「何かテンション高い」
しばらくして、落ち着いてきたアレグム団員に護衛のことを説明した。
「町での護衛…!?俺なんかでいいんですか?」
そこで、俺はアレグム団員にいきなり質問。
「アレグム、何歳?」
「19です。」
「出身は?」
「隣のチレネド王国です。平民です。」
「兄弟はいる?」
「…俺が長男で、下に弟二人妹二人いますけど…?」
「バッチリじゃないかグィルバー団長!」
思わずグィルバー団長とハイタッチ。のってくれてよかった。
「と言うことだ、頑張ってくれよアレグム団員。」
さっぱりとした顔のグィルバー団長がアレグム団員に言う。
「何が何だか、まだあまりよく分からないんですが。」
バシッと手をあげて団長に突っ込むアレグム団員。ボケよりはツッコミの方が向いているようだ。
「つまりは、僕が町に行くときに護衛つけなきゃいけないんだけど、“王子”だってバレたくないから目立つ人とは行けない。ちなみに“兄弟”設定は、そういう気分的だったから(笑)」
「分かりましたよ…。で、いつ頃行くつもりですか?今からとかは言わないでください。」
ドンピシャである。
渋々、予定を変更した。
「じゃあ明日と言うことで。朝の十時に、城の門のところに私服で集合ね。」
「分かりました。」
俺は用事が終わったので、自室へと戻った。扉を開けてベランダに出ると、そこからは少しだけ町が見えた。
「ハァ、やっと行けるよ…。二人ともどうしてるかなぁ。」
その日の夜は、少しだけ明日のことにワクワクしながら眠りにつくのだった。
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「私服、私服…あった。」
俺はサリマーダ王国の護衛団に入って半年ぶりに、自分の私服を引っ張り出していた。
王子の町の護衛で着るためだ。
最近町では強盗がちらほらと出ているらしく、あの王子の世話役のランソワさんが一人で行くことを許してくれないらしい。
それにしても。
「“兄弟”かぁ…。」
頭の中には、家を出て以来顔を見ていない、王子と同じ年の弟のことが浮かんでいた。
「元気かな…。あいつら。」
忙しい日々のなか、久しぶりに家族のことを考えた時だった。




