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闇の王子、影の王子  作者: チェル
一章──奔走、影の王子編
20/79

「見た目は王子、頭脳は化物」





日が落ちて暗くなってきた窓の外を見たランソワおばさんは、俺の部屋のカーテンを閉める。

今日もまた、何だかんだでハードな1日が終わるのだ。


俺はふと、昼前にお腹が空いて床に倒れているときに思ったことを、おばさんに聞いてみることにした。


「あのさ、おばさん。」

「はい、何ですか?」


カーテンを閉め終わって 俺の方を振り返っ たおばさんに俺は尋ねた。


「何で食事は自室でとることになってるの?僕、あんまり(とうさん)と話してないから、今度一緒に夕食でも食べたいんだけど。」


その言葉に、おばさんは笑って言った。


「そうですわね。王との関係も、また1からの状態ですものね。前の王子は、王と仲が悪すぎて口も聞かない状態があったりしたものですよ。」


それは酷いな。

と言うか、どんだけ酷いやつなんだ元王子。


(とうさん)は皆から慕われているのは知ってるけど、王妃(かあさん)はどんな人だったの?」


その辺は、あまり聞かされていないな。


「リメリア様は、そうですね、とても明るいお方でした。まるで寒い所にも等しく降り注ぐ、温かい太陽のような…」


懐かしむように、ランソワおばさんは話してくれた。


「そうだったんだ…。でも、僕が産まれたときに死んだんだよね。…記憶が無くなる前の僕は、どのくらい王妃の事を知っていたんだろう?」


ふと、ここに来た頃にベッドの下で見つけた横長の箱の事を思い出した。

たしか、中身には女性の使うものが入っていたな…。王妃の形見だろうか?

でも形見をあんなところにしまい込むだろうか…


ぐるぐると考え事をしていた俺に、おばさんは急に話しかけてきた。


「王子。」

「ん、はい?」


「お腹、空いてませんか?そろそろ夕食の時間ですよ。」


ああ、それもそうだな。

思い出した途端、お腹が鳴る。

でも、俺はハプニング付きという夕飯のイメージが強い。

嫌だなぁ普通に食事したいなぁ。


それを察したのか、ランソワおばさんが力強い笑みを浮かべて言う。


「安心てください。皆にはイタズラを止めるように言いましたから。」


イタズラのレベルなのか、アレ。


「そ、それならいただこうかな。もう気絶して目覚める朝は嫌だし。」


その言葉に、おばさんは夕食の準備をしに部屋を出ていった。


誰もいなくなった部屋の中で、俺は黒い笑みを浮かべる。


おばさん、あの時さりげなく話題を変えたな。



これは…何か裏がありそうだ。







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