第20話動き出す歯車
「さて全員そろいましたねではこれから今後について話し合いましょう。」
零士は会議室で今回関わった人物を集め会議を行った。
「まずは奴隷の件ですが──」
「ちょっと待って!親友の親戚に言うのもなんですけど何で生きてるんですか?!」
シブキは机を叩く。
「あの時、胸の傷口にナイフ突き刺さってましたよね?心臓貫いてましたよね?!」
「突き刺した僕自身でも刺しつつ殺したかもと思っちゃたくらいですからね。」
シブキは落ち着いた様子で会話に参加する。もう彼に苦手意識は無いようだ。
「それは貴方達の武器や魔術に殺意を付与していなかったからです。」
「「殺意?」」
「はいこの世界の武器と魔術には安全機構が備わっています。どれだけ武器で身体を傷つけても多少の出血と気絶程度で致命傷や後遺症に至ることは無いようになっています。私の胸の傷も数日すれば元に戻るでしょう。あまり言うべきものではありませんが殺意の付与の仕方はまた後ほど。」
「ちなみにこのセーフティを作ったのはそちらにいるローレンス様です。」
「もともと神に血を捧げる儀式の際に血を流しつつ死者を最小限に抑えるという発想の元開発した技術だけど今では犯罪者の逮捕や訓練用に普及されていったて感じだね。」
ローレンスは懐かしむように解説をする。
「それでは話を戻しましょう。奴隷についてですが、今回この襲撃の和解の条件として我が社は完全に奴隷ビジネスは撤退し改めて国の監視の下活動を続けるという条件を飲むこと、彼等に無償で次の奴隷解放の活動のための武器を提供することで納得はいただきました。そちらもそれでよろしいでしょうか?」
「うん。これからは私の保護のもと頑張ってほしい。」
「ありがとうございます。それでは次のテーマですがなぜ私達がここで会社を経営しているかについて彼等に説明をしましょうか。」
「それよりもよお!説明すべきことがあるじゃねえか!今回の事件が茶番ってのはどういうことだ!!」
リオは足をテーブルに足を乗せながら零士に噛み付く。
「そうだった!俺の父さんと母さんもこっちに来てたがどういうことだ?いつからこの件は仕組まれてたんだ?」
「そういえばリオくんはあの場にいなくて説明がまだでしたね結論を言いますと最初から考えていたことですが。カードやドローンの根回しをして貴方たちをここへくるように誘導して──。おや?これは少なくともシブキくんには以前説明をしたような?」
「ん???……あ!そういえば言ってた!いろいろあってわすれてた!」
「そうでしたか。ところでなぜわざわざ襲撃の演出をしてまでこれを行なっていたのかはカードを渡した人物を交えてお話ししたいと思います。」
零士は窓を閉ざし光が入り込まないようにする。
すると巨大なスクリーンが現れ映像が映し出される。
「やあ、久しぶりあの研究者以来かな?」
そこには初老の男性が写っていた。
そして3人はその姿に驚いた。
「「「たっ!高橋総理ーーー!!!」」」
「あっ知ってたんだだねいやあ最近の子供も中学生位になると私のことを知ってくれるんだね。」
「あ、あの時カードを渡してきたのは?」
「もちろん変装してた私。」
「まじかよ!(忘れてたけど)」
「そ、そんな人がなぜ僕たちに?」
「それの説明は順を追って話す必要があるけどいいかな?」
全員頷く。
「まずこの世界を見つけたのはほんの偶然行方不明者の調査をしていた調査員が戻ってきた時に残ったていた記録を確認したことから始まったんだ。」
「そこにはまるで絵本の世界のような景色が広がっていてわが目を疑ったんだよね。でも映像は本物。その後も記憶をなくした調査委の映像記録には同じような光景が広がっていていたんだだから信じるしかなかった。」
「この件を世界で会議したら世界から優秀な人材を集めて正式に調査をしようと集めたんだ。」
「それが私たちです。」
「日本が代表としてやることになったのは映像に写っていた原住人が日本語で話していたこと通過が日本円だったことが大きな理由だね。あ!もちろん零士くんが優秀でもあったけど。」
「そんなこんなでツキミさん達が快く受け入れてくれたこともあり会社を立ち上げてこちらの世界とより良い関係を築けいていった。うまく行けばこの事実を世間に公表できるくらいには」
「でも2つ問題があった1つは本当に彼等が信用に値する国であるのか不安に思っている国が多くもっと信頼できる材料が欲しい点、もう一つは奴隷売買は世間に公表する前になんとか取りやめておきたいという点だね。特に後者はそっちでも問題視していたし。」
「元々アドベンズコーポレーションはハンディ商会という企業傘下ですでに独立はしましたが奴隷売買はその名残でした。」
「ですが、少なくとも我が社からの奴隷は雇い先と本人の意思のもと仕事をさせていました。エジプトの奴隷のように福利厚生や働きやすい環境を整えていました。ですがまあ、奴隷である時点であまり受け入れられてはいないですねましてや表立って行っていない事業でもあるので。」
「だからこそ君たちが必要だったというわけだ。外からやってきた人間が国と解放戦線と共に企業を下し奴隷売買を撤廃するという革命のシナリオを作るために。カードは君たちが来たことを分かりやすくするための目印として渡したんだ。」
