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勝負!⑧後編…一転して窮地!壁を…越えろ!

「…まさか…っ」


「にゅふふ~、やってやったよぉ、ブラックジャックぅ~♪」


二回戦。カオルさんは三枚目でBJを決め勝利を決めた。とはいえさすがに20で勝てると踏んでいたらしいコハルは動揺を隠せなかった。…20で負けるのは中々無いからな


「…さすがお姉さま…」


「そりゃあ、私は貴女の姉だからぁ♪悪運が強いのがぁ、私の強み~♪」


…悪運は強みなのか?よく分からないが、とにもかくにもこれで一勝一敗、次の勝負で白黒が着く。…有利なのは、カオルさんに変わったか。カオルさんは追い込まれてからの拾った勝利となるから、気楽になったはずだ。逆も然りでコハルは勝つべき白星を取りこぼしたというのは気持ちの余裕が無くなっているはずだ


「…じゃあ、最終勝負を開始するっすよ」


「…はい」


「よし来たぁ♪」


最後の勝負の二枚を配る。二人はそれを手にし思案顔。どうやらあっさり20とかBJが出たわけでは無さそうだ


「…く…」


「う~ん…」


コハルは少し唇を噛んでいる。大分苦しそうだ。カオルさんも同じようで口に手を当てながら思案だ


「とりあえず、二枚目をいただきます」


「私もそうするかなぁ~」


とりあえず双方が一枚目を引く。そこでカオルさんに変化が…


「ん?んん?ん~…」


そのトランプを見つめながら悩んでいるカオルさん。…なにを引いたんだ?


「…私は、もう一枚引きます」


コハルはもう二枚目を引くことを決めたようだ。ただ表情が晴れない所を見るとかなり苦しいのか?


「むむむ~、よぉし、私はこれで行くよぉ!」


だがカオルさんはその行動を見て決めたのだろうか、トランプを置き勝負の構えを見せた。見る限りカオルさんの手札がBJになってる確率はゼロに近い。BJならコハルが引くという宣言前に伏せるだろうし、引いたトランプで悩む理由もわからなくなる。となると可能性が高いのは20という事になる。コハルの手札がどれくらいの値なのか分からないが…これは苦しいか?


そしてコハルが二枚目を引く。これで合計が4枚でなったが、カオルさんが引かないことを考えて勝負に出るか…?


「……」


「コハ?どうするのぉ?」


「……」


コハルはカオルさんの顔を一度見て、トランプを伏せた。…コハルもBJでは無さそう…か


「私もここで勝負に出ます。お姉さまを、ここで越えて見せますよ」


コハルは俺に笑顔を見せた。先程までの焦った様子は無く、自信すらうかがえる


「コハが私を越えるのかぁ、そうなったらお姉ちゃんも衰えた証拠になっちゃうなぁ~?」


対してカオルさんもゴットスマイルを見せる。…両者が自信ありか。…この人たちの両親って、めっちゃギャンブル強そうだな


「じゃあ…」


「オープン!!」


そして二人の手札が表になる…結果は…


桜コハル…20(8、6、2、4)

桜カオル…BJ(A、2、8)

「…なっ…!?」


勝ったのは…カオルさんだった。カオルさんは100%の笑顔だ


「にゅふふふ~、私に勝とうなんて百年くらい早いよぉ♪」


「…カオルさん、なんで一枚目のトランプを引いた段階で悩んだんスか。ブラックジャックならすぐ伏せたって…」


「あっちゅん、それじゃあダメなんだよぉ。相手はコハだよぉ?コハ相手にそんな事したら当然BJを疑って三枚目も引いちゃうじゃない?…その一番上、Aじゃないのかなぁ?」


「え?…そんなまさか…」


俺はとりあえず山札の一枚目を表にする。…Aだった。一体何を根拠にそれを予想したかは分からないが、そこまで考えてのあの思案という演技…


「…」


コハルは目を丸くしたまま固まってしまっている。二回戦目と同じ20を擁しても勝てなかったのがかなり堪えてるのだろう。正直、かける言葉が分からない。慰めても負けは負けだし、かといって放置という訳にも…


「コハ」


「…!」


声をかけたのはカオルさんだ。真顔でコハルに声をかけたが、コハルはうつ向いたままだ


「…何ですか、私は負けたんですよ。まだ打ちのめしたいんですか」


うつ向いてはいるが、肩が震えている。多分、目には涙も溜まっているんだろう。…悔しい、本当に。背中を押したのは俺だから、俺にも責任はあるんだからな


「…」


ただ、カオルさんはなにかを言うより前にコハルに近づいていき…


「ありがと…」


「…っつ…!?」


「…え?」


コハルを起こし、抱き締めた。コハルは目を丸くしている


「…お姉、さま?」


「コハ、辛かったんでしょ?どうせ二世とか言われたんでしょ?それが嫌で、私に勝とうとしたんでしょ?」


「…!」


コハルは黙っている。それが肯定だと言うのはカオルさんにも伝わったらしい


「…でもね、コハルは決して五分咲きなんかじゃないよ?コハルも、満開の桜だよ?」


「…う…」


コハルの目からは耐えきりず涙が流れ始めた。姉が、妹を認めたんだ。桜コハルとして。コハルにとってはその事実だけで十分なんだろう。カオルさんに認められさえすれば…


「桜カオルの妹の桜コハルとしてじゃなく、一人の桜コハルとして、お姉ちゃんは生きて欲しいと思うな?」


「…うんっ…」


"天才"の姉を持つ"秀才"ゆえの悩みは、解決と言う形での勝利をコハルは納めたのだった…



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