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『IQを道端に捨てた戦国最強たちの迷走日記 〜黄金の雨、ときどき家出〜』  作者: 杉勝啓


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【悲報】かつての『練習』、家康の手で『公共事業』に認定される」

徳川家康くんは戸惑っていた。相模の海辺でめちゃんこ戸惑っていた。

豊臣秀吉くんに関東を任されてきたものの、なぜか海には大量の錆びた刀があるのだ。

「なあ、忠勝、この刀はなんだ?」

「さあ、なんかの儀式でしょうか?」


と、一人の男に声をかけられました。

「あ、新しいご領主様、こんにちは。ご機嫌いかがですか」

か…かるい…なんだ?この挨拶は…ビンボーそうに見えて…もしかして…

「新しいご領主様も、海から拾い上げた刀買い上げてくれるんですか」

「海…海から拾い上げた刀って何?」

「いやあ、氏康様は気前よく買い上げてくれたんですが、後を継いだ氏政様たち、シブチンで、だから、せっかくの刀錆びちゃって」

「だから、何で、こんなに大量に刀があるんだ?」

「よくわかりませんけど、氏康様、かっこいい最後を迎えるための練習だって言って、よく刀を海にほり投げてましたよ」

「氏康殿は病死されたはずでは?」

「まあ、上の人のやることはよくわかりませんけど、おかげで、私らは仕事にあぶれたときも、この仕事あったんで助かってましたけど」

「なるほど…さすがは民を慈しむと評判だった氏康殿」

そういうと家康くんは腰の刀をほうり投げました。

「とってきてくれるかな」

「がってんだ!」

男は海に潜っていきました。

「殿、今のは?」

「わからぬのか。氏康殿は民を餓えさせぬように、刀を拾うという仕事を作ったのだ」

「は…はあ…」

「それに、おのれの死に際まで美しくあったとは…見習わねばならぬな。わしも氏康殿のように美しい死に際を迎えたい」

「御意」


後年、彼が鯛の天ぷらにあたって死ぬことになろとは知るよしもありませんでした。


おわり

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