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「王は伊達じゃない」
「はーい、何か質問は?」
俺は驚きで物も言えない様子の王に、空気を和らげるために軽い調子で言った。
すると、流石は王だ、立ち直りが早かった。
「質問…。『百変化』とは、あの『百変化』か?この国の森の奥に住むという…。」
「うん、そうですよ。」
「人を襲うというのは…」
「嘘…ではないけど、よほどの事がない限りは殺したりはしないですよ。さっきも言った通り、人間は好きだから。」
よほどの事=暗殺者たち
の事である。
「それは、まあすまなかった。」
あれ、何か逆に謝られちゃった。おかしいでしょ、ここは普通────。
「俺を、追放しないんですか?というか、怖がらないんですか?」
「なぜ怖がる必要がある。暗殺者たちを殺したのは、理屈がちゃんと通っているではないか。人間でもそうする。」
さっきも思ったけど、流石は王…。
「それに、レグネスよりもお前の方が人間らしい。不思議なくらいにな。」
「…ありがとう、ございます?」
喜んでいいのか、これは。
「あ、そういえば俺も聞きたいことがありました。」
危ない、忘れるところだった。
これを聞かないと、俺の推理は進まない。
「昔、王子と仲がよかった魔法使いっています?もしくはいました?」
それが、大きく鍵を握っているのだから。




