔力を流せば一瞬で落とし穴が作れる。しかも再利用が可能なエコな作りになっている。誰か褒めて。
とにかくこれで拠点は完成した、結局ゆうきの提案で土系統の魔法とでも言うべき魔法を使って滝の裏に穴をほった、洞穴式住居(笑)が完成した。
「よし、拠点作りは終わったな。じゃあ、ミッション達成の為に何するかゴロゴロしながら話し合いますか」
「ゴロゴロしながらとは、これからサバイバルをするとは思えんな」
「ラインよ、何を言ってるんだ。この拠点は身体を癒し心落ち着けるためにあるんだ。僕からすればここで休まずして、何がサバイバルかと思うけどね」
そこで、皆に休憩の大事さ(個人的見解)を語る。
1日の内より多く動き回るためにすることは何か?結論から言うと疲れる前に休むことだ。
そもそも5人もの仲間がいるのだから疲れる前に交代してしまえばいい。
そしてその説明で皆が更に疲れることにゆうきは説明の最後の方で気づくこととなる。
そうして、説明が終わると結局皆ゴロゴロし始めて、情報の整理を始める。
「それじゃあ、まずはクエストの確認からしようか、内容はモンスター討伐だな。討伐するたびにポイントが貯まって一定値を超えればクリアみたいだ。モンスターによってもポイントは違うみたいだ」
そこで、とゆうきは続ける。
「僕が提案するのは2つ、1つ目はとにかく数で勝負、ポイントが低いものを次々と討伐してくスタイル。2つ目はお察しの通りドカンと1発でかいポイントを狙いに行く、だ。どうする?」
「僕はエラの指示に従う」「私はエラに従う」「私もエラちゃんの考えに賛成」「僕もエラに任せる」
「……それでいいのか?ちゃんと皆で選んだ方がいいんじゃないか?」
「僕はエラの選択に間違いはないと思う、もしそれがダメだと感じたらすぐに止めるつもりでいる」
「フフッそうか……しかし、僕を止められる気でいたのか、実に心外だ。ならば、いやだからこそ私はでかいのを狩りに行きたい。その為に皆のステータス、レベルを教えて欲しい」
皆が頷くとアレックスから順に自分のレベルを明かしていく。
「僕はレベル29だ、基本的には攻撃系のスキルや魔法しか使えない」
「私はレベル28。防御や自己強化のスキルや魔法が得意だ」
「次私!私はレベル30!ここで1番レベル高いよ〜、ゆうきちゃん次第だけど。あ、回復とか強化系のスキルや魔法が多いよ」
「ぼ、僕はレベル27。援護しか出来ないけど、それだけなら自信があるよ!」
そうして、皆がこちらを見てゆうきのレベル紹介を促す。
「…………………ベル……」
「え?聞こえないよ」
「…………レベル…………」
「エラよもう少しハッキリと言うのだ、レベルが低いのは気にしなくても良いぞ」
「あぁ!もう分かったよ!レベル1だよ!1!分かった!?」
その言葉に仲間達は驚いたような顔になる。これからリーダーになる人のレベルが自分より、いやここの生徒の誰よりも低かったからだろう。
ゆうきはそう思っていたが実際は違った。
「レベル1でAクラスなのか!?と言うか逆になんでレベル1でそこまで勝てるんだ?ステータスの差はどうなってるんだ!?」
ラインが叫ぶ、そんなに驚くことなのだろうか。
「なぁ、エラ。聞かせてくれないか?君はどうしてそこまで強いんだ?」「うんうん、私も知りた〜い」「そ、そうだよ。悪いけど僕は嘘なんじゃないかとお、思ってる」
どうやら他の仲間もかなり驚いているらしい、ステータス自体はレベルを上げなくても上がるのだから不思議な事はないと思うのだが、ゆうきには分からなかった。
「そんなに驚く事か?そもそもレベルを上げなくてもステータスはあがるだろう?」
「問題はそこじゃないんだよなぁ……、って言うかそれなら小物をいっぱい狩ってレベル上げた方がいいと思うんだが?」
「んーそうなんだけど、はっきり言ってでかいの1匹狩るのなら経験あるし、ていうかそもそも裏技使うから問題は無いんだよね」
「……?裏技とはなんだ?エラよ?」
「まぁ、見てな」
そう言うとなんでも入るポケットから1枚の白い鱗を取り出し、そこに魔力を流し込む。
するとその場に大きな紅く輝く魔法陣が現れ、グルグルと回り出す、ちなみに全く意味はなく全部演出です。
輝き終わると中心に1人の人物が佇んでいた。
「ふぅ、もう呼び出しおったか。では自己紹介から参ろう、我が名はハルマ!誇り高き竜族であるぞ!」
「とかなんとか言ってるけど僕のペットだから、噛んだりしないから安心してね」
こうしてこっそりとハルマがパーティーに加わった。
「貴様ァ!折角の我が登場シーンを!かっこよくしとったのに!」
兎にも角にも、どうやらこれは後で問い詰める必要がありそうだった
実は皆さんに謝らなければいけないことがあります、実は前回のタイトルと今回のタイトルはググって調べました。
最早今回のは読み方も分からないレベルで知りませんでした。本当にすいません。
最後までお読みいただきありがとうございます。皆様の慈悲の心で次回のタイトルも
(あぁ、ググッたなこいつ)
って思いながら読んでいただければ幸いです(?)




