第21話真夏の雪山
「こんなところに呼んで一体何のよう?」
シブキはビルの屋上である人物と会う。
「急に呼び出してごめんね。」
先に待っていたユースチスがこちらに近づく。
「今回の騒動、僕は色々な都合で関われなかったけど無事解決してくれてありがとう。今回はそのお礼とちょっとした提案があってね。」
「提案?あっ!というか何で今回あんたは関わらなかったんだ?一応この国の騎士だし何より強いだろ。」
「関わらなかったったというより関われなかった。僕はこの国出身の騎士じゃないんだ世界中に行って騎士っぽい活動してるどっちかっていうと傭兵みたいな感じなんだよね〜。騎士名乗ってるけど。だから国の政治的なやんごとない事情だとどうしても深入りはできないんだ。それに僕は不器用でどうしても加減できなくて力技で解決しちゃうからだからねそうなったらもっとややこしくなりそうで。」
「こほん。話を戻そう。これからも僕だけでは対応できないことや苦手なことがたくさんあると思うんだ。だから、今回の君たちの活躍のお礼として僕が直々に君を修行させて強くさせたいんだ。」
「はあ。」
「あれ?思ったりもノリ悪いね。この世界の正義ユースチスからの修行だよ〜?めちゃんこ強くなれるんだよ~?」
「いや急に言われてもというか何でオレ?」
「君があの3人の中でまとめ役だったことツキミやイグニスに友好関係を築いてコミュ力も持ち合わせてる。めっちゃいいなと思ったから。」
「だからさ〜僕の弟子になってくれよ〜今なら無料で受けられるしこの僕のブロマイドがプリントされたTシャツやデフォルメされた僕のマスコットキーホルダーのユーくんもセットで付いてくるから〜おねが〜い。」
「急に胡散臭くなるな!いらねぇよセンスを疑うTシャツも見てるとキーホルダーも!」
「ほんとに〜?ならしょうがないこっちのいつでもあなたと一緒にユースチス抱き枕カバーも─」
「いらねぇって何でそんなもん作ってるんだよきもちわりい。」
「あ、いいよもっと罵倒して。」
「きもちわりいつってんだよ。なんで本人もキモくなるんだよ。まだ中学生の少年に罵倒されて悦ぶとか頭おかしいんじゃねえのか!ぐっ?!」
シブキの手足が急に重くなった。
手足を見るとシブキの両手足首には金の腕輪と足輪が装着されていた。
「なんだこれ?」「あ、それ緊箍児西遊記ででてくる孫悟空に頭を締めるやつ。それを僕なりに改造して悪い事をすればするほど自動的に重くなるように改造したんだ。さっき君僕をさんざん罵倒したでしょ。あれが僕に対しての誹謗中傷と判断して重くなったって感じだね。」
「いやそれはおまえが」
「君にはこれを普段からつけて生活してもらいま〜す。」
「最初は特に変わったことはしないけどその重りになれることができたら確実に強くなれると思うよ。」
「だからオレは修行なんてしな─」
「さあ!これから強くなるために修行頑張っていこー!おおー!じゃねー。」
ユースチスはビルを飛び降り帰っていく。
「────ふっざけんな!!クソ野郎があああ!!!!」
緊箍児はさらに重くなった。
────────────────────────
廃墟となった劇場
「●●●様。いかがしましたか?」
「やっぱりさー僕思ったんだけど別に今すぐに行動起こさなくてもよくね?って。まだ私達にはあらかじめ買っておいた大量の愛しき奴隷達ががいるからしばらくは持つんじゃない?危うく優先事項を見逃すところだった。でも、早いところ行動したいから近い内に親愛なる俺の同胞達を集めたいと思う。」
「そうですか。では各地に連絡しておきます。」
「ありがとう。私の愛しきアーチボルト。」
紳士の男はステージの中央に向かう。
「さてと。梟ー?梟ー?僕の愛しき梟ー?」
「ふぅむ。いかがいたしました?ご主人?」
声とともに天井から梟の頭をした大男が降りてきた。
「貴方に会わせたい人がいるんだ。紹介するよ愛しきネズミのアンだ。」
「ひっ!」
舞台の裏から現れたのはネズミの耳が生えた少女だった服装や首輪から奴隷のようだ。ひどくネズミの少女はひどく怯えている。
「ほっほぉ。これはこれはなかなかご立派な。よろしいので?」
「かまわないよ。とてもつらく苦しいことではあるけどね。」
「ふぅむ分かりました。それではいただきます。」
「ひいい!イヤダイヤダ痛いいたいい誰かたすけ─」
「さようなら。俺の愛しきアン。君の全ては僕の心の中に行き続けているよ。うっゔうぅぅ。」
紳士の男は涙を流しながら梟の巨大な口に飲み込まれている少女を見送った。
