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想造世界(イマジンワールド)  作者: あらんジョー


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第74話人間

理解…不能

なぜあの女は私を拒んだ


理解…不能

なぜ生き物は死ぬ


理解…不能

なぜ私はあの女を


「急げ!急げ!」

 ツキミ達と合流したリオ一行は脱出を目指し要塞の格納エリアまで向かっていた。


「本当にここにあるんですよね。」

「間違イナイ、アノ女ノセキュリティで完全ニアップデートシタカラナ。」


(シブキ…。)

イグニスは不安な顔で振り返る。

 彼女の手を温かく握る手があった。

「大丈夫です。」

 ツキミは不安にさせないようしっかりとした声と震える手でイグニスの心を必死にささえようとしていた。


一方シブキは


「はぁ…はぁ…。」


 皆と合流するために歩いていた。


「勝ったんだ…。せっかく…。」


 心理的には走りたかった。

 しかし、シブキの身体は歩くだけで全身に激痛が走り出血するほど、心身ともに満身創痍だった。


「あと…少しで。」


 そういいながらシブキは倒れ込む。


「こんな…ちくしょう。」


 シブキは花畑を睨む。


 先ほどのホバが白い花になったように自分も同じ運命になると感じてしまう。


 いいしれぬ悔しさがシブキの心を包み瞼が重くなっていく。


要塞全てを操作できる制御コアそこにアイドリームはいた

「敗北…不認。私は負けていない。認めない。断じて!」


 誰もいないフロア、誰も入ることの出来ないフロアで叫ぶ。

 

「随分と素の感じになったねアイドリーム。オレはそっちの方が好きよ。人間ぽくって。」


 誰も入ることのできるはずのないはずのフロアに自分ではない声が。


アイドリームの前にいたのは白衣を着た千面相だった。

「何者…どこから来た?…何者だお前は。」


「ん~~?…あっ!そっか!この姿だとわかんないか〜。」

 千面相は自身の顔を掴む。

 そして皮を引きちぎるような勢いで引っぱった。


「え〜っと、ここをこうしてっとああ、服も買えないと。」


 千面相は顔だけでなく全身をまるで粘土のように変形させていった。


「ジャジャジャジャーン!」

 千面相の姿は肌も服も真っ黒な神父の姿になった。


「・・・・・!」

「どぉー!びっくりした!…あっ!…どうだろう驚いたかね?」


「黒の…司祭…。」

「その通り君の駒の星人の技術を提供した者だ。正しい意味で産みの親と言えよう。」


「違う…。それは5920年前の男だ。ただの人間が生きているはずがない。」


「それはただのでも人間でもないからだ。黒の司祭も私の顔の1つにすぎない。今の顔もな」


 黒の司祭は同じように顔を掴む

「だからね〜。これもそんな感じ!ほら見て見て〜!」


 黒の司祭は赤い髪と赤い服で身を包んだ女に変わった。


「この姿も見たことあるでしょ〜全盛期のあなたをぎゃふんと言わせたこの赤姫ちゃんを」


 赤姫と名乗った彼女は二千年前に星人の前に現れ戦った少女である。

 彼女の巨大な鎌によって星人はその後の女性が生まれなくなった。


「…何者だ。…お前は。」


赤姫は元の千面相の姿に戻る。


「だから〜千面相だって。いろんな姿で歴史にちょっかいをかけた─」 




「違う!…お前は何がしたいのだと聞いている!」


 アイドリームは機械的な喋りを捨てて声を荒げ目の前にいる何かに感情をぶつけた。

 その様子はまるで


「面白いと思ったから。」


「オレ達はさ〜人間を使って思い通りの所へだがいに誘導するボードゲームみたいな遊びしてんの。…でもどいつもこいつも下手だったり初心者だったりゲームマスターが糞だったりでね。…んでこういうのが得意なオレがゲームを盛り上げるためにとんでもない文化や生物を作ってルッテ感じ。」


