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-Bandit- ~異世界召喚された最凶PKギルド、国を乗っ取って統治したら民衆に崇められました~  作者: DRAGON
略奪

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第1話:VR居酒屋でのバカ話(※フラグです)

ハロ~★ DRAGONです★


異世界召喚で作者は見掛けない展開を選んでいる作品です★

※似たようなのあったら無知でごめんΣ( ̄ロ ̄)


毎日20時更新、第一章は全25話予約投稿済み★


残酷な描写があるので、苦手な方は注意してね★

カクヨムでも同時連載中。気楽に読んでいってください★




「……はあ~。最近ちょっとマンネリ気味じゃない?」



重厚な木目調のテーブルに金杯のゴブレットがコトンと音を立てた。


声の主はオペラ仮面に3本角のピエロ帽、黒龍の革コートという、どう見てもまともではない格好の男。


PK――プレイヤーキラーギルド『-Bandit-(バンディット)』のギルドマスター、龍(ドラゴン)である。


ピエロ帽の先で小さなドクロの鈴が「チリ……」と冷たく鳴った。



「マンネリのう。」



向かいに座る小柄な老人が焼き鳥を串から外しながら呟く。


身長は150cm程。

胸元まで伸びた純白の髭を撫でる姿だけを見れば、どこにでもいる好々爺だが、その麻衣には無数の呪いが刻まれている。


老人――太祖(たいそ)は「ふぉっふぉっ」と喉を鳴らした。

その瞬間、部屋の隅に落ちていた影が生き物のようにドロリと動く。



「まあそうなるじゃろうな。最近じゃわしらの縄張りに入ってくる物好きもおらんからのう。」


「それは太祖さんだけじゃないでしょう?」



横から声を挟んだのは白衣姿の青年テスラだ。

真鍮の歯車で作られた右目の魔導義眼がカチカチと不規則に回転している。


彼は手元のフラスコを軽く振りながら溜息をついた。



「僕の研究室なんて最近全く侵入者が来ませんよ。せっかく新しい毒を作ったというのに試す相手がいない。」


「私の『夜の街』もすっかり平和よ?」



艶やかな笑い声と共に花魁衣装を着た女――妲己(だっき)が煙管を口元から離した。

頭の上の黄金色のキツネ耳がピクリと動き、背後では太い尻尾がゆったりと揺れている。



「最近の情報屋のお仕事なんてメンバー同士の潰し合いの情報位だもの。」


「それは仕事と言えるのかい?」


「もちろんよ。退屈しのぎにはなるわ。」



4人が同時に笑う。


この4人が揃っている個室の外では、一般プレイヤー達が青ざめた顔でコソコソと話していた。



「……なあ。あの個室に誰がいるか分かるか?」


「見るな!関わるなって!」


「でも……オペラ仮面に白髪の老人、白衣の男に狐耳の花魁だぞ……?」


「……『-Bandit-』だ。マジで関わるな!いいから飲み物持って逃げろ!」



そんな周囲の怯えなど知ったことかと言わんばかりに、個室の中では当の4人が暇そうに酒を飲んでいた。


フルダイブ型VRMMO――その世界で、それぞれの領域を絶対的に支配する最凶のPKギルド『-Bandit-』。


龍は砂漠、太祖は海、テスラは研究室とダンジョン、妲己は夜の街。

それぞれが自らの領域に独自のルールを敷き、そこへ足を踏み入れた者は彼らのルールに従うしかない。



「強すぎるのも退屈じゃな。」


「分かるわぁ。顔を見せただけで逃げられるもの。」


「自分で言うんですね……。」



4人の間にまた乾いた笑いが響く。


しばらくして龍がゴブレットを弄びながら、ふと思いついたように口を開いた。



「ねえ。もしさ――私達がこのキャラクターのステータスのまま異世界に行ったらどうなると思う?」


「異世界転移か。」



太祖が白い髭を撫でる。



「創作ではよくある話じゃな。わしらが行ったら……間違いなく好き放題するじゃろうな。」


「僕なら現地の魔法や武具を片っ端から調べますね。未知の技術なんて最高の研究材料です。」


「私は王様や貴族を誘惑して裏から国を乗っ取っちゃおうかしら?」


「いや貴方なら正面から国くらい、乗っ取れるのでしょ?」


「ふぉっふぉっふぉっ。」


「か弱い私にそんな事出来るかしら?」



居酒屋の個室に賑やかな笑い声が響く。


龍はピエロ帽の角を指先で弄りながら、くすりと笑った。



「いいねえ。でもさ★」



龍は少し身を乗り出し指を立てた。



「私なら異世界に召喚されたら最初に『ルール確認』をするかな★」


「ルール確認?」



妲己が首を傾げると、龍は楽しそうに指を折っていった。



「この世界の法律。お金の価値。冒険者や探索者みたいな『外野の戦力』が存在するか。それから――犯罪者を殺しても罪にならないか?」


「……ほう。」


「そして1番大事なのがね★」



龍はゴブレットをコンと叩いた。



「犯罪者のアジトにある財産の所有権は誰の物になるのか★」



龍の口元が仮面の下で吊り上がる。


相手の考えや世界のルールを観察し、その穴を突いて攻略するのが龍のスタイルだ。



「だってさ。私達を許可なく勝手に知らない場所へ連れていくなんて、やってる事は完全に『人さらい』じゃない?なら――『犯罪者の財宝は討伐者の物になる』って言質さえ取れれば……。」



1拍置き龍はニヤリと笑った。



「――私達をさらった王城ごと堂々と『略奪(Bandit)』出来るだろ?」



『ギャハハハハハ!』



個室が爆笑に包まれた。



「相変わらずじゃのう!」


「最高ですね!法の穴を突くPK思考!」


「本当にどこかの世界で試してみたいわ!」



酒の席の戯言。


ゲームの中で好き放題やってきた4人が馬鹿げた妄想をして笑っていた――そのはずだった。


『――おお!成功だ!召喚は成功したぞ!!』


突然、頭の中ではなく空間そのものを震わせる謎の叫び声が響いた。


システムメッセージでもゲーム内のアナウンスでもない声。



「……ん?」



龍が顔を上げた瞬間、4人の足元が目も眩むような黄金の光を放った。


巨大な魔法陣が空間を塗り潰していく。



「ちょっと待て。これ……。」



テスラが魔導義眼を高速回転させる。



「空間座標が強制的に書き換えられています……!?」


「ふぉっふぉ。本当に異世界転移かのう。」


「さっきの話、本当に試せるかもしれないわね?」



視界が真っ白に染まり、居酒屋の空間がガラスのように砕け散る。


身体を引っ張られる強烈な浮遊感。


安全な仮想空間から未知の世界へ。


そして――光が収まった。


鼻を突くのは酒の匂いではなく、強すぎる香水と不快な汗の臭い。


目の前に広がっていたのは息を呑むほど豪華で、悪趣味なまでにギラギラと輝く大広間――『謁見の間』だった。


左右には鎧を身につけた兵士や何人もの貴族らしき人間。


そして、その奥。


王座と思われる豪華な椅子に――


ギチ……。


ギチギチ……。


まるで椅子そのものが悲鳴を上げるような音を立てながら、


『肉塊』は鎮座していた。


読んでくれてありがとう★


面白かったら、お気に入り登録と評価をくれると嬉しいな★


感想も待ってるよ★

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