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第41話「ボヌール村第一日目、無事終了」

 王都のおみやげ授与もあり、大盛り上がりの歓迎会が終わった夜……

 やはりというか、俺と一緒にふたりきりで眠りたがった甘えん坊のジョアンナ。


 まあ、さすがに嫁ズは問題なし。

 俺にべったりとはいえ、8歳の女の子を(うらや)んだりはしない。

 

 また今回一緒に旅をしたレオとイーサン、そしてクラリス似で、穏やかな性格の3男ポール、赤ん坊の末弟ロラン、男子軍団は全然大丈夫なのだが……


 長姉タバサを始めとした、シャルロット、フラヴィ、ララ……

 ジョアンナと同じく、超が付く甘えん坊。

 パパッ子女子軍団はそうはいかない。


 新参のジョアンナだけを優遇しすぎると、嫉妬でむくれる事は間違いない。

 

 なので、まだ2歳幼児のベルティーユ、赤ん坊のアンジュを除く、愛娘軍団全員、

 俺の部屋で一緒に眠る事となった。


 これまでに何度も言っているが、ユウキ家の一日は朝早く、夜も早い。

 明日の朝も俺は午前3時過ぎには、他の者も全員午前4時から5時には起床する。


 ボヌール村の大人は朝から夕方までは働き、同じく子供は午前中が学校、午後からは働く者が殆どだが遊んだりもする。

 そして夜は、子供は午後9時、大人は日付が変わる前にはほとんど寝るのだ。


 ボヌール村で暮らす前提として、ジョアンナとマチルドさんには、ふたりをお客さん扱いしないと告げた。

 ガシガシ働いて貰うとも。

 しかし、ふたりにはまずユウキ家の生活のサイクルに慣れて貰う事が優先される。

 そしてウチの家族を含めたボヌール村の人間関係にも慣れて貰わねばならない。


 さてさて!

 10歳くらいまでの女子5人なら、俺の部屋に据え付けた大きく広いベッドに、何とか一緒に全員で寝る事が出来る。


 この場で仕切ってくれるのは、長姉のタバサである。

 事前に筋を通しておいて、本当に良かった。


「はいはいは~い。全員パジャマに着替えるよぉ!」


 我がユウキ家は男子はパンツ一丁で寝る。

 だが、嫁ズを始め女子軍団は全員、クラリス特製の可愛いパジャマを着用して寝るのだ。

 ジョアンナも大いに気に入ったようである。


 タバサが声を張り上げる。


「お~い、ジョアンナ、寝るよぉ。今夜だけはパパを入れて私達と一緒にね。明日からはジョアンナもパパと別に、女子専用の部屋で寝るから!」


「は、はい、タバサ(ねえ)


 明日からは、俺と一緒ではなく、女子専用の部屋でウチの愛娘軍団と寝る。


 既に伝え、念を押してあるとはいえ、ジョアンナは辛そうだ。

 俺と離れるのが不安且つ寂しいに違いない。

 ちなみに、マチルドさんも、ジョアンナを一緒には寝ず、専用の個室で寝泊まりする。


 しかし……

 いくら寂しいといえど、ここはジョアンナが自立する為、ケアをしながら、優しく突き放す。

 その為には、忙しさで余計な事を考えられなくするのがベストだ。


「ジョアンナ、念の為、もう伝えているけど、お前には明日から学校に通って貰う」


「ええ、ジョアンナ、私もパパからそう聞いてるわ」


 タバサがすかさずフォローし、


「そうそう、ジョアンナ、私達と一緒に学校行こう!」

「ジョアンナ、いろんな事が勉強出来て、楽しいよ、学校!」

「ウチだけじゃなく、村の子達とも一緒に、皆で給食、お昼を食べるのよ!」


 シャルロット、フラヴィ、ララも応援してくれた。


 しかし、ジョアンナは少し不安そうだ。


「じゃ、じゃあケン様は?」


 と、恐る恐る聞いて来た。

 対して、俺はすかさず答えてやる。

 ジョアンナの気持ちを配慮したスケジュールだ。


「俺は、2番目に行う授業の先生をやる」


「ケン様が? 2番目の授業?」 


「ああ、俺が受け持つのは社会科の授業、ボヌール村の中、外の話に始まって、王国の仕組みや世界の様子を教える。そしてお昼の給食はジョアンナと一緒だな。ちなみに最初の国語の授業の先生も、ウチのソフィがやるんだぞ」


 タバサも、俺との打ち合わせ通り、追随してくれる。


「うふふ、ジョアンナの明日のスケジュールは、とってもいっぱいだよ」


「とってもいっぱい?」


「うん! 朝は5時に起きて、朝ごはんの支度を手伝って、午前中は学校で授業を受けて、皆で楽しく給食食べて、午後に家へ帰ってからは、ミシェルママをお手伝いして、大空屋の店番をするわ。その後は、ベル、アンジュ、ローランの子守りを私と一緒にして、夕ごはんを作るお手伝いもする。夕ごはんを食べたら、勉強の復習と予習をしてから寝るって感じだよ」


「わお、ホントだ。す、す、凄く忙しそう!」


「ええ、大忙し。ちなみに一日中、マチルドさんも一緒だよ」


 ぎっしりのスケジュールにびっくりするジョアンナ。

 シャルロット、フラヴィ、ララもにっこり。


「ボヌール村の1日は、あっという間!」

「やる事はいっぱいあるわ。頼りにしてるよ、ジョアンナ」

「でもね! 最初から無理しちゃダメよ」


 そろそろ頃合いだろう。


「じゃあ、明日も早いからもう寝るぞ、みんな、おやすみ」


 魔導灯を暗くし、俺が就寝を促すと、


「「「「「おやすみなさい」」」」」


 可愛い女子軍団が全員で応えてくれた。

 こうして、ジョアンナのボヌール村新生活第1日目は、無事終わったのである。

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