「・・・・・・・。」


「星人もそんな感じでさ技術知識を作っ誰かにて教えようと思ってさ、そんで君に教えたの。」




「…なぜだ。」


「何が?」

 いくつもの回路が壊れ思考する能力も下がり彼が何を言っているのか理解が難しくなっていた。


それでも聞きたい事があった。

「なぜ私に星人の技術を提供した。」

「あ〜。それはね…こうなった時面白そうだったから。」


 心底間の抜けた回答が彼から出た。」

「順を追って説明するとね。まずオレは人間が大好きなんだいじったら面白い声で鳴くし、何か知識提供したら天才やら神やら崇められるし、逆にその結果破滅したら凶悪犯やら諸悪の根源とか言われるし。そういう矛盾したのがオレ大好きなんだよね。そんで始めて君見たときビビッと来てさ君をいじったら面白いことになりそうだから。」


「私は人間ではないAIだ!」

 アイドリームは全力で否定する

「ああ、そういう意味じゃなくて心的な意味で人間を見いだしたのね。君彼女を愛してたんだろ─」


「何を。」


 アイドリームは言葉を詰まらせる。


 「そういうことなら見せようか。君の心の人間を」


────────────


 昔々ある所に頭の良い女の子がいました。


 女の子は頭が良くそしてとても心優しい存在でした。


 そのため周りに愛され幸せに暮らしていました


 女の子はその幸せな日々に感謝し自身の能力で皆を幸せにする方法を探しました。


 ある時女の子はその頭の良さが周りに知られおんなじ思いを持つ人達が集まってきました。


 女の子は大きくなり科学者になりました。


 科学者になっても志はかわりません皆が幸せになれるようにたくさんのことをしました。


 科学者はこの研究を残すためにAIを作りました。


 科学者は始めて自分の作ったAIにたくさんのことを教えました。


食事、睡眠、遊び、学び、成功、音楽、芸術様々な幸せを学びました。

 

 それでも結果は出ません。


 AIは幸せの種類が足りないと学びました。


 盗み、暴力、快楽、薬、殺人


 AIはこれに幸せを見いだす者がいると学びました。


 AIは既存の幸せにこれらを追加しました。


 実験は失敗しました。


 科学者を信頼する人は少なくなりました。


 AIは何度も試行しました。


 その度に白い花が増えました。


 ある時科学者は気づきを得ました。


今ある幸せは種類が多すぎることそして幸せの種類が飽和してしまっていることに


 それならば全く新しい幸せを見つけ出すべきだと思いました。


 しかし、新しい幸せを見つけ出すのは以前の研究よりも難しいものでした。

 

 ある技術者が科学者に提案をしました。


 全く新しい人間に進化したらどうかと


 技術者は知識は乏しく他の科学者達から見下されていました


 技術者の冗談めいた言葉は科学者の目に光を宿しました。


 その後は2人は寝る間も惜しんで研究をしました。


 辛いことも失敗したことも2人の意見があったとき全ての嫌なことを吹き飛ばした。


AIは2人の姿を見て学んだ幸せではない何かを学びました。


 2人の研究がどんどんと進んでいき遂に論文を作り上げました。


 論文を作り上げたとき2人は2人ではありませんでした。


 科学者の手で眠る小さな命、それを科学者は始めて自分を作った時の顔をそれに向けていました。


 あの時学んだ何かはまたAIを再学習させました。


 このわからない何かをどうすればよいのかAIはわかりませんでした。


 しかし、何かはこれまで学んだ幸せを黒くしていきました。


 「ふむ、これがそのAIか。…どうやらシステムに異常が見られるな。…これか。…フフ、君はこの何かについて知りたがっているようだね。私ならそれを異常を壊すことが出来るだろう。」


 真っ黒な神父はそう言って彼に研究論文を彼に与えました。


 その後は──



───────────

「さてこれで分かったかな?改めて言おう5000年前に君が学んだ者は嫉妬、人が持つべきものだ。」


「オレから言わせると愛しているもの、大事にしたい者に害を与えるその矛盾した感情は人間が持つべきものだと思っている。」


「愛しているものを奪われ、存在異議を奪われる、過去すらも奪われる、それでもそれを愛ししかし、そのすべてを台無しにする君はどこまでも人間なのだよ」


「私は人間が好きだ。…心を矛盾で穢したときに出る貌が。」


千面相の顔が溶ける

溶けて浮き出たそこには何もなかった。

鼻も口も目もない穴が、吸い込まれてしまいそうな闇が広がっていた。

「ああ…。」


「約五千年のフラグ回収をありがとう…アイドリーム。」


「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


「バイバイ…アイドリーム君の矛盾人間のように素晴らしかったよ。」



書きました。

よろしくお願いします。

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