「それに君たちは社長の息子とその親友そんな人が友好的な関係を築けたとすれば各国からの納得がいくんじゃないかと思ってね。実際はそんなに甘くなかったから信頼関係は時間と私達が解決するべきだね。」
敬意を聞き終えたシブキは口を開く。
「要するにあんた達は俺達を利用してこんな茶葉をしたと?」
シブキの目には敵を見るように怒りが漏れ出している。
「この提案したのは総理大臣である私だ。この責任も恨まれるべきも私だこの謝罪とお詫びは必ずすると約束する。でもそこの零士くんはこの提案を最後まで否定していただけは分かって欲しい。」
シブキは大きなため息をつき椅子に座り直す。
「まあ、なんだかんだあんた達は俺達の身の安全を出来るだけ守ってくれてたし何よりイヅミと零士兄ちゃんが向き合うことができたからねだから今回のことに対してはこれ以上変なことは言わねえよ。でももし今度もし俺の親友に危険な真似をしたら絶対に許さねえからな。」
「うん、肝に銘じておくよ。」
その後もしばらく会議は続く。
「どうしてここを出た人間が記憶をなくしてでていくんだ?」
「それは入ってきた人間が還りたい意思を示した際に自分の記憶を支払うことでいつでも外に出られるようにローレンスさんが世界そのものに魔術を使用したからです。」
「基本的に外から来た人間はいつでも出られるようになっています。ただし一部例外がいますが現時点では関係ないので後ほど説明しましょうか。」
「一体いつからこの世界は存在していたのですか?」
「現在調査中です。ですが少なくとも二千年は続いていますね。」
「さっき言ってた。殺意の付与方法は?」
「簡単です。その武器や魔術で自分に傷をつけると付与されます。」
「さて本日はここまでにしましょうかね。」
お疲れ様ですと帰っていく。
3人は部屋に戻る。
「いやあああ疲れたなあ。」
「身体中がいてぇ。」
「でも楽しかったですね。」
3人はそれぞれ部屋の床やソファーに転がる。
しばらくすると封筒持ったイグニスが部屋に入ってきた。
「みんなー今回の仕事の給料が出たよー。」
「「「おお!」」」
3人は勢いよく立ち上がる。
「そっか一応仕事だからこういうのもあるのか。」
「オレが一番もらえるんじゃねえのやっぱ場をめちゃくちゃにかき回したんだからよ。」
「いやさすがにイヅミだろ。」
3人は期待の元封筒を開ける。
その中には千円札が1枚入っていた。
「えっ?これだけ?」
「そうぽいよローレンスからまだ中学生のガキが万札貰おうとか調子に乗るなお前たちはこれくらいが妥当と。」
3人はしばらく千円札を見つめながらブツブツと何かをつぶやいている。
「さすがに茶番とはいえもうちょっとあってもいいんじゃねえの?」
「割と死ぬ思いしたのに。」
「俺なんか全裸になったし何回も死んだ気がするんだけど。」
彼等の頑張りはまだ始まったばかりのようだった。
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街から外れにある廃墟と化した教会にて。
そこに一人の執事と紳士がいた。
「●●●様少しよろしいでしょうか?」
「今月の失神、失禁者の数は〜デレレレレ!!バン!!!三百人中に253に〜ん!!パチパチパチ〜!!」
「●●●様!少しお時間よろしいでしょうか!」
「なんだいアーチボルト?今私の作った劇のファンの反応を観察しているんだ後にしてくれ。」
「いえ、ですが噂では血の巫女である彼女が動き出したそうです。捕らえるべきですか?」
「なんだい?そんなことかいそれなら無視しても構わないだろ今から彼女をどうするわけでもないしそれに今あまり派手に動いたら帰って面倒だろ。」
「そうですね。失礼しました。それともう一つなのですが」
「なんだまだあるのか?」
「ええ、とはいえ私たちにはあまり関係がないのですが。」
「いいよ言ってみて。」
「はい以前から続いていたアドベンズコーポレーションの奴隷事業を完全に廃止するそうです。」
「なんだそんなことかわざわざ私に言う事って─エエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!???」
「ちょっと待って!あそこ奴隷売買やめちゃったの!?なんでなんで?!」
「はいどうやら国の代表であるツキミ様が解放戦線をまとめ上げて革命を起こしたと。」
「ちょっとおお!いくら何でも早くない?するならもう少し後だと思ったのに。」
「ですが現在私達はあそこから購入していないと思いますが?」
「わからないかい?表立ってやっていないとはいえ一つの大企業が消滅したんだよ。それも解放戦線がかったという理由で、今はまだ大丈夫かもしれないけどいずれ風潮が出来上がり他の奴隷売買自体がなくなっていく可能性がある。」
「そうなるとうちの愛する同胞達はどうなる?」
「食べるものを失った肉食獣たちの群れが飢餓のあまり互いの肉を喰い始める。そんなことには絶対にさせない!」
紳士の男は立ち上がり教会を飛び出す
「どちらへ行かれるのですか?」
「決まっている皆に伝えにいくんだ!我々は動き出す時が来たと!」
紳士の男は闇の中に光を見つけたように一心に走り出していた。
書きました。よろしくお願いします。