「大丈夫ですか?ご主人。」
「ああ、彼女は私にとってかけがえのない存在だからね。とても愛していたよ。やはり愛する者の死はいつも悲しいものだね。」
「ふぅむ。わたくしが言うのもなんですがあなたも随分狂っていますね。」
「それともう一つ要件があってね。貴方が探していた同胞の目撃情報があったんだ。貴方の同胞はどうやら例の山にいると思う。そこで貴方には愛しき彼を連れてきてほしいんだ。一応協力者として僕の愛しきヘンリーを連れて行っておいで。彼の固有魔術はおそらく貴方の同胞と相性がいいと思うから。」
「ほっほー。それはそれは、ありがとうではさっそく行ってまいります。」
梟は天井を突き破って空へと飛び立つ。
「●●●様あの梟は一体?あれは人間なのですか?」
「さあ?僕も詳しくは分からないよでも多分だけど彼は私と同じような生まれ方をしたと思う。」
────────────────────────
シブキがユースチスの半ば強引な修行を始めて数日彼等の元に依頼が届いた。
「クローリー魔術研究所の植物科担当のリトリシっす。今回ローレンスさんの紹介で依頼させて頂いたっす。」
「ありがとうございます。リトリシさん。リオと申します。今回はどういったご依頼で?」
「はい。俺達の研究者の近くに山があるっす。あそこは俺達がよく実験に必要な植物を採集してるっすけどこんな真夏なのにもかかわらず雪が降ってるっす。明らかに異常っす。このままじゃ植物の生態系が崩れて研究どころじゃなくなるっす。あんた達にはあの異常気象の原因を探ってほしいっす。それと各地で起こってる奴隷解放の影響で奴隷商人側も過激になってこっちまで被害が来たっすから奴隷商人は見つけ次第やっつけてほしいっす。」
「よーし、依頼内容は分かった。すぐに出るぞみんな。」
「おう。」
「分かりました。」
「は〜い。」
4人と依頼者はトラックで雪山を走る。
依頼で聞いた通り真夏にもかかわらず雪が降り積り場所によっては吹雪もあった。
「雪が強いところに何かありそうですね。」
「とりあえず採集できるものは出来たっすから雪が濃いところを進んでみるっす。」
「リオ。ナビとスマホが圏外になる前に周りにドローンを飛ばしてくれ。」
「OK !」
リオは20個ほどのドローンをトラックの周りに飛ばす。
このドローンはカメラだけじゃなく電波を飛ばすための中継地点となっている。
「視界やや悪いと電波は良好。──ん?。」
「どうした?」
リオの疑問にシブキが気づく。
「俺達以外のトラックがこっちに近づいて来てる。」
「リトリシさん何か知ってますか?」
「いやっ、何も聞いてないっす。同業者っすか?写真見せてほしいっす。」
リオはリトリシにスマホを見せる。
「っ!?この鎖で縛られてる吹き出しのエンブレムは!ナイトドリーム商会っす!奴隷商人の中でもめっちゃ過激な集団っす!」
「イグニス!打てるか?」
「いける!」
イグニスはトラックに向かって無数の血の矢を放つ。矢は全て一直線で目標に向かう。しかし、矢は全て見えない壁があるかのように曲がって当たらない。
「なんで!?──あの子が何かやった?」
イグニスの目線の先にはものすごい形相で睨む猫耳の女の子がいた。服装からして奴隷のようだ。
その隣には立派な服装をした青年が立っていた。その男の腕には鷹のような羽が生えていた。
青年はシブキ達のトラックに向かって何かを飛ばしてきた。
「何か飛んできたぞ!」
「なめるなっす!俺だって魔術師っす!こういう時の為に種は植えたっす!」
リトリシの声とともに大量の枝や蔓が飛んできた物体を捕らえる。
「よしっす!」
(これよく見たら鳥か。ん?何か形がかわって。)
しかし、捕らえた鳥は爆発した。
「ちょっ!何が起こったっす!なんで急に爆発したんすか?」
「鳥だ!さっき植物が捕まえた鳥が変形して爆弾に変わった!」
「なんじゃそりゃ!」
「厄介な攻撃をしてくるのはあの2人だな。イヅミ!俺があいつらを捕らえる頼んだぞ!」
「はい!」
「そらよ!」
シブキは槍を投げる。猫の少女が槍を睨見つける。
「!?操作ができない?」
「ぐっ!」
槍が羽の生えた青年に突き刺さるそして、
「お前等は落ちろ。」
「瞬間移動か!」
あらかじめ槍に瞬間移動の印がつけられておりそれによって乗り込んだシブキは2人をもろとも蹴り飛ばしトラックから落とす。
「悪いがこちらにも事情がある。力尽くでどいてもらうぞ!。」
「どかせるもんならどかしてみな!」
書きました。新しい章ですね。よろしくお願いします。




