パン
「…」
「おつかれーっす…って…何やってるんすか先輩」
「…あ、河内君、お疲れさま♪」
とある日の部活、俺はいつも通り部室に行くと阿見津先輩が机上に購買で打っているパンというパン全てを並べていた。…何かを考えている感じだったが…
「何してるんすか」
「…パンって沢山種類があるでしょ?でも、購買にはもっと種類があってもいいと思うんだ?」
「…で、この現状と何の関係があるんすか?」
全然説明になってない…
「…だからね?もっと新しいパンを食べられないかなぁと思って…」
「でも、だからこの現状はなんなんすか」
「…もう、分からないの?だから今から沢山食べて、何かいいアイデアを浮かばせようって事だよ?」
…何だろう、阿見津先輩の目が心なしか泳いでる気がするんだが…
「阿見津先輩、なんなんすか、そろそろ吐いたらどうです?」
俺が突っ込むと、阿見津先輩は観念したように話し出した
「…購買のおばちゃんに大量にもらっちゃって、処理に困ってたの…」
要するに、おばちゃんの善意か
「分かりました。俺も処理手伝いますよっ…と」
そして俺は椅子に座り、パンを1つ手にとる。…なんだこれ、生ハムメロンサンド?
「…」
…普通、生ハムメロンなんかサンドしたらダメだろ…
「…気付いた?うちの購買、なんだかよく分からないものばかりサンドしたり、パンにしてるんだよね…」
阿見津先輩も何やらよく分からないパンを食べている。…随分と凝ってるんだな…
「…だからね?もっとまともなパンを入れないんですかと聞いたら…」
「この有り様っすか…」
訂正、これは嫌がらせだ。…これが真実なんだな
「他には何のパンがあるんすかね…」
そう呟きながら、俺は他のパンに目をやる。…これが、その一覧の一部だ
・いくらパン
・にくピーマンサンド
・金平糖パン
・爆弾パン
・激辛フィーバーサンド
らしい。…何だよ、下2つは。名前からしてカオスすぎやしないか?つか、売れるのかよこんなもん
「こんにちはーっ!」
そこに風がやってくる。…タイミング良すぎだな、芸人張りだな
「…朝野さん?今日購買のおばちゃんからパンをもらったんだけど…食べる?」
「あ、食べます食べます!」
「…じゃあ、はい♪」
そして阿見津先輩は風に例の爆弾おにぎりを手渡す。…さりげなくえぐいなおい
風はそれをなにも躊躇なく口に入れる。…
「!!!!?」
すると風が、何か顔色がみるみる悪くなっていく。…え!?
「…うっぷ…」
そしてそのまま部室を後に。…リバースですね、分かります
「…やばいみたいだね?」
「そんなもんをおいそれと人に勧める先輩も十分やばいっす」
そしてこの後、トイレから帰ってきた風は阿見津先輩にキレ、そのご機嫌を直すのに苦労する俺と阿見津先輩だった…って、なんで俺が苦労するんだよ…
「…あら、もう皆様いらっしゃらないのかしら」
少しして河内達が帰った後、誰も居ない部室に憐香が現れた。そして机上に目をやると…
「…パン、かしら?」
そこにはパンと一枚のメモが。そのメモには
『食べていいよ』
とのメモが。それを見た大道寺は
「ふむ、丁度いい時に私、お腹が減っておりますの。…いただきますわ♪」
そして大道寺は何の躊躇もなくパンを食べる。だがそのパンは…
「うっ!?!か、かか、辛いですわぁぁっ!??」
…部室に一人、辛さに悶える人間がまた、ショー部にいた…




