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グランサンクチュア〜地底天空都市の伝説〜  作者: 大森六
第二章 魔王軍襲来

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第56話 ついに完成、マナゴーレム

 ロイは王宮訓練場でノアと模擬戦を行なっていた。ノアに作ってもらったリングによって復活したマナの左腕も以前よりパワーアップして使いこなせている。



「ちょっと、父さん! 本気は無理だって! 受けきれないから!」


 剣術のレベルを上げていたはずのノアの剣を簡単に弾いてしまった。


「おっと、すまねぇ。ノアじゃないとここまで引き出せなくてな」


 剣を拾ってロイに近づくノア。


「どう? もうかなりやばい強さのように思えるけど。しっくり馴染んできたね」


「そうだな。以前の左手としてではなく、新しい俺の武器って感じだな」


「例えばさ、父さんのイメージで形も変えられるし、父さんは魔土術も使えるから……」


「そうそう! 俺もそれを考えてたんだよ。だったらこういうのはどうだ? 例えば……」


 親子二人で座り込んで楽しそうに必殺技について話ている。それを羨ましそうに眺めるヘンリー。


「ヘンリー! 俺たちと模擬戦しようぜ!」


「はい! よろしくお願いします!」


 王国騎士団は順調に力をつけていた。ロイの功績が一番大きいが騎士達自身にも王国を守るという強い気持ちがあるからだろう。


《ノア! マリアが呼んでるわよ。よくわからないけど、そろそろ始めるって言ってるわ》


 ミラ王女がマナフォンでノアに知らせる。いよいよアレを試すときがきたのだ。


「よし! ついにこの日が来た! 父さん、ヘンリー。一緒に観に行こうよ!」


 軽快にステップを踏んで嬉しそうに工房へ向かうノア。ちょっと不安な気持ちになるロイ。工房前の庭園にはリリカやティアとヘンドリック、そしてリリアナ王女と国王も姿を見せていた。


「国王陛下、おはようございます!」


「ノアよ。何やら新しい発明という話を聞いておるぞ」


「はい。試行錯誤を繰り返し、なんとかここまで制御できました」


「制御じゃと?」



 ノアが工房にいたマリアと共に庭園で手のひらサイズのハイソイラブロックを取り出した。少し違う点はブロックの内側が光っていることくらいだ。



「皆さん、少し御下がりください。危険ですから」



「ん? ちょっとノア。危険ってどういうこと?」



 リリカの問いに笑顔を返すノア。これで余計に不安を感じ、全員が一斉に後ろへ下がる。



「ノアさん、それではマナを流しますね」


「うん。始めよう!」


 マリアがゆっくりとハイソイラブロックにマナを流し始める。

 すると、ブロックが光り輝き宙に舞い上がった。


「なんだ! どんどん大きくなっているぞ!」


 ロイの声が聞こえたと同時に子供くらいの可愛いハイソイラゴーレムが現れた。


「魔物だ! ゴーレムが現れたぞ! 攻撃態勢を……一応とれ」


 王国騎士が癖で戦闘態勢に入るが、ノアがそこに待ったをかける。庭園に降り立ったゴーレムにマリアが近寄っていき、ノアに合図を送る。


「皆さん、今からこのゴーレムを操作します」


「なんじゃと? このゴーレムを自在に動かせると申すのか?」


「はい。まずはその成果をご覧ください」


 マリアがゴーレムとマナリンクしたようだ。ゴーレムが空を舞い、右腕を前方へ伸ばしてパンチを繰り出す。非常にぎこちない攻撃だ。


「お、お兄ちゃん。とてもすごいんだけど、なんかヘンテコだわ。動きがガチガチよ」


 するとマリアが振り返って説明する。


「すみません。操作している私に格闘センスや技術が全く無いことが、このゴーレムにそのまま反映されてしまって。こんな動きしかできないのです」


 ゴーレムがペタペタとリリアナ王女と国王の方へと近づいて来た。見た目もどこか愛嬌があって思わず笑顔で頭を撫でるリリアナ王女。


「とても可愛いですね。すごいわ、マリア! こんなものが作れるなんて」


 そう、とてもすごいということは認めるが……


「ねぇ、ノア。そろそろ、本題に入ってよ。あるんでしょ? 別の意図が」


 ミラ王女が確信した顔でノアに求める。当然だと言わんばかりにノアが頷いてもう一つのブロックを取り出した。


「では……そうですね……マナコントロールが優れているのは……やはり母さんだね」


「え? 私?」


 ノアがリリカを前に引っ張り出して、ハイソイラブロックを手渡す。



「母さん、そこにマナを流して。僕たちがマナフォンで連絡を取り合うようにこのブロックとリンクするイメージで」


「……わかったわ。それじゃあ……いくわよ」


 リリカがマナを注いだ瞬間、ブロックが急激に光を放って大きく膨らみ始めた。


「ちょっ、ちょっと! ノア! これどうしたらいいのよ」


「大丈夫! マナは注入できたみたいだから、あとはリンクだけ切らさないでいてね。今ゴーレムが母さんのマナの質を読み取っている」



 リリカの目の前で人の2倍ほどの大きさになったゴーレムが現れた。マリアによって生み出された小さくてぽっちゃりしたゴーレムとは違い、明らかにスタイリッシュでキリッとした表情……というかそんなイメージの形に見える。

「な、何これ……ゴーレムの視界も感じることができるわ……手足も動かせる」


 リリカが思うようにゴーレムを動かしてみる。マリアの時とは違い、明らかに動きがスムーズだ。周囲から驚きと感動の声が上がる。


「母さん、空に向かってウォーターを放ってみて。絶対に空に向かった状態でね」


「え? 魔土術をゴーレムが放てるの? 嘘でしょ?」


 ニコッと笑ったノアとマリア。そのうちマリアもノアに似て憎たらしい表情をするようになるのかと不安に思うミラ王女。それくらい、二人とも同じようなドヤ顔だ。



「絶対に空に向けて放ってよ! 王宮が壊れるから!」


 そうノアに念を押されて慎重にゴーレムの右腕を上空へと伸ばして魔土術を放つ。


「……ウォーター」



 物凄い勢いで上空へ飛ばされた水の塊。目で追えないくらい遠くへ飛んでいった。その後、少し水しぶきがパラパラと庭園に降りかかる。


「う、嘘でしょ……何この威力……」


 リリカが振り返ってロイたちに助けを求めたが、全員ポカンと口を開けて空を見ていた。



「これが、僕とマリアで改良を重ねて造り上げた王国の新しい兵器。マナゴーレムです」



 その日、ヒューマニア王国首都リトルガイア上空には街を覆うような美しい虹が架かり、人々の心を癒したという。





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