十年の白い結婚が終わる日に、夫は初めて私の名前を呼んだ
最終エピソード掲載日:2026/04/07
辺境伯に嫁いで十年。
リーアが担っていたのは花嫁修業ではなく、四カ国との外交だった。夫はそれを「女の文通」と呼び、愛人を屋敷に住まわせた。
白い結婚の十年条項が満了した朝、リーアは引き継ぎ書を机に置いて門を出た。
翌週、隣国からの親書が届く。宛名は辺境伯ではなく「リーア殿」。四カ国が交渉相手として認識していたのは、最初から彼女だけだった。
王都の外務省で新しい仕事を始めたリーアの隣にいるのは、彼女の十年分の書簡を暗記していた若き外交官。「構文が好きだ」と彼は言った。
嘘だと気づいたのは、ずっと後のことだ。
リーアが担っていたのは花嫁修業ではなく、四カ国との外交だった。夫はそれを「女の文通」と呼び、愛人を屋敷に住まわせた。
白い結婚の十年条項が満了した朝、リーアは引き継ぎ書を机に置いて門を出た。
翌週、隣国からの親書が届く。宛名は辺境伯ではなく「リーア殿」。四カ国が交渉相手として認識していたのは、最初から彼女だけだった。
王都の外務省で新しい仕事を始めたリーアの隣にいるのは、彼女の十年分の書簡を暗記していた若き外交官。「構文が好きだ」と彼は言った。
嘘だと気づいたのは、ずっと後のことだ。