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グランサンクチュア〜地底天空都市の伝説〜  作者: 大森六
第二章 魔王軍襲来

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第61話 侵攻する魔王軍

 二週間後、ノア工房にて結界魔土術(まとじゅつ)ユニットの試作品が完成した。ノア、ミラ王女、マリアといういつもの3人がその効果を試すため、現在庭園に出てきてユニットの動作確認を行っている。


「結界魔土術の刻印プレート!」


「マナに反応しています! OKです!」


「よし! 次に古代魔土術バイスキルの刻印プレート!」


「こちらもマナに反応しています! OKです!」


「よし! 次に放出調整プレートを半径5メートルに設定!」


「調整完了です!」


 ノアがミラ王女に指示を出す。


「まずは試しに小さな結界の球体を張ってみましょう。ミラ王女。こちらのユニットに手をかざしてマナを注いでください。ゲージが満タンになるまでお願いします」


「わかったわ。それじゃあ、マナを流すわね!」


 ロイとヘンドリックが心配で王宮から出てきて様子を見守っている。装置が爆発して王女が怪我したらどうしようかと二人とも考えていた。



「ノア工房長! ゲージが溜まりました!」


「よし! 解放だ!」


 マリアがスイッチをポチッと押すと結界がユニットを中心に半径5メートルの球体状に形成された。しかし、ノアとマリアの表情はまだ緩まない。


「マリア、結界の精度を確認だ! 脆い箇所があれば教えて。ここで完璧にしておかないと王都を包むことは絶対にできないから」


「了解しました! ノア工房長!」


「…………その工房長って何? 気になるんだけど」



 三十分後、確認を終えたノアたち。結界に欠陥箇所は見つからなかった。


「よし! 次は半径10メートルでやってみましょう!」


 距離を徐々に広げて結界の精度を確認するノアとマリア。


 こうして半径30メートルの結界が出来上がった。


「ミラ王女、結界の外からラ・ファイアを思いっきり放ってみてください」


「え? ここで?」


「はい。この結界は邪念術だけでなく、魔土術を跳ね返す効果もあります。ウサ……いや、物知りのおじいさんに教えてもらいました」


 ロイたちの顔が強張ってきた。


「ミラ様! お願いですから王宮に向けて放たないでくださいね」


 ヘンドリックが悲痛な叫びを上げている。


「わ、わかったわ。それじゃあ唱えるわよ」



 ゆっくりと跳ね返って空へ向かうように放つ角度を調整するミラ王女。



「ラ・ファイア!」


 炎が勢いよく結界に向かって放たれた。何もこんなに大きな炎を打たなくてもいいでしょ〜とヘンドリックが叫んでいる。そしてノアがニヤッと笑った。


 見事に炎を空へ弾き返した。結界はびくともしていない。


「よし。次は僕の炎槍10連発――」


「待ちなさい。それはガイアの大地でやりましょう」


 こうして試作品の動作確認が終わった。ノアとマリアはここで改善点を洗い出し、後日改良していくことに。


「そうだ。ミラ王女。今回のでマナの減りはどれくらいに感じました?」


「そうね……最後のラ・ファイアも含めての話になってしまうけど、25%くらい減ったって感じかしら」


「なるほど。ミラ王女でこれなら、ほかの騎士はもっと減ってしまうな……」

(もう少しからの概念を活かしてプレートを調整するか……)



 ノアたちはこの時まだわかっていなかった。魔王軍がテレポートして王宮へ攻め入ろうとしていることを。結界を張って防げるか、それとも突然の侵入を許すかはこの結界ユニットの完成するタイミング次第だった。


 あと二週間で魔人と魔獣がせめてくる……




 * * *



《ノアよ。ちょっとこっちへ来い。大事な話じゃぞい》


 腰につけていたウサ爺の毛玉アクセサリーからメッセージが……こんな機能があったのかこの毛玉……


 工房での作業を一旦中断してノアはからの間へ向った。



「ウサ爺。来たよ〜。どうしたの?」



「うむ。これを見よ」



 ウサ爺はガイアのとある光景を映し出してノアに見せる。


「な! これ魔王軍が侵攻して来ているのか……まだ僕らのサーチ魔土術では引っかからない距離にいる。状況はこの映像しかわからないよね?」


「そうじゃ。だがまだヒューマニア王国に攻め込むのは少し先じゃぞい。今の進軍のペースだとおそらく10日ほどでブロッカ地域にたどり着くじゃろう」


「あと、たった10日しかないのか……準備が全然足りていない」


「そうじゃのう。わしは訳あって争いの手助けはできん。あとはノア、お主がなんとかせい。一つだけ忠告じゃが、結界は急いで張るのじゃ。相手がテレポート系の邪念術を使う可能性が高いぞ」


 ノアは少し状況を整理して考える。そして引き締まった顔つきでウサ爺に礼を言って空の間を後にした。魔土術学院塔を落下しながら、マナフォンで今繋がっている全ての仲間に連絡する。


《皆! 聞こえるかな? 父さんと母さんそしてミラ王女には特に聞いていてほしい!》


 タイミングよくロイたちはちょうど王宮に集まっていた。


《どうしたノア。皆ここにいるから問題ないぞ。話があるのか?》



《今、ウサ爺の魔土術でガイアの大地のはるか南東方向から魔王軍がこっちに向かって攻めて来ているのを見たんだ。しかも2000は超えた兵力だと思う》



《なんだと!》



《まずは落ち着いて聞いて欲しい。僕のサーチでは範囲外でわからないくらい離れたところにいるんだ。ウサ爺はあと10日くらいでブロッカエリアが攻められるって言ってた。僕は今からミネルヴァ校長の元へこの話をしてくるよ! ブロッカや王都の市民のことや王国騎士たちのこと、王宮の守りとか全て父さんたちに任せるね》


《わかった! ミラ王女もリリカもここで話を聞いているから安心しろ。 ノア! この情報は大きいぞ。俺たちも残りの時間でできる限りの対策が取れる。よくやった!》


《ありがとう。それじゃあ、また王宮で!》




 王宮に戻ったノアはまず工房に向かった。マリアが必死で詠唱プレートを書き換えていた。


「マリア! そっちはどんな状況?」


「この詠唱プレートを調整したら完了です。ただ、現状では王都を包み込むほどの距離を出せるかどうか……」


「わかった。まずは今のプレートの書き換え作業に集中してて大丈夫。距離の問題は僕がなんとかするよ」


 そういってノアは考え始めた。


(王都はおそらくブロッカや城下町コンクーリの市民が避難するエリアになるはずだ。なんとしても結界を張らないといけない。距離を伸ばすと言ってもこれ以上は正直厳しい…………)


「ノア! ここにいたのね!」


 ミラ王女が工房にやって来た。ノアを探していたようだ。


「今から王宮で作戦会議よ! ノアも来て」